東京新宿・伊勢丹百貨店(その1)

東京新宿伊勢丹・地下食品フロア
最寄り駅新宿三丁目に新線が乗り入れたことに伴って、新宿伊勢丹の地下食品フロアが賑わっている。
新たな商圏の拡大に対応して、食品フロアは全面改装され新たなデパ地下として、大勢の客を集客している。
その人気の秘密を観察すると、単なる交通インフラだけではないことが明らかになる。従来までの各テナントの個性を抑え、構造とカラーを統一し小綺麗にリニューアルされたこのフロアは、全く新しい三空間を提供していることがわかる。
①従来よりも低く奥行のある商品空間は客にとって見やすく、販売員の接客圧力が弱まっている。
②販売員空間は前と変わらず狭い空間であるが、低い商品空間が販売員の動き(アクション)を目立ちやすくしているために、接客中、作業中の販売員のアクションが大きな賑わいを生み出している
③従来よりも幅の広い回遊通路は、気軽に冷やかして歩ける快適な客空間となっている。
あまりにもインフラ効果が印象的で、店本来のパワーを見逃しがちだが、実は、売れる三空間が成功している。

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東京新宿・伊勢丹百貨店(その2)

『客は見た目で店を判断する』

伊勢丹の食品フロアは614日開通の交通インフラの強烈な追い風を受けて沿線顧客を集客しています。通路が広くなり、ショーケースも見やすくリニューアルされたこの店は、現在の回遊客からはどのように見られているのでしょうか?

『ずいぶん見やすく買いやすい売場になった』と感じられているはずです。その一番の要因は、忙しそうに接客や作業に追われる販売員のアクションなのです。ショーケースが低く統一されたことによって、販売員のアクションは従来の店に比べて遥かに目立っています。この地下食品フロアの現在の集客の要素の一つに、客を引き付ける販売員のアクションがあることをお忘れなく。

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ちなみに、この写真は新線が乗り入れる前で、まだ回遊客が少なく、客を遠ざける販売員のアクションが目立ち、客の見た目には『見づらく買いにくい店』だと思われていたはずです。

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東京新宿・伊勢丹百貨店(その3)

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35年前の統一店舗デザイン』
百貨店の人気スポットは、食品フロア=デパ地下。

六尺ショーケースが立ち並ぶ売り方は、店舗のルーツ「戸板一枚」商法である。戸板(ムシロ)一枚を隔てたスリリングなコミュニケーションこそが、客にとって無意識の魅力となって多くの客を引き付けている。

1973年、約35年前大阪梅田の阪急百貨店に彗星の如く登場し、たちまち売り上げと人気を伸ばして日本でナンバーワンの店になった和菓子屋がある。客が望んでいた戸板一枚の本来の魅力を打ち出した店舗デザインが圧倒的人気を獲得した秘密であった。伊勢丹百貨店の食品フロアの統一店舗デザインは、35年前に登場してきた店とほとんど同じである。

違っているのは、たった一店ではなく、食品フロアの全ての店が同じようになっているところである。デザインが統一された、その後の食品フロアの推移に注目したい。なお、その店はこのフロアにもある叶匠寿庵である。

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東京新宿・高島屋食品フロア

東京新宿・高島屋食品フロア
副都心線が乗り入れた6月14日以降、新宿三丁目地下鉄駅は、乗降客で賑わっている。その多くの乗降客を狙って新宿の百貨店は、いずれもリニューアルを伴って対応している。高島屋百貨店は紳士服と婦人服が同じフロアで買えるように改装し、14〜15日は前年比30%増の売り上げを獲得した(高島屋によれば)。

しかし三丁目地下鉄駅に直結した伊勢丹百貨店の食品フロアに比べて、高島屋百貨店の食品フロアは集客に後れを取っている感が否めない。

伊勢丹百貨店の食品フロアが、商品空間、販売員空間、客空間の三空間を大幅に改装し、販売員のアクションが強く目立つ店になっているのに比べて、高島屋百貨店の食品フロアは従来からの三空間のままで、販売員の姿やアクションが目立ちにくいままになっている。

販売員のアクションが個々の店の、ひいてはフロア全体のイメージや活気に大きな役割を担っていることがよく観察できる。

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