1.「人の動き」とは何か?

人は誰でも自分の身体を動かして様々な行動をしています。食事、身づくろい、家事、育児、仕事、交際、遊びなどはもちろん、睡眠ですら、その状況にふさわしい身体の動きをすることによって成り立っているのです。

さらに、人は自分の身体を動かして他人との様々なコミュニケーションを行っています。

Mab002Mab003

喜怒哀楽も、興味や関心も、勝利や敗北も、愛や憎しみも、やる気や怠惰も、尊敬や軽蔑も、言ってみれば人間関係に関係するありとあらゆる情報が、その人の手や足や顔や頭や首や肩や背中や腰の動きなどによって表現されます。

たとえことばを発しなくても、ぐっと握り締められたこぶしや、ふるえる肩や、姿勢よく立った姿や、頭を抱えて座り込んだ様子などは、それだけで実に様々なことを物語っているのです。

 

Mab013Mab011

このように、私たちは時々刻々と相手の身体の動きから情報を読み取り、また、自分でも多くの情報を発信しながら、人間関係を成り立たせています。

ところが、現実に私たちの人間関係はなかなかうまくいきません。

よかれと思ってやったことはなぜか相手に悪く解釈され、努力したことはほとんど評価されず、言ったはずのことは聞いていないと言われ、誤解はなかなか解けず、砂をかむような味気ない関係が続いてしまいます。

このようなコミュニケーションの失敗は、実は、お互いの身体の動きが読み取れなかったり、あるいは表現できなかったりすることが大きな原因となって生じているのです。特に大きな問題となっているのは、私たちは本当に伝えたい情報を、自分の身体を使ってなかなか的確に表現することができないということなのです。

人は日常生活のほとんどの動きを無意識に行っていますが、その動きは個人によってそれぞれ独特な特徴を持っています。

忙しくもないのにこまねずみのように動き回る人がいる一方で、どんなに忙しくてものんびりしている人がいます。
Mab009Mab010

いつでもけんか腰の人がいる一方で、何でも他人の言いなりになる人がいます。

実はこれらの人の特徴は、彼らが毎日繰り返し行っている身体の動きから発信し続けられているものなのです。


このように、人は自分独自の動きは繰り返し練習していますが、それ以外の動きはほとんどしたことがありません。ある動きについては、一生、一度もしないままで終わってしまうかもしれないのです。

そのため、私たちはいざというときにすばやく、状況に合った適切な動きをすることができずに、不本意な状況を余儀なくされてしまうのです。

なかなかうまくいかない自分の人生ですが、それを縛っているものは自分の動きにほかならないということがおわかりになったでしょうか?

人が自分の殻を破るということは、それまでやったことがない身体の動きを取り入れるということなのです。

Mab001


このように、自分自身の動きを知ることによって、自分がどのような成功や失敗をするのかがわかります。

また、相手の動きを知ることによって、相手がどのような成功や失敗をするのかがわかります。

自分と相手のことがわかれば、お互いに協力し合う方法を探したり、うまくいく相手を見つけたりすることによって、よりよい人間関係を築くことができるのです。