戸板一枚の店のアクションの法則
1.戸板一枚の店の構造
日本の場合、店の基本は「戸板一枚の店」です。
戸板とは日本家屋の雨戸のことで、サイズは高さ約180cm、幅約90cmです。
通行量の多い道路に、商品を並べた戸板を一枚置き、その後ろに売り手が座ると「店」になります。
このような店の店員と客はお互いに見知らぬ関係なので、日常の人間関係は生じません。したがって、「戸板一枚の店」は、基本的に「接客しない」構造の店ですが、なわばり感覚や狩猟採集感覚の強い客にとって、見知らぬ店員と戸板一枚を隔ててのスリリングな駆け引きは、大変大きな魅力なのです。
2.戸板一枚の店における
「客を引きつけたり遠ざけたりするアクション」
(1)じっと立つと客が遠ざかる
(2)「いらっしゃいませ」というと客が遠ざかる
(3)前に立っていると近づいてこない
(4)他の客に接客中だと近づいてくる
(5)作業をしていると近づいてくる
(6)サクラパワーが生じると近づいてくる
3.戸板一枚の店とコミュニケーションの関係
「戸板一枚の店」の店は、「販売現場」という特殊な空間で、客と店員がお互いにうまくコミュニケーションができる構造になっています。エドワード・T・ホールの「人の四つの距離」と「戸板一枚の店」を比較してみると、「戸板」がいかにすぐれたコミュニケーションツールであるかがわかります。
この「戸板」のスペースを上手く使うことによって、客と店員が大きなトラブルを起こさず、スムースに商品を売買することができるのです。
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