カテゴリー「◆2020三空間店舗分析」の54件の記事

2021年1月18日 (月)

16.「竹下通り」の店が客を引きつけるために発信している「六つのメッセージ」とは?----東京・原宿の「竹下通り」の三空間店舗分析(その3)

こんにちは。 

前回までは、東京・原宿の「竹下通り」の「店」を構造別に分類し、
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊」
の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションについて説明してきました。

さて今回は、「竹下通り」の全体の店が客を引きつけるために発信している、「六つのメッセージ」について説明いたします。


「店」は店の前を行き交う大勢の通行客に対して、来店や購入を促進するために様々な「誘惑のメッセージ」を必ず発信しています。
そして客にとっては、この「誘惑のメッセージ」こそがリアルショップの大きな魅力となっているのです。

↓竹下通りの様子
Photo_20210112184101    
↓明治通り側入り口辺りの様子
Photo_20210112184201    


(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ(誘惑のメッセージ①)

Photo_20201020103301
1_20210118094601

Photo_20210112184301     

様々な大勢の通行客が行き交う通りに接した「店」からは、「初めての方ほどどうぞいらっしゃいま!」という「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されています。
そして、そのメッセージにひきつけられた大勢の見知らぬ客自身からもまた「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されることになるのです。

(2)浪費は美徳のメッセージ(誘惑のメッセージ②)

Photo_20201020103302
2_20210118094601

Photo_20210112184302
「商品空間」に設置された「プライスカード」は、ただ単に商品の価格を表示しているだけでなく、購入目的の客に対してはもちろんのこと、購入の予定がないひやかし客に対しても、「思い切って買っちゃいましょう!」「ついでにこれもどうぞ!」等の「浪費は美徳のメッセージ」を発信しています。客は必ずしも必要としない商品を買って散財することによって心が癒されたりするのです。

(3)返礼不要のメッセージ(誘惑のメッセージ③)

Photo_20201020103303
3

Photo_20210112184401   
回遊通路にせり出した「商品空間」や店内の「商品空間」からは、「どうぞ自由にご覧ください!」「見るだけでもどうぞお気軽に!」等の「返礼不要のメッセージ」が発信されています。
礼を欠くことが禁じられている日常生活の中では無礼とされていることが、この通りにおいては許されるのです。

(4)狩猟解禁のメッセージ(誘惑のメッセージ④)

Photo_20201020103304
4  

Photo_20210112184501
店頭から店内に引き続いて大量に陳列された「商品空間」からは、「狩猟解禁のメッセージ」が発信されています。
客は自由なハンターの気分になって通りや店を回遊できるのです。

(5)もっともらしい理由のメッセージ(誘惑のメッセージ⑤)

Photo_20201020103401
5

Photo_20210112184601    
「期間限定ショップ」や「対象者限定商品」等を訴求した店舗や商品からは、「今だけの商品ですよ!」「非常に信頼のおける商品ですよ!」等という「もっともらしい理由のメッセージ」が発信されています。
多少の「いい加減なこと」「適当なこと」が許されるのが「店」なのです。

(6)性をほのめかすメッセージ(誘惑のメッセージ⑥)

Photo_20201020103402
6

Photo_20210112184602      
大勢の若い男女の店員や行き交う見知らぬ若い男女の客や様々なディスプレイや商品そのものからも、「性をほのめかすメッセージ」が発信されています。

以上、東京・原宿の「竹下通り」全体の店が発信している、客を誘惑する「六つのメッセージ」についてご説明しました。
(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ
(2)浪費は美徳のメッセージ

(3)返礼不要のメッセージ
(4)狩猟採集のメッセージ
(5)もっともらしい理由のメッセージ
(6)性をほのめかすメッセージ

「店」(リアルショップ)には、日常のタブーに縛られた生活から解放された自由な時間と空間(つまり非日常)を求めた大勢の客がやって来ます。
そして大勢の客はそこで、他人が「劣位」で自分こそが「優位」であることを認識し、大きな安定を獲得しているのです。

そのことを、よく心得ている「店」は、「なわばり」を解除した空間を提供すると共に「六つの誘惑のメッセージ」を発信することによって、少しでも客を「優位」にして、店員と店を「劣位」にしようとしているのです。

残念ながら三密の回避やソーシャルディスタンスを採用したコロナ禍によって、日本中の店における「なわばり」の解除や「誘惑のメッセージ」の発信はやや自嘲気味となっていますが、ここ「竹下通り」においては、十分に「なわばり」を解除した空間の提供や、魅力的な「誘惑のメッセージ」がたくさん発信され、土・日を問わず連日多くの客が引きつけられていることが観察できます。

それではまた次回に…。

| | コメント (0)

2021年1月12日 (火)

15.「竹下通り」の店の構造と店員&客のアクション-----竹下通りの三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

若者を中心とする大勢の客が東京・新大久保駅界隈のコリアンタウンに引きつけられています。そして、東京・原宿の「竹下通り」の客もまた新大久保駅界隈のコリアンタウンに移動しています。

なぜ、東京・原宿「竹下通り」を凌いで、新大久保駅界隈のコリアンタウンに客が引きつけられるのかを知るために、両方の「通り」と「店」を合わせて観察しています。

前回は、「竹下通り」に立ち並ぶ様々な店(飲食店を除く)を、「商品空間」と「店員空間」と「客空間」の三空間のレイアウトの仕方を分析することによって、「竹下通り」が
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が広い、引き込み型店」

③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
以上の構造をした店(飲食店を含まず)によって構成されていることについて説明しました。

↓ 明治道路にした「竹下通り」の入り口辺り
Photo_20210112185001

さて①~⑥の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明していきたいと思いますが、今回は
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
における客と店員のアクションについてのみご説明します。

その他の構造をした店の「客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション」は、これまでの「イケメン通り」や「大久保通り」や「職安通り」のブログを参照にしてください。

(1)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、「商品空間」を店内に加えて店頭にも設置した店のことです。そして客が店内を回遊する「客空間」と「店員空間」が一緒になっているのが特徴です。
Zu7-naishk_20200824103301



Photo_20210106093901
Photo_20210106093902
Photo_20210106094301

①客を遠ざける店員のアクション

(A)↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

Photo_20200824103901

(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824103902

(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824103903

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104001
(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104002
(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。
Photo_20201007081501

コロナ禍の「マスク」と「ソーシャルディスタンス」の導入によって、「サクラパワー」が生じないようにしているのが現状ですが、それでも店内に客が一人でも存在すればその客は「サクラ」となって他の客を引きつけます。

※「サクラパワー」とは?
店に客がつくと、その客の姿が次の客をひきつける。その時の状況を「サクラパワー」が起きているとと言う。
「サクラパワー」は次々と客を引きつけながらますます買いやすい状況をつくりだすために、店にとっては重要な販売機会となる。

 

(2)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、店内に加えて通路に面した部分にも「商品空間」を配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けた店のことです。つまり客が店内を回遊する「客空間」と、店員が清算を行う「店員空間」が明確に分けられているのが特徴です。
Zu8-arushk_20200824103301

Photo_20210106094001
Photo_20210112184501    
Photo_20210112184401  

①客を遠ざける店員のアクション

(A)  ↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
 Photo_20200824104201
(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824104202
(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824104203

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104204

(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104205

(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。

Photo_20200824104301

以上のように、東京・原宿の「竹下通り」の
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
の構造のいずれの店においても、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけ、あるいは「なわばり」を解除するアクションを行って客を引きつけている様子を観察することができます。
なお、
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が広い、引き込み型店」
③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
以上については、コリアンタウンの「イケメン通り」や「大久保通り」や「職安通り」を参照してください。

続きは、次回に…。

| | コメント (0)

2021年1月 4日 (月)

14.「竹下通り」の店の構造と店員&客のアクション-----竹下通りの三空間店舗分析(その1)

こんにちは。

前回までは、今や東京・原宿の「竹下通り」を凌ぐ勢いで若者を中心とした多くの客をひきつけている、東京・新大久保駅界隈の「コリアンタウン」を観察し分析してきました。


原宿の「竹下通り」から若者を中心とした多くの客がなぜ「コリアンタウン」に引きつけられていったかの原因についてお分かりいただけましたでしょうか?

なぜ若者を中心とする大勢の客が「竹下通り」よりも「コリアンタウン」の様々な通りに強い魅力を感じるのかをより理解していくために、改めて現在の東京・原宿の「竹下通り」全体や通りに立ち並ぶ様々な店をご紹介していきたいと思います。

↓山手線・原宿駅そばの「竹下通り」入り口の様子
Photo_20201222094501
↓竹下通りの様子
Photo_20201222103201

ここ「竹下通り」に立ち並ぶ様々な店を、「商品空間」と「客空間」と「店員空間」がどのように配置された店であるかという観点から分析すると以下の構造をした店で構成されていることがわかります。
(1)「店員空間が狭い、接触型店」

(2)「店員空間が広い、引き込み型店」
(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
(5)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
(6)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
それでは、構造別にそれぞれの店の様子をご紹介します。

(1)「店員空間が狭い、接触型店」
通りに直接面した「商品空間」と狭い「店員空間」だけで作られています。

Zu1-semais_20201105194301
Photo_20201222095901
Photo_20201222095902

 

(2)「店員空間が広い、引き込み型店」
店内に「商品空間」を引き込んで「客空間」を設け、広い「店員空間」を加えた「三空間」で作られているのが特徴です。
Zu4-hiroih_20201222100401

Photo_20201222100601
Photo_20201222100602

(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型」の構造
店内にだけ「商品空間」を配置し、「店員空間」が無いのが特徴です。
Zu5-naihk_20201222113501

Photo_20201222113601

(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型」の構造
店内にだけ「商品空間」配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けているのが特徴です。

Zu6-aruhk_20201106090001

Photo_20201222102501
Photo_20201222111301

Photo_20201222113201
Photo_20201222111401


(5)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」の構造
店内だけではなく通りに面した部分にも「商品空間」を配置し、「店員空間」が無いのが特徴です。
Zu7-naishk_20201105200301

Photo_20201222102601  

Photo_20201222102602
Photo_20201222102701

Photo_20201222112101

 

(6)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型」の構造
店内だけではなく通りに面した部分にも「商品空間」配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けているのが特徴です。

Zu8-arushk_20201105200301

Photo_20201222102702

Photo_20201222102801

Photo_20201222102901  
Photo_20201222102902

Photo_20201222111601

全国の様々な商業集積に存在する全ての「店」は、「商品空間」と「客空間」と「店員空間」の三空間のレイアウトの仕方(店舗設計)によって、大まかには次のように、
①接触型店

②引き込み型店
③引き込み・回遊型店
④接触・引き込み・回遊型店
と四分類され、更に「店員空間」の状況によって細かくは八分類することができます。

つまり、私たちが毎日利用したり見かけたりしているあらゆる「店」は、一見大変複雑な構造をしているように思えますが、実際には次のいずれかの構造の「店」に当てはまるのです。

Photo_20201106091101

そして、ここ東京・原宿の「竹下通り」においては、

(1)「店員空間が狭い、接触型店」
(2)「店員空間が広い、引き込み型店」
(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」

(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
(5)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
(6)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」

以上の構造の店で構成されていることが観察されます。

さて、それぞれの店では、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションが展開されておりますが、それにつきましては次回に詳しくご説明いたします。

続きは次回に…。

 

| | コメント (0)

2020年12月28日 (月)

大勢の客が「店」に引きつけられる要因とは?------東京・新大久保駅界隈のコリアンタウンの店舗分析のまとめ

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

前回までは13回にわたって、東京・新大久保駅界隈の「コリアンタウン」が、なぜ若者を中心とした大勢の客を引きつけているかについて観察&分析を行ってきました。

客はできるだけ「なわばり」が解除された「店」や「通り」に引きつけられているのです。

なぜならば、「なわばり」が解除された「店」や「通り」には、多くの店員が「劣位」を表現したアクションを繰り返し、大勢の「見知らぬ客」が行き交っているために、大勢の「劣位」な他人よりも客自身が「優位」であることを容易く認識することができるからです。

大勢の客を引きつける「店」や「通り」は、そのことを良く知っているかのように、できるだけ「なわばり」を解除したアクションを繰り返し、できるだけ客を「優位」にさせようとするメッセージを沢山発信しています。

コロナ禍にも拘わらず、大勢の客を引きつける「コリアンタウン」の「イケメン通り」や「大久保通り」や「職安通り」の「店」は、実は客にとってどこの「通り」や「店」よりもより「優位になれる」という商品を売っている「店」なのです。

本年2021年も引き続き「人の動き」という観点から、「リアルショップ(店)」を観察&分析してまいります。

一日も早くコロナが収束し、「店」や「通り」に以前の活気が戻ってきますように…。

↓ イケメン通りの様子
Photo_20201225190701
↓ 大久保通りの様子
Photo_20201225190801 

↓ 職安通りの様子

Photo_20201201184201

全国の様々な商業集積に存在する全ての「店」は、「商品空間」と「客空間」と「店員空間」の三空間のレイアウトの仕方(店舗設計)によって、大まかには次のように、
①接触型店

②引き込み型店
③引き込み・回遊型店
④接触・引き込み・回遊型店
と四分類され、更に「店員空間」の状況によって細かくは八分類することができます。

私たちが毎日利用したり見かけたりしているあらゆる「店」は、一見大変複雑な構造をしているように思えますが、実際には次のいずれかの構造の「店」に当てはまるのです。

Photo_20201106091101

したがって、ここ東京・新大久保駅界隈の「コリアンタウン」の「イケメン通り」や「大久保通り」や「職安通り」にある様々な形をしたすべての店もまた上の八つの構造の店のうちのどれかの構造をした店なのです。

(1)「なわばり」を解除するあるいは主張する店員のアクション

「なわばり」を解除して客を「優位」にさせる店に客は引きつけられ、「なわばり」を主張して客を「劣位」にさせる店に客は遠ざけられているのです。

①「なわばり」を主張する店員のアクション(店員空間が狭い接触型店の場合)
(A)じっと立って客を待つ店員のアクションは客を遠ざける

Photo_20201225193301
(B)通路に出て客を待つ店員のアクションは客を遠ざける
Photo_20201225193302
(C)「いらっしゃいませ!」という店員のアクションは客を遠ざける
1_20201225193301

②「なわばり」を解除する店員のアクション(店員空間が狭い接触型店の場合)
(A)接客中の店員のアクションは客を引きつける

Photo_20201225193303
(B)作業中の店員のアクションは客を引きつける
Photo_20201225193304
(C)「サクラパワー」が生じた店はより客を引きつける
2_20201225193301

(2)客を「優位」にする「六つのメッセージ」

また、「店」や「店員」を「劣位」にし、客を「優位」にさせるための、日常のタブーを破る誘惑のメッセージを強力に発信している店ほど多くの客を引きつけているのです。

(A)見知らぬ人歓迎のメッセージ

(B)浪費は美徳のメッセージ

(C)返礼不要のメッセージ

(D)狩猟解禁のメッセージ

(E)もっともらしい理由のメッセージ

(F)性をほのめかすメッセージ

以上の観点から、大勢の客を引きつけたりあるいは遠ざけたりしている「店」について観察&分析を行っております。

それではまた次回に…。

| | コメント (0)

2020年12月21日 (月)

13.「職安通り」の店が客を引きつけるために発信している「六つのメッセージ」とは?----東京・職安通りの三空間店舗分析(その3)

こんにちは。 

前回までは、東京・新大久保駅そばの「職安通り」の「店」を構造別に分類し、それぞれの構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションについて説明してきました。

今回は、「職安通り」の全体の店が客を引きつけるために発信している、「六つのメッセージ」について説明いたします。

「店」は店の前を行き交う大勢の通行客に対して、来店や購入を促進するために様々な「誘惑のメッセージ」を必ず発信しています。
そして客にとっては、この「誘惑のメッセージ」こそがリアルショップの大きな魅力となっているのです。

↓職安通りのドン・キホーテ付近の様子
Photo_20201215191301  
↓職安通りとイケメン通りが接する辺りの様子
Photo_20201215192401  


(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ(誘惑のメッセージ①)

Photo_20201020103301
Photo_20201215191901    

様々な大勢の通行客が行き交う通りに接した「店」からは、「初めての方ほどどうぞいらっしゃいま!」という「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されています。
そして、そのメッセージにひきつけられた大勢の見知らぬ客自身からもまた「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されることになるのです。

(2)浪費は美徳のメッセージ(誘惑のメッセージ②)

Photo_20201020103302

Photo_20201215191601
「商品空間」に設置された「プライスカード」は、ただ単に商品の価格を表示しているだけでなく、購入目的の客に対してはもちろんのこと、購入の予定がないひやかし客に対しても、「思い切って買っちゃいましょう!」「ついでにこれもどうぞ!」等の「浪費は美徳のメッセージ」を発信しています。客は必ずしも必要としない商品を買って散財することによって心が癒されたりするのです。

(3)返礼不要のメッセージ(誘惑のメッセージ③)

Photo_20201020103303

Photo_20201215192101  
回遊通路にせり出した「商品空間」や店内の「商品空間」からは、「どうぞ自由にご覧ください!」「見るだけでもどうぞお気軽に!」等の「返礼不要のメッセージ」が発信されています。
礼を欠くことが禁じられている日常生活の中では無礼とされていることが、この通りにおいては許されるのです。

(4)狩猟解禁のメッセージ(誘惑のメッセージ④)

Photo_20201020103304

Photo_20201215191801
店頭から店内に引き続いて大量に陳列された「商品空間」からは、「狩猟解禁のメッセージ」が発信されています。
客は自由なハンターの気分になって通りや店を回遊できるのです。

(5)もっともらしい理由のメッセージ(誘惑のメッセージ⑤)

Photo_20201020103401

Photo_20201215191802   
「期間限定ショップ」や「対象者限定商品」等を訴求した店舗や商品からは、「今だけの商品ですよ!」「非常に信頼のおける商品ですよ!」等という「もっともらしい理由のメッセージ」が発信されています。
多少の「いい加減なこと」「適当なこと」が許されるのが「店」なのです。

(6)性をほのめかすメッセージ(誘惑のメッセージ⑥)

Photo_20201020103402

Photo_20201215191701     
大勢の若い男女の店員や行き交う見知らぬ若い男女の客や様々なディスプレイや商品そのものからも、「性をほのめかすメッセージ」が発信されています。

以上、東京・新大久保駅そばの「職安通り」全体の店が発信している、客を誘惑する「六つのメッセージ」についてご説明しました。
(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ
(2)浪費は美徳のメッセージ

(3)返礼不要のメッセージ
(4)狩猟採集のメッセージ
(5)もっともらしい理由のメッセージ
(6)性をほのめかすメッセージ

「店」(リアルショップ)には、日常のタブーに縛られた生活から解放された自由な時間と空間(つまり非日常)を求めた大勢の客がやって来ます。
そして大勢の客はそこで、他人が「劣位」で自分こそが「優位」であることを認識し、大きな安定を獲得しているのです。

そのことを、よく心得ている「店」は、「なわばり」を解除した空間を提供すると共に「六つの誘惑のメッセージ」を発信することによって、少しでも客を「優位」にして、店員と店を「劣位」にしようとしているのです。

残念ながら三密の回避やソーシャルディスタンスを採用したコロナ禍によって、日本中の店における「なわばり」の解除や「誘惑のメッセージ」の発信はやや自嘲気味となっていますが、ここ「職安通り」においては、十分に「なわばり」を解除した空間の提供や、魅力的な「誘惑のメッセージ」がたくさん発信され、土・日を問わず連日多くの客が引きつけられていることが観察できます。

それではまた次回に…。

| | コメント (0)

2020年12月14日 (月)

12.「職安通り」の店の構造と店員&客のアクション-----職安通りの三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

東京・新大久保駅界隈のコリアタウンの「職安通り」の店を観察しています。

前回は、職安通りに立ち並ぶ様々な店(飲食店を除く)を、「商品空間」と「店員空間」と「客空間」の三空間のレイアウトの仕方を分析することによって、
①「店員空間が狭い、接触型店」

②「店員空間が狭い、引き込み型店」
③「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
以上の構造をした店(飲食店を含まず)によって構成されていることについて説明しました。

↓ 片側三車線の広い職安通りを挟んで両側に店が立ち並んでいる
Photo_20201208100301

さて①~⑤の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明していきたいと思いますが、今回は
④「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
における客と店員のアクションについてのみご説明します。

その他の構造をした店の「客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション」は、これまでの「イケメン通り」と「大久保通り」のブログを参照にしてください。

(1)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、「商品空間」を店内に加えて店頭にも設置した店のことです。そして客が店内を回遊する「客空間」と「店員空間」が一緒になっているのが特徴です。
Zu7-naishk_20200824103301



Photo_20201208100701
Photo_20201208100702

①客を遠ざける店員のアクション

(A)↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

Photo_20200824103901

(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824103902

(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824103903

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104001
(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104002
(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。
Photo_20201007081501

コロナ禍の「マスク」と「ソーシャルディスタンス」の導入によって、「サクラパワー」が生じないようにしているのが現状ですが、それでも店内に客が一人でも存在すればその客は「サクラ」となって他の客を引きつけます。

※「サクラパワー」とは?
店に客がつくと、その客の姿が次の客をひきつける。その時の状況を「サクラパワー」が起きているとと言う。
「サクラパワー」は次々と客を引きつけながらますます買いやすい状況をつくりだすために、店にとっては重要な販売機会となる。

 

(2)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、店内に加えて通路に面した部分にも「商品空間」を配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けた店のことです。つまり客が店内を回遊する「客空間」と、店員が清算を行う「店員空間」が明確に分けられているのが特徴です。
Zu8-arushk_20200824103301

Photo_20201208100902
Photo_20201208101101  
Photo_20201208101201

①客を遠ざける店員のアクション

(A)  ↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
 Photo_20200824104201
(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824104202
(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20200824104203

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104204

(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20200824104205

(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。

Photo_20200824104301

以上のように、東京・新大久保駅そばの「職安通り」の
④「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
の構造のいずれの店においても、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけ、あるいは「なわばり」を解除するアクションを行って客を引きつけている様子を観察することができます。
なお、
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が狭い、引き込み型店」
③「店員空間がある、引き込み・回遊型店」

以上については、「イケメン通」りと「大久保通り」を参照してください。

続きは、次回に…。

| | コメント (0)

2020年12月 7日 (月)

11.「職安通り」の店の構造と店員&客のアクション-----職安通りの三空間店舗分析(その1)

こんにちは。

今や東京・原宿の「竹下通り」を凌ぐ勢いで若者を中心とした多くの客をひきつけている、東京・新大久保駅界隈の「コリアンタウン」をご紹介しています。

前回までは、東京・新大久保駅界隈のコリアタウンにある「イケメン通り」の店と、「イケメン通り」が接する「大久保通り」に面した店の「三空間店舗分析」を行ってきました。

今回からは、「大久保通り」に対して平行に走っている「職安通り」の店を、「店舗構造」別にご紹介していきます。

↓山手線「新大久保駅」近くからの「職安通り」の様子
Photo_20201201184201

ここ「職安通り」の店は、小さい物販店や飲食店が中心の「イケメン通り」と、大小の物販店や飲食店が混在している「大久保通り」に比べて、小さい店は数店舗のみで、スーパーとコンビニと大型店と飲食店で構成された通りとなっています。
具体的には、
(1)「店員空間が狭い、接触型店」

(2)「店員空間が狭い、引き込み型店」
(3)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
(4)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
(5)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
以上の構造をした物販店が存在しています。

(1)「店員空間が狭い、接触型店」
通りに直接面した「商品空間」と狭い「店員空間」だけで作られています。
ここ「職安通り」の「店員空間が狭い、接触型店」は、飲食店に併設されているのが特徴です。

Zu1-semais_20201105194301
 Photo_20201201184701

Photo_20201201190201

(2)「店員空間が狭い、引き込み型店」
店内に「商品空間」を引き込んで「客空間」を設け、狭い「店員空間」を加えて「三空間」で作られているのが特徴です。
Zu3-semaih_20201105195801

↓ ネイルサービスの店が一店舗だけ存在しています。
Dsc_2070

(3)「店員空間がある、引き込み・回遊型」の構造
店内にだけ「商品空間」配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けているのが特徴です。

Zu6-aruhk_20201106090001

Photo_20201201185401
Photo_20201201185501
Photo_20201201185502
Photo_20201201185601  

(4)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」の構造
店内だけではなく通りに面した部分にも「商品空間」を配置し、「店員空間」が無いのが特徴です。
Zu7-naishk_20201105200301

Photo_20201201185801 

Photo_20201201185901

(5)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型」の構造
店内だけではなく通りに面した部分にも「商品空間」配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けているのが特徴です。

Zu8-arushk_20201105200301

Photo_20201201190001

Photo_20201201190101

Photo_20201201190501 

全国の様々な商業集積に存在する全ての「店」は、「商品空間」と「客空間」と「店員空間」の三空間のレイアウトの仕方(店舗設計)によって、大まかには次のように、
①接触型店

②引き込み型店
③引き込み・回遊型店
④接触・引き込み・回遊型店
と四分類され、更に「店員空間」の状況によって細かくは八分類することができます。

つまり、私たちが毎日利用したり見かけたりしているあらゆる「店」は、一見大変複雑な構造をしているように思えますが、実際には次のいずれかの構造の「店」に当てはまるのです。

Photo_20201106091101

そして、ここ東京・新大久保駅界隈の「コリアンタウン」の「職安通り」においては、

(1)「店員空間が狭い、接触型店」
(2)「店員空間が狭い、引き込み型店」
(3)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
(4)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
(5)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」

以上の構造の店で構成されていることが観察されます。

さて、それぞれの店では、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションが展開されておりますが、それにつきましては次回に詳しくご説明いたします。

続きは次回に…。

| | コメント (0)

2020年11月30日 (月)

10.「大久保通り」の店が客を引きつけるために発信している「六つのメッセージ」とは?----東京・新大久保通りの三空間店舗分析(その5)

こんにちは。

前回までは、東京・新大久保駅そばの「大久保通り」の「店」を構造別に分類し、それぞれの構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションについて説明してきました。

今回は、「大久保通り」の全体の店が客を引きつけるために発信している、「六つのメッセージ」について説明いたします。

「店」は店の前を行き交う大勢の通行客に対して、来店や購入を促進するために様々な「誘惑のメッセージ」を必ず発信しています。
そして客にとっては、この「誘惑のメッセージ」こそがリアルショップの大きな魅力となっているのです。

↓誘惑のメッセージを発信している大久保通りの様子
Photo_20201118094001   


(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ(誘惑のメッセージ①)

Photo_20201020103301
Photo_20201118095002  

様々な大勢の通行客が行き交う通りに接した「店」からは、「初めての方ほ

どどうぞいらっしゃいま!」という「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されています。
そして、そのメッセージにひきつけられた大勢の見知らぬ客自身からもまた「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されることになるのです。

(2)浪費は美徳のメッセージ(誘惑のメッセージ②)

Photo_20201020103302

Photo_20201118095201
「商品空間」に設置された「プライスカード」は、ただ単に商品の価格を表示しているだけでなく、購入目的の客に対してはもちろんのこと、購入の予定がないひやかし客に対しても、「思い切って買っちゃいましょう!」「ついでにこれもどうぞ!」等の「浪費は美徳のメッセージ」を発信しています。客は必ずしも必要としない商品を買って散財することによって心が癒されたりするのです。

(3)返礼不要のメッセージ(誘惑のメッセージ③)

Photo_20201020103303

Photo_20201118095202
回遊通路にせり出した「商品空間」や店内の「商品空間」からは、「どうぞ自由にご覧ください!」「見るだけでもどうぞお気軽に!」等の「返礼不要のメッセージ」が発信されています。
礼を欠くことが禁じられている日常生活の中では無礼とされていることが、この通りにおいては許されるのです。

(4)狩猟解禁のメッセージ(誘惑のメッセージ④)

Photo_20201020103304

Photo_20201118095301
店頭から店内に引き続いて大量に陳列された「商品空間」からは、「狩猟解禁のメッセージ」が発信されています。
客は自由なハンターの気分になって通りや店を回遊できるのです。

(5)もっともらしい理由のメッセージ(誘惑のメッセージ⑤)

Photo_20201020103401

Photo_20201118095302
「期間限定ショップ」や「対象者限定商品」等を訴求した店舗や商品からは、「今だけの商品ですよ!」「非常に信頼のおける商品ですよ!」等という「もっともらしい理由のメッセージ」が発信されています。
多少の「いい加減なこと」「適当なこと」が許されるのが「店」なのです。

(6)性をほのめかすメッセージ(誘惑のメッセージ⑥)

Photo_20201020103402

Photo_20201118095501   
大勢の若い男女の店員や行き交う見知らぬ若い男女の客や様々なディスプレイや商品そのものからも、「性をほのめかすメッセージ」が発信されています。

以上、東京・新大久保駅そばの「大久保通り」全体の店が発信している、客を誘惑する「六つのメッセージ」についてご説明しました。
(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ
(2)浪費は美徳のメッセージ

(3)返礼不要のメッセージ
(4)狩猟採集のメッセージ
(5)もっともらしい理由のメッセージ
(6)性をほのめかすメッセージ

「店」(リアルショップ)には、日常のタブーに縛られた生活から解放された自由な時間と空間(つまり非日常)を求めた大勢の客がやって来ます。
そして大勢の客はそこで、他人が「劣位」で自分こそが「優位」であることを認識し、大きな安定を獲得しているのです。

そのことを、よく心得ている「店」は、「なわばり」を解除した空間を提供すると共に「六つの誘惑のメッセージ」を発信することによって、少しでも客を「優位」にして、店員と店を「劣位」にしようとしているのです。

残念ながら三密の回避やソーシャルディスタンスを採用したコロナ禍によって、日本中の店における「なわばり」の解除や「誘惑のメッセージ」の発信はやや自嘲気味となっていますが、ここ「大久保通り」においては、十分に「なわばり」を解除した空間の提供や、魅力的な「誘惑のメッセージ」がたくさん発信され、土・日を問わず連日多くの客が引きつけられていることが観察できます。

それではまた次回に…。


 | 

| | コメント (0)

2020年11月24日 (火)

9.「大久保通り」の店の構造と店員&客のアクション-----大久保通りの三空間店舗分析(その4)

こんにちは。

東京・新大久保駅そばの「大久保通り」の「店」を、「人の動き」という観点から観察&分析しています。

前回は「大久保通り」の、
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が狭い、引き込み型店」
③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」

以上の構造をした店の内、
③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明しました。

さて今回は、
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が狭い、引き込み型店」
の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明します。
ここ「大久保通り」の①②の二つの構造の店においては、ほぼ同じような店員と客のアクションが展開されています。

↓新大久保駅ガード下より「大久保通り」を望む様子
Photo_20201118092101   

(1)「店員空間が狭い、接触型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間が狭い、接触型店」とは下のイラストのように、通路に沿った「商品空間」と狭い「店員空間」の二空間だけで出来た店のことです。そのために客が通路に自ら「客空間」を作って買い物をするのが特徴です。
Zu1-semais_20201016080101
Photo_20201118092201

①客を遠ざける店員のアクション

(A)↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201016075701

(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201016075801

(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
1_20201016075801

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201016075802

(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201016075803

(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。
2_20201016075801

コロナ禍の「マスク」と「ソーシャルディスタンス」の導入によって、「サクラパワー」が生じないようにしているのが現状ですが、それでも店内に客が一人でも存在すればその客は「サクラ」となって他の客を引きつけます。

※「サクラパワー」とは?
店に客がつくと、その客の姿が次の客をひきつける。その時の状況を「サクラパワー」が起きているとと言う。
「サクラパワー」は次々と客を引きつけながらますます買いやすい状況をつくりだすために、店にとっては重要な販売機会となる。

(2)「店員空間が狭い、引き込み型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間が狭い、引き込み型店」とは下のイラストのように、店内に「客空間」と「商品空間」「店員空間」が作られた店のことです。そして、客は店内に入って「商品空間」を挟んで店員と対面しながら買い物をするのが特徴です。

※ここイケメン通りにある「店員空間が狭い、引き込み型店」は、占いの店に限られていますが一般的な物販店の「店員空間が狭い、引き込み型店」の構造の店と同様の店員と客のアクションが観察できます。
Zu3-semaih_20201020100201  
Photo_20201118092301

 
①客を遠ざける店員のアクション

(A)↓ 店の奥の「店員空間」から、客の様子を観察しながらじっと立って待ち構える店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201016080301

(B)  ↓「店員空間」から出て、「客空間」や店頭にじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201016080302

(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201016080303


②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201016080304

(B) ↓ なんらかの作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。Photo_20201016080305

(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。
Photo_20201016080401

以上のように、東京・新大久保駅そばの「大久保通り」の
(1)「店員空間が狭い、接触型店」
(2)「店員空間が狭い、引き込み型店」
の構造のいずれの店においても、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけ、あるいは「なわばり」を解除するアクションを行って客を引きつけている様子を観察することができます。

続きは、次回に…。

| | コメント (0)

2020年11月19日 (木)

8.「大久保通り」の店の構造と店員&客のアクション-----大久保通りの三空間店舗分析(その3)

こんにちは。

東京・新大久保駅そばの「大久保通り」の「店」を、「人の動き」という観点から観察&分析しています。

前回は「大久保通り」の、

①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が狭い、引き込み型店」
③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」

以上の構造をした店の内、
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明しました。

今回は、
③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明します。

↓ソウル市場辺りの「大久保通り」の様子
Photo_20201111094201

(1)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がない、引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、「商品空間」を店内に設置した店のことです。そして客が店内を回遊する「客空間」と「店員空間」が一緒になっているのが特徴です。

Zu5-naihk_20201012095701




Photo_20201111094301


①客を遠ざける店員のアクション

(A)↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

Photo_20201012100501

(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201012100502
(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201012100503

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201012100601

(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201012100701

(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。
Photo_20201012100702


コロナ禍の「マスク」と「ソーシャルディスタンス」の導入によって、「サクラパワー」が生じないようにしているのが現状ですが、それでも店内に客が一人でも存在すればその客は「サクラ」となって他の客を引きつけます。

※「サクラパワー」とは?
店に客がつくと、その客の姿が次の客をひきつける。その時の状況を「サクラパワー」が起きているとと言う。
「サクラパワー」は次々と客を引きつけながらますます買いやすい状況をつくりだすために、店にとっては重要な販売機会となる。

 

(2)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がある、引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、店内に「商品空間」を配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けた店のことです。つまり客が店内を回遊する「客空間」と、店員が清算を行う「店員空間」が明確に分けられているのが特徴です。
Zu6-aruhk_20201012095801
Photo_20201111094401


①客を遠ざける店員のアクション
(A)「店員空間」の中にいても、客の様子を観察しながらじっと立って待ち構える店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

Photo_20201012101501
(B)  ↓「店員空間」から出て、じっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

Photo_20201012100801
(C)↓ 「店員空間」から店頭まで出て来てじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

Photo_20201012100802
(D) ↓「店員空間」から出て、 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
Photo_20201012100901

②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 精算作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201012101001

(B) ↓ 「店員空間」から外に出ても、なんらかの作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
Photo_20201012101002
(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。

Photo_20201012101003

以上のように、東京・新大久保駅そばの「大久保通り」の
(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
の構造をしたいずれの店においても、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけ、あるいは「なわばり」を解除するアクションを行って客を引きつけている様子を観察することができます。

続きは、次回に…。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

◆「駅ナカ・駅ソト」ショップ ◆おもてなしを生み出す人の動き(アクション) ◆お互いの動きの癖が生み出す人間関係 ◆お客様が出会う13タイプの店員 ◆お客様のタイプ別接客方法 ◆お客様を感動させる「下手・したて」アクション ◆こうすればお客さんは何度でもやって来る ◆ざっくり店舗観察 ◆できる上司できない上司 ◆エキュート品川 ◆マンガお客様が感動する接客サービス ◆マンガ良い店悪い店の法則 ◆リアルショップあるある ◆上司と部下の「動き」の組み合わせから生まれる成功と失敗 ◆人の動きでわかる店舗診断 ◆人の動きを理解すれば売れる店は一晩でつくれる ◆人は動きだ! ◆今日の接客 ◆使える部下使えない部下 ◆入りやすい店の秘密 ◆動きの癖が左右する好きな人嫌いな人 ◆商店街はなぜ滅ぶのか? ◆営業マンこれだけ心得帖 ◆売れる営業マン売れない営業マン ◆店員の動きが接客の良し悪しを左右する ◆店員の動きが接客の良し悪しを左右する [1] ◆接客しない店が売れる店 ◆接客のしかたであなたがわかる! ◆接客三大アクション ◆接客上手下手と動きの関係 ◆接客上手下手はアクションで決まる ◆新しい客がどんどん来る店 ◆新宿伊勢丹 ◆日経MJ ◆最近の話題 ◆有名人の動き ◆東京おかしランド ◆東京キャラクターストリート ◆東京ソラマチの繁盛店 ◆東京駅の店 ◆東横のれん街 ◆渋谷ヒカリエ・シンクス ◆相性を左右するお客様と店員のタイプ ◆相手に好かれるためのアクション術 ◆私たちの講演会より抜粋 ◆続・入りやすい店売れる店 ◆繁盛店の分析 ◆自分にとってどうしても分かり難い人とは? ◆自分を助けてくれる人助けてくれない人 ◆衰退する店の分析 ◆超入りやすい店売れる店 ◆達人店員(販売員)の接客テクニック(技術) ◆間違いだらけの接客方法 ◆13人の店員と13人のお客様の相性 ◆13種類の人の動き ◆1988年当時の店 ◆2020三空間店舗分析 ◆86年版入りやすい店売れる店