カテゴリー「◆86年版入りやすい店売れる店」の75件の記事

2017年10月18日 (水)

64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

こんにちは。

このブログは、コミュニケーションにおいては、「身体の動き」が、一番大きな役割を担っているということを、少しでも多くの方々に気づいて頂きたいという願いを込めて、更新を続けています。

そして、このブログのタイトルが、「入りやすい店売れる店」というかつての拙著のタイトルと同じであるのは、リアルショップの店員と客のコミュニケーションが、日本人のコミュニケーションに大きな影響力を与えているに違いない、と私たちが予感しているからです。

しかし、繰り返しご説明していますように、コミュニケーションにおいて、間違いなく大きな影響力を与えている「身体の動き」に関しては、未だに多くの人たちが気付いてはいないのが現状です。

人は確かに動いているが、「人の動き」が情報を発信したり、自分や相手に大きな影響力を及ぼしていることはないというのが、大抵の人達の考え方です。

したがって、このブログでは、繰り返し「人の動き」の存在や、情報や、影響力について、ご説明してまいります。

さて、初めに、人の身体の動きを大別すると、「回転の動き」と「上下の動き」と「前後の動き」と「不動の動き」(いずれにも動かないこと)に分かれます。↓


Photo_4

「回転の動き」と「上下の動き」と「前後の動き」は、更に細かく分かれます。そして人の動きは13種類の動きに分類されることになります。↓

Photo_5

大抵の人は、意識をすれば以上の全ての動きができますが、無意識の場合は、全ての動きを満遍なく行うということはなく、個人個人よって偏りが生じています。

つまり、個人の「動きの癖」となって、常に同じような動きを繰り返すことになります。

人は、知人を一瞬見かけただけで、誰であるかを判別しますが、この時、知人の「動きの癖」を見抜いていることになります。

人は、ことばが聞こえなくても、顔が分からなくても、その人に違いないという「動きの癖」をお互いに見抜き合っているのです。

人が見抜き合っている13種類の動きをご紹介します。

(1)回転の動き

①一点注意の動き ②全体注意の動き ③不注意指示の動き ④注意不明の動き

(2)上下の動き

⑤攻撃の動き ⑥協調の動き ⑦独断の動き ⑧虚脱の動き

(3)前後の動き

⑨接近の動き ⑩機敏の動き ⑪突進の動き ⑫退避の動き

(4)不動の動き(いずれにも動かないこと)

⑬不動の動き

次回より、順番に身体の動きのご説明を続けてまいります。

以上のことを考慮しつつ、「64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

◆統一されたイメージを作る色彩とユニホーム

初めにお話したとおり、この店の商品ケースそのものの構造は他店とさほど変わりありません。

化粧品の場合、客が商品をゆっくりとながめることと買うこととは直接的には結びつきません。

というのも、その化粧品の選び方や使い方が説明されてはじめて、客がその商品を買うかどうかを決めることになるからです。

特に高額な商品ほどその傾向は強くなります。

 

3


この店の場合、商品はさほど高額ではありませんが、客のスキンタイプを分析し、それに合わせた化粧品を選んで販売するという方針をとっているので、どうしても説明のほうが重要になります。

技術開発が進んだ現代の化粧品業界では、どのメーカーを選んでもそれほど品質が変わるわけではありません。

客はむしろその店の雰囲気を買っているのです。

一般に化粧品店のユニホームは非常に華やかですが、この店では白衣風のユニホームを使用しています。

店舗全体の色彩も自を基調としたおとなしいものです。

陳列ケースに設置されたライトの効果と合わせて、店全体が医療あるいは美容の研究室といったイメージをただよわせています。

こうしたイメージは、客に説明したりアドバイスしたりする店員の行動を助ける役割をはたしています。

次回、「64の(4).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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60の(1).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(2).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(3).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

61の(1).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

62の(2).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

61の(3).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

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62の(1).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(2).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(3).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(4)小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(5)小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

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63の(5).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

64に(2).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

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2017年10月17日 (火)

64の(2).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

こんにちは。

リアルショップにおいて、店員は様々な「ことば」と「動き=アクション」を客に伝えていますが、客は店員の「動き=アクション」については、ほとんど気づいておりません。

例えば、店員が話す挨拶やお礼やお願いやお詫びの「ことば」は認識していますが、それぞれの「ことば」と共に表現される店員の手や指や頭の「動き=アクション」に関しては、ほとんどの客が認識をしていません。

店員が話す「ことば」は聞こえますが、店員の「動き=アクション」は見えないからです。

ところが、実際には、客は聞こえている「ことば」よりも、見えていないにもかかわらず、店員の「動き=アクション」に強い影響を受けて、店や店員に引きつけられたり、遠ざけられたりしているのです。

実は、このことについては、店側の店員や店長や接客指導者達も、気づいてはいないのが実情です。

そして、「挨拶」や「お礼」や「お願い」や「お詫び」の「ことば」と、形式的なお辞儀の仕方などが主に指導されています。

したがって、客を引きつけたり遠ざけたりして、売り上げに直結している店員のアクションの領域は、未だに手つかずのままになっているのです。

当然、同じ店で、同じ商品を、同じ条件で販売しているにもかかわらず、飛びぬけて売り上げの高い店員が、実は「感じが良いアクション」をしていることが一番の要因であるということは、ほとんどの販売関係者達に気づかれないままとなっているのです。

以上のことを考慮しつつ、「64の(2).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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64の(2).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

◆「仕事」の多い店員が客をひきつける

この店の店員は他店の店員に比べてはるかに仕事を持っています。

それは、この店がシステムとしてとっている「カルテ」の制作です。

この店では、すべての客に対して、スキンタイプや以前に販売した商品等をチェックしたカルテを制作しています。

店員は接客中にこのカルテを作っていきますが、接客後もその整理等の仕事があるため、他店に比べてずっと多くのアクションをします。


4

このことは店員のなわばりを解除するので、客をひきつけます。

また、この店には、接客時の店員のアクションを助けるための様々なツールがそろっています。

他店の店員が商品だけを道具にして説明していくのに対し、この店では、客のスキンタイプを分析するための「コンピューター」と呼ばれる説明パネルや、肌の機能を科学的に解説した資料等を使って、多くの動きをとりいれた説明を行っています。

このような道具を使って他の客に商品を説明している店員の姿は、新規客の興味を十分にひきつけます。

このような説明や、実際に化粧品を使っての客に対する指導は一種の実演場としての効果をもたらしています。

もちろん、一般の実演のように、そのまわりに集まってじろじろ見るというわけにはいきませんが、そこで行われる方法を、客はさりげなく見ることができるのです。

作業のなくなった店員は、店頭でパンフレットを配布することもあります。

こうした動きは、かつての化粧品店の前で行われていた積極的なアプローチ販売に似ているように思われますが、ここではパンフレットを配布するだけで強引な呼び込みは行いません。

そのため、店全体としての活気を高める動きの一つとしての効果をあげています。

次回、「64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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51.感じが良い接客」と「感じが悪い接客」は個人の「動きの癖」が生み出す

52.外観はよく似た構造でも、売り方が全く違う二つの店

53.「いらっしゃいませ」のタイミングが全く異なる、常連接客と一見接客

54.ネットショップに加えて無人のリアルショップの普及によって、「店」での見知らぬ同士のコミュニケーションが失われていく。

55.希薄な人間関係を背景にした本来の「店」には、店員(売り手)と客(買い手)がお互いに癒し合えるコミュニケーションが存在する

56.ネットショップや無人コンビニ以外に、客が求めている店と接客がある

57.急速に進む高齢化と店舗の減少が、「戸板一枚の店」的「移動スーパー」を急増させている

58.接客の上手下手は「ことば」ではなく、店員のアクションによって決まる

59.いつも前向きで熱心に対応する店員と、消極的でやる気を感じさせない店員は、個人が持つ「動きの癖」から生じています

60の(1).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(2).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

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64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

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2017年10月16日 (月)

64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

こんにちは。

前回、前々回に引き続き、具体的には目には見えないにも関わらず、客の行動や感情に大きな影響を与える店員のアクションについて説明しています。


前々回の「お辞儀アクション」と前回の「うなずきアクション」と同じく、今回の「案内アクション」もまた、店員が客に大きな影響を与えるアクションです。

店員は接客の際に、客に対して様々な「ことば」を使って、場所や方向を案内します。

「それはこちらです」
「こちらをご覧ください」
「それはあちらです」
「あちらをご覧ください」

等の場所や方向を案内する際の「ことば」と共に、「案内アクション」を伴いますが、ほとんどの客はそのアクションには気づいておりません。

ところが、「案内アクション」に気づいていないにもかかわらず、その時の店員の「ことば」に対して「感じが良い」あるいは「感じが悪い」という印象を抱きます。

多くの客は、「ことば」の語尾や声の大小の違いなどからその印象が生まれているのだと思っていますが、本当は店員の「案内アクション」によって印象が違っているのです。

(1)「感じが良い」案内だと判断される「案内アクション」

①手や指を使って、自分が向いている方向を、はっきりと指し示す案内アクション(きちんと指し示すのでわかりやすい)


Photo_15

 

(2)「感じが悪い」案内だと判断される「案内アクション」

 

①指し示した手や指を、直ぐに引っ込める案内アクション(何を指示したのかがわかりにくく不親切なイメージがする)

 

Photo_16

②自分が向いていない方向を、指し示す案内アクション(混乱を生じやすくいい加減なイメージがする)

Photo_17
③場所や方向を、あいまいに指し示す案内アクション(はっきりせず、無責任なイメージがする)

 

Photo_18

接客の際に、客の目の前で表現されている以上のような「案内アクション」は、ほとんどの客には見えてはいませんが、「感じが良い」案内や説明方法であるか、あるいは「感じが悪い」案内や説明方法であるかについては、はっきりと伝わってしまいます。

そして、感じが良い「案内アクション」は、「なわばり」を解除し、感じが悪い「案内アクション」は、「なわばり」を主張するのです。

以上のことを考慮しつつ、「64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

この店は、新宿伊勢丹百貨店一階の化粧品売り場にあります。

百貨店の一階は、たいてい女性を対象とした、ハンドバッグ、靴、貴金属等のコーナーがあり、さらに必ずといっていいほどこの化粧品のコーナーがあります。

百貨店の各コーナーには、それぞれ特有の雰囲気があるものですが、美しい化粧品が陳列された中に、個性的なメーキャップをした美しい美容コンサルタント(店員)が立ち並ぶ様子は、非常に華やかなながめです。


Photo


さて、この店は、化粧品コーナーと他のコーナーの境目にあって、しかも、この化粧品コーナーの中では最も広い面積を占めています。

平面図で見るとおり、店は二つの部分に分かれており、それぞれ柱のまわりをとり囲むように店員空間があり、さらにその外側を商品空間がとり囲んでいます。

つまりこの店は、店のまわりのどの方向からでも客が接触することのできる接触型店の構造をしています。

2


このコーナーの他の化粧品店もやはり接触型店ですが、柱をとり囲んだ一ブロックの面積を二店から四店で分けあうという規模の小さいものになっています。

この店は他店に比べると五~六倍にも相当する大規模な接触型店ということになります。

店員空間そのものの割りあても比率的には他店と変わらないのですが、店員が自分の店の空間を自由に移動できるため、結果的には広い店員空間を持っているのと同じような状況になっています。

商品空間のつくりそのものは、ほとんど他の店と変わりません。

化粧品特有の、ガラスケースの中に商品がごく少量飾られているというディスプレー方式です。

というのも化粧品そのものの性質上、客が店員にいろいろと相談して商品を買うことになるので、商品ケースそのものはさほど重要な役割をはたさないからです。

この店は接触型店ですから、客空間は店外の通路上にできます。

四方を通路で囲まれたこの店は広い客空間を生み出しやすい状況を備えています。

さらにこの店は百貨店の幅広い主要通路に面しているために、その部分は特にゆったりした客空間が生じやすくなっているのです。

また、細い通路に面したところには、客が腰かけてスキンケアの実施指導をうけられるカウンター席が六席用意されています。

この店は、全体に華やかなイメージのただよう化粧品コーナーの中では、かなり特殊なイメージを打ち出しています。

店員のユニホームは白衣に近いデザインになっており、店そのものも自を基調にしたシンプルなイメージです。

商品ケースの上にはあちこちにシンプルなアーム付きのライトが置かれています。

他店が豪華な店展開なのに対して、この店はずっとすっきりしています。

それではこのユニークな化粧品店での出来事を、もっと詳しくながめてみることにしましょう。

次回、「64の(2).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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2017年10月15日 (日)

63の(5).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

こんにちは。

リアルショップにおいて、接客の際に「なわばり」を解除する店員の代表的なアクションに、①お辞儀アクション②うなずきアクション③案内アクションがありますが、いずれのアクションもほとんどの客は気づいてはいないという説明を続けています。

店員が「お辞儀」や「うなずき」や「案内」をしたことに関しては気づいていても、店員がどのような「お辞儀アクション」や「うなずきアクション」や「案内アクション」をしたかに関しては、ほとんどの客は気づいてはいないのです。

しかし、客は、「感じが良い」お辞儀やうなずきや案内であるか、あるいは「感じが悪い」お辞儀やうなずきや案内であるかについては、直感的に判断を下しています。

前回の「お辞儀アクション」に引き続いて、客が気付いていない「うなずきアクション」についてご説明します。

(1)「感じが良い」うなずきだと判断される「うなずきアクション」

①力を入れずに、頭を上げる&頭を下げるうなずきアクション(きちんと聞いているという情報を出す)

Photo_12

②力を入れて、頭を下げるうなずきアクション(責任感ややる気があるという情報を出す)
Photo_13

(2)「感じが悪い」うなずきだと判断される「うなずきアクション」

①力を入れて、頭を上げるうなずきアクション(横柄で生意気だという情報を出す)

Photo_9

②力を抜いて、頭を下げるうなずきアクション(責任感ややる気がないという情報を出す)
Photo_10

以上のような「うなずきアクション」は、返事や相づちを行う場合に、次のような「ことば」と共に表現されます。

①「はい」
②「ええ」
③「その通りです」
④「間違いありません」
⑤「わかりました」

このような返事や相づちの「ことば」は、はっきりと客に伝わっていますが、その際に伴われる「うなずきアクション」の仕方は、ほとんどの客に伝わってはいません。

店員の返事や相づちの「ことば」を何となく不安に感じたり、逆に非常に自信があるように感じたりするのは、店員の「ことば」に伴われる「うなずきアクション」が原因しているのです。

以上のことを考慮しつつ「63の(5).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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63の(5).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

◆この店に勝つ方法はあるか

以上のような好条件を持つこの店が今後売り上げを落とすとしたら、

それはこの店の近くに同じ規模の接触型贈答品店か、

あるいは同じくらいの店舗スペースを持つ引き込み型贈答品店が

出現してきた場合が考えられます。

 

6_2


現状では他の店舗は三空間の設計の段階で

すでに大きなハンディを背負っているだけに逆転は難しいでしょう。



2_2


他店がこの店と同レベルか、

あるいはそれ以上の商品を持っているとしても、

そのことを客に伝える信号を出すための三空間設計がなされなければ、

商品の価値は低いものになってしまうのです。

売れる店には、やはり売れる構造が存在しているということです。

次回、「64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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52.外観はよく似た構造でも、売り方が全く違う二つの店

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54.ネットショップに加えて無人のリアルショップの普及によって、「店」での見知らぬ同士のコミュニケーションが失われていく。

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56.ネットショップや無人コンビニ以外に、客が求めている店と接客がある

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2017年10月14日 (土)

63の(4).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

こんにちは。

店員が「なわばり」を解除した店には「サクラパワー」が生じ、その後は「サクラパワー」が次々と通行客を引きつけてくれます。

やがて、客から注文や質問や相談の声がかかってきますが、店員はさらに「なわばり」を解除したアクションを提供しなければなりません。

接客の際に「なわばり」を解除して、「感じが良い」接客を提供するためには、「お辞儀アクション」と「うなずきアクション」と「案内アクション」が不可欠になります。

しかし、それぞれのアクションは、アクションの仕方を間違えると逆に「なわばり」主張のアクションとなって、客に「感じが悪い」イメージを与えてしまうことになります。

客は具体的にはなぜそう感じるのかに気づいていないにもかかわらず、「感じが良い」か「感じが悪い」かというイメージだけはきちんと伝わってしまうのが、「アクション=身体の動き」なのです。

(1)感じが悪い「お辞儀」とは、例えば次のような「お辞儀アクション」です。

①力を入れて頭を上げるお辞儀

 

Photo_4


②力を抜いて頭を下げるお辞儀
Photo_3

(2)感じが良い「お辞儀」とは、例えば次のような「お辞儀アクション」です。

③力を入れずに、頭を下げて&頭を上げるお辞儀(浅いお辞儀の場合)

Photo_5


④力を入れて頭を下げて、力を入れずに頭を上げるお辞儀(浅いお辞儀の場合)

 

Photo_6


以上のお辞儀アクションの違いは、ほとんどの人には分かりません。

大抵の客は、「ありがとうございました」「申し訳ありませんでした」「よろしくお願いします」等のことばと共に、店員が「お辞儀」をしたかしないかには気づきますが、どのようにお「お辞儀」をしたかについてはほとんど気づくことはありません。

にもかかわらず、直感的に、「感じが良い」か「感じが悪い」かのイメージを判断しているのです。

そして「感じが良い」お辞儀は「なわばり」を解除し、「感じが悪い」お辞儀は「なわばり」を主張してしまうのです。

具体的には目には見えない「なわばり」と、「店員のアクション」によって、客は、入りやすい店か入りにくい店かを判断しているのです。

以上のことを考慮しつつ、「63の(4).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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63の(4).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

◆立地と店の大きさが生みだす広い客空間

初めにも説明したとおり、この店は百貨店の入り口という、非常に恵まれた立地にあります。

6


通行客の多さはもちろんですが、入り口の広い空間を客空間として利用できることは、この店にとってたいへん有利なことです。

百貨店の食品売り場に出店している贈答品店が抱えている問題は、十分な客空間を提供できないというところにあります。

普通、百貨店内の通路は狭いため、商品を選ばうとして客が立ち止まっても他の通行客に押されたりぶつかられたりして、なかなか落ち着ける雰囲気がありません。

通行客のじやまにならないためには、陳列ケースに近づくしか方法がないのですが、そうするとこんどはその店の店員から接客アプローチを受けることになります。

まだはっきりと買う意志の固まっていない客にとってはこのアプローチは強すぎるので、客は次第に居心地のいい店へと流れていくようになります。

この結果、商品の品質が他店と同じくらいであれば、より買いやすい店の商品が売れていくことになるのです。

この店の前の広い空間には、客がはじめは遠くからその商品をながめていても、あまりじゃまにならないだけの場所があります。

そのことが、接触型のこの店を、贈答品販売に適した引き込み型店に近い環境にしているのです。

次回、「63の(5).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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52.外観はよく似た構造でも、売り方が全く違う二つの店

53.「いらっしゃいませ」のタイミングが全く異なる、常連接客と一見接客

54.ネットショップに加えて無人のリアルショップの普及によって、「店」での見知らぬ同士のコミュニケーションが失われていく。

55.希薄な人間関係を背景にした本来の「店」には、店員(売り手)と客(買い手)がお互いに癒し合えるコミュニケーションが存在する

56.ネットショップや無人コンビニ以外に、客が求めている店と接客がある

57.急速に進む高齢化と店舗の減少が、「戸板一枚の店」的「移動スーパー」を急増させている

58.接客の上手下手は「ことば」ではなく、店員のアクションによって決まる

59.いつも前向きで熱心に対応する店員と、消極的でやる気を感じさせない店員は、個人が持つ「動きの癖」から生じています

60の(1).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

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60の(3).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

61の(1).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

62の(2).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

61の(3).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

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62の(1).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(2).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(3).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(4)小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(5)小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(3).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

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2017年10月13日 (金)

63の(3).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

こんにちは。

店は店員の「なわばり」なので、店が少しでも多くの客を引きつけるためには、とにかく「なわばり」を解除することが最優先課題です。

そして、「なわばり」を解除するためには、「なわばり」解除の店員のアクションが不可欠であることをご説明してきました。

さらに、具体的な「なわばり」解除の店員のアクションは、作業中と接客中の店員のアクションであることもご説明してきました。

さて、以上の様にして客を店頭や店内に引きつけた後は、客自身が生み出すサクラパワーによって、さらに多くの客が引きつけられるのを待つことになります。

やがて、客から注文や質問や相談の声がかかりますが、そこでいっそう「なわばり」解除の店員のアクションを提供することが大切になります。

前回、①
お辞儀アクション うなずきアクション 案内アクション を正しく行うことによって、「なわばり」解除の店員のアクションを提供できるということをご説明しました。

正しい ①お辞儀アクション ②うなずきアクション ③案内アクション は客を上手(うわて)にして店員自身を下手(したて)にするアクションであるために、「なわばり」を解除することになるのです。

ここで、「身体の動き=アクション」について大切なポイントがあります。

それは、ほとんどの人は他人の「
身体の動き=アクション」になかなか気づかないということです。

つまり、ほとんどの客は店員の「身体の動き=アクション」に気づいていないのです。

しかし、気づいていないにもかかわらず、実は店員の「身体の動き」に大変強い影響を受けています。

むしろ、客は気づかないが故に、店員の「身体の動き」に無意識のうちに動かされてしまうとも言えるのです。

そのため客は、店員の「身体の動き」に全く気づかないにもかかわらず、「感じが良い店員」か「感じが悪い店員」かをはっきりと判断してしまうのです。

店員と客自身の直ぐ近くに存在し、なおかつ、お互いに強い影響を与えながらも、見える人にしか見えないモノ、それが「身体の動き=アクション」なのです。

「見えない店員のなわばり」と「見えない店員の動き」が、「売れる店」か「売れない店」かを決定的に左右しているのです。

以上のことを考慮しつつ、「63の(3).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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63の(3).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

◆広い店員空間がなわばりを解除する

店員空間が広い接触型店が最も力を発揮するのは、広い店員空間の中で店員が休みなくアクションを続けている場合です。

 

3


この店は贈答品販売が主体なので、客がいないときにしておかなければならない、特別な作業はありません。

そのため、客がいないときには店員のアクションは止まってしまいます。

ところがこの店は商品空間と店員空間が広いので、客にとってはまだまだなわばりが解除された状況があります。

そこで一人目の客がつくと、店は再び動きはじめ、活気をとりもどします。

この店には特別な包装台がないので、店員は陳列ケースの上で包装作業をしていますが、このアクションが意外に店を活気づける効果をあげています。

もちろんこれは商品空間が広いからできることで、他店でこのようにすると店員のなわばりが強すぎて、かえって次の客がつかなくなってしまう場合があります。

次回、「63の(4).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」に続く。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


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63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

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2017年10月12日 (木)

63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

こんにちは。 

リアルショップに客が望むことは、「なわばり」を解除してくれることです。

そして、客にとって一番の「なわばり」解除とは、店員が常に「見知らぬ客」として対応してくれることなのです。

人は、客となって、特に「見知らぬ客」となることによって初めて、解放感を獲得することができるのです。

店員が客の個人情報をできるだけ把握して、それに沿った接客をしようとすることなど、愚の骨頂です。

なぜなら、客は個人情報からは一切解放されて、可能な限りの散財をしたいという願望を持っているからです。

何度でも通ってくれる客に対して、いつも「見知らぬ客」として対応してあげることこそが、最高のサービスの提供なのです。

「見知らぬ客」として対応するための具体的な方法は、次のたった三つのアクションを提供し続けることです。

(1)挨拶や、お礼や、お詫びや、お願いのことばと共に、正しい「
お辞儀アクション」を提供する。

(2)返事や協調や賛同のことばと共に、正しい「
うなずきアクション」を提供する。

(3)説明をする場所や方向を指し示すことばと共に、正しい「
案内アクション」を提供する。

店員が以上の三つのアクションを行うことによって、客は常に「見知らぬ客」として対応してくれていることを実感でき、大きな満足を感じることができるのです。

「見知らぬ客」と「お辞儀、うなずき、案内アクション」をどうぞお忘れなく…。

以上のことを考慮しつつ、「63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

 

◆広い商品空間と工夫されたひやかし安全信号

この店は、百貨店の入り口側の半分強に贈答品を、奥のL型部分に生ケーキを陳列しています。

↓贈答品を置いてある入り口側のケース

56_2


そしてL型の最も奥まったところに生ケーキの実演場を置いています。

一般的には、持ち帰り品である生ケーキを入り口近くに置き、贈答品を店の奥の方に置くというのが商品特性にあった展開パターンですが、この店ではちょうど逆の方法をとっています。

それは、本来贈答品を販売していたこの店が、贈答品を買った客にケーキも買ってもらうことと、贈答シーズン以外の時期の売り上げを伸ばすために、補助的に生ケーキを導入してきたためと考えられます。

↓生ケーキを置いてある店の奥側のケース

 

55_2


生ケーキ部分だけを見ると、L字型ケースの前は急激に通行量が減るためそれほど客を集めません。

また、せっかくの実演場も人目につきにくく、客を引きつけるという本来の機能はほとんどはたされていません。

この店のメインはなんといっても贈答品ですから、その商品空間を見てみることにしましょう。

百貨店の入り口側からずらりと並んだケースのほとんどの部分が、贈答品にあてられています。

広い商品空間には、商品と商品以外のひやかし安全信号を組み込むための十分なスペースがあります。

ケースの中には、季節やその時々のテーマにあわせた人形や様々のディスプレイ物が上手にレイアウトされており、店イメージや商品イメージを盛りあげています。

さらに商品空間自体の面積が大きいことも、なわばり解除のために大きな役割をはたしています。

商品空間が広ければ、たとえ店員がなわばり主張をしたとしても、客にとって安全な空間が十分に残されているからです。

次回、「63の(3).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです 

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60の(2).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(3).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

61の(1).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

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63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

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2017年10月11日 (水)

63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

こんにちは。

家庭や地域や学校や職場などでの様々な人間関係と、店での店員と客との人間関係は全く異なります。

前者はお互いが誰であるかということが明確になっているのに対して、後者はお互いが見知らぬ者同士の関係であることです。

そして、店には、見知らぬ客に対して見知らぬ店員が、感じよく対応するための「ことば」と「アクション」が存在しています。

(1)感じ良くするための「ことば」とは次のようなものです。

①いらっしゃいませ

②少々お待ちください(ませ)

③かしこまりました

④お待たせいたしました

⑤申し訳ありません(ございません)

⑥それはあちらです(こちらです)

⑦ありがとうございます

(2)感じ良くするための「アクション」とは次のようなものです。

お辞儀アクション

うなずきアクション

案内アクション

店員が、以上のような「ことば」と「アクション」を提供することによって、大抵の客は「感じが良い」という印象を受けるために、再来店が期待できます。

それでは、以上のような「ことば」と「アクション」は、なぜ「感じが良い」と客に思わせるのでしょうか?

それは、店は店員の「なわばり」だからです。

したがって、店は客を引きつけるために、できるだけ「なわばり」を解除しなければいけませんが、以上の「ことば」と「アクション」はいずれも「なわばり」を解除するためのものなのです。

「なわばり」を解除する「ことば」と「アクション」を提供してくれる店員に対して、大抵の客は好感を抱くことになるのです。

ところで、家庭や地域や学校や職場においては、相手に感じよく対応するための「ことば」と「アクション」に関しては、明確に指導されてはいないのが実情です。

意外なことに、家庭や地域や学校や職場において、相手に感じよく対応するための具体的な仕方を学ぶには、リアルショップの客となって、密かに店員から学ぶことが非常に有効な方法なのです…。

以上のことを考慮しつつ、「62の(5).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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63の(1).広い商品空間で売る接触型の贈答品店(洋菓子・ヨツクモック)※1986年当時

この店は、東京・池袋駅東口にある西武百貨店の地下一階の食品売り場にあります。


Photo


西武百貨店の地下一階は、国鉄、私鉄、地下鉄の乗降客で一日中混雑している大地下通路に面しています。

この店は、その大地下通路に面した入り口のすぐ左側に位置しています。

この場所は地下一階の中では最も通行量の多いところで、非常に恵まれた立地条件をもっています。

この店の平面図を見てみましょう。


2

構造そのものは、百貨店の中によくある一般的な接触型店とそう変わりありません。

ところがこの店で非常に特徴的なことは、他の接触型店に比べて群を抜いて広い商品空間と店員空間を持っているということです。

普通、このタイプの店の商品空間は、六尺(約一・八メートル)幅の販売ケースが二本、多くても三本です。

けれどもこの店の場合、商品空間だけでも他店の三倍以上あります。

商売をするうえで、他店に比べて商品空間が広いということは非常に有利な条件です。

特に百貨店のように限られたスペースの中で数多くの店が競争するような状況では、他店よりも広い商品空間を持つことが客をひきつけることにつながってきます。

広い商品空間は狭い商品空間に比べてなわばりが解除されやすいので、客はどうしても買いやすい店のほうへと流れてしまうからです。

商品空間が狭い店は、たとえその商品の品質が優れていても、店そのものが客をひきつけにくいという理由で、なかなか売り上げを伸ばせません。

「ケース一本」で出店した店が爆発的に売れて、徐々に広い店になっていくというサクセスストーリーの実現は難しいのです。

次に店員空間を見ると、この店はその中央付近に奥まった店員空間を持ってはいますが、それを除けば、比率的には他の接触型店とほとんど変わりません。

ところが商品空間とそれにともなう店員空間全体の面積が広いために、実質的に店員が移動できるスペースは非常に大きなものになります。

店員空間が広いぶんだけ、店員の作業量が増し、このことがこの店に動きを与えているのです。

この店は接触型店ですから、客空間は商品空間に沿って通路上にできます。

この店のある場所は百貨店の入り口すぐのところなので、店の前には広い空間があって、その空間はこの店に十分な客空間を提供しています。

そのため、この店の客は、他店の客のように通行客にぶつかられたり押し流されたりすることなしに、落ち着いて商品を選ぶことができるのです。

この立地上の好条件が、この店が贈答品店でありながら接触型の展開をして成功している理由の一つになっています。

このように、この店は、立地、店の大きさといった点で、他店をはるかにしのぐ好条件を持っています。

こうした根本的な条件は、売り上げを伸ばしたいという希望があっても、簡単には得られるものではありません。

けれども、売れるということの本質を探るためには、どうしても避けることのできない問題です。

そこで、さらに詳しくこの店の様子を見ていくことにしましょう。

次回、「63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」に続く。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


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2017年10月10日 (火)

62の(5).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

こんにちは。

店の前を行き交う通行客は、次の三つのタイプに分けられることを
前々回にお話しました。

①買う気がない客
②迷っている客
③買う気がある客

大勢の通行客があるとした場合、圧倒的に多いのは①買う気がない客です。

どこの店にするか、どの商品にするか、今日買うか買わないかを②迷っている客は、次に多い客です。

目的の店で目的の商品を③買う気がある客はごくわずかです。

ところが、圧倒的に多い①買う気がない客の中には、「
なわばり」が解除された店に対しては、引きつけられる客が大勢含まれています。

また、次に多い②迷っている客のほとんどは、「なわばり」が解除された店に対しては、いっそう引きつけられます。

したがって、駅ナカ・駅ソトショップ、あるいはそれに準ずるような立地にある店の場合は、「なわばり」を解除することによって、①買う気がない客と②迷っている客をたくさん引きつけることができるのです。

「達人店員」と呼ばれる人の接客ノウハウは、①買う気がない客と②迷っている客を、できるだけたくさん引きつけることです。

もちろん、買う気のない客を引きつけて、積極的に接客して買う気にさせるのではありません。

買う気のない客をたくさん引きつけることによって、大勢の客が「
サクラパワー」を発揮して、店の「なわばり」を解除してくれることを期待しているのです。

サクラパワーによって「なわばり」が解除された店は、強力なマグネットのように、通行客を次々と引きつけます。

店が店員の「なわばり」であるという観点に立てば、「売れる店」と「売れない店」の要因を新たに見つけ出すことができます。

以上のことを考慮しつつ、「62の(5).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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62の(5).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)

◆この店の販売パワーが強いとき、 弱いとき

店の規模が小さい接触型店には宿命的な弱点があります。

それは、よほどの人気商品を販売している店か、一日中稼働する実演販売の店か、あるいはきわめて身体信号の正しい店員が販売をしている店でない限り、必ず店員のなわばり主張が商品空間をおかしてしまうということです。

この店は、三つの店のいずれの条件にもあてはまらないのですが、商品空間そのものの強力ななわばり解除によって客をひきつけ、全体としては近づきやすい店になっています。


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そこで、特別な店員行動のプログラムのないこの店の店員も、接客に追われて次々とアクションを続けることができます。

けれども夏の間や贈答シーズンにはこの店に来る客が少なくなるので、店は動きを停止し、その結果、客を追い払うという悪循環に陥りやすくなります。

こういう店が一年を通して売り上げを伸ばしていくためには、代表商品に次いで季節に応じて売れる商品の開発をしておくことがどうしても必要です。

この店に限らず、店舗の面積の狭い店が売り上げを伸ばすためにしなければならないことは、商品空間のなわばり解除です。

この店も、売れる要因が商品空間のなわばり解除やひやかし安全信号の創造にあるのだということを見失ったとき、売れるしかけをこわしてしまうことになるでしょう。

商品空間が狭いことは、商売をするうえでは大きなハンディになります。その不利な条件の中でいかに客をひきつける店づくりをするかが、残された道なのです。

次回、「63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」に続く。

 

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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51.感じが良い接客」と「感じが悪い接客」は個人の「動きの癖」が生み出す

52.外観はよく似た構造でも、売り方が全く違う二つの店

53.「いらっしゃいませ」のタイミングが全く異なる、常連接客と一見接客

54.ネットショップに加えて無人のリアルショップの普及によって、「店」での見知らぬ同士のコミュニケーションが失われていく。

55.希薄な人間関係を背景にした本来の「店」には、店員(売り手)と客(買い手)がお互いに癒し合えるコミュニケーションが存在する

56.ネットショップや無人コンビニ以外に、客が求めている店と接客がある

57.急速に進む高齢化と店舗の減少が、「戸板一枚の店」的「移動スーパー」を急増させている

58.接客の上手下手は「ことば」ではなく、店員のアクションによって決まる

59.いつも前向きで熱心に対応する店員と、消極的でやる気を感じさせない店員は、個人が持つ「動きの癖」から生じています

60の(1).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(2).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(3).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

61の(1).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

62の(2).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

61の(3).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

61の(4).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

62の(1).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(2).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(3).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(4).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

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2017年10月 9日 (月)

62の(4).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

こんにちは。

客にとって、店は大変楽しい空間です。

しかし、店は店員の「なわばり」であるために、客は店員の「なわばり」に入って、強いプレッシャーを感じながら買い物をしていることも事実なのです。

したがって、店員が「なわばり」を解除するアクションを行うと、店員が想像している以上に、客にとっては大変入りやすい店となります。

店員が「なわばり」を解除する具体的なアクションとは、接客中のアクションと作業中のアクションです。

しかし、客にとって店の「なわばり」がそれ以上に解除される状況があります。

それは、店に「
サクラパワー」が生じた時なのです。

店で他の客が注文をしたり相談をしたりする姿はもちろんのこと、店頭や店内に一人でも回遊客(あるいは滞留客)の姿が存在することによって、「サクラパワー」は生まれます。

したがって、数人の客が店頭や店内の商品空間に立ち止まった場合には、非常に強力な「サクラパワー」が発揮されて、店の「なわばり」は完全に解除されてしまいます。

意外なことに、店においては、商品の魅力や店員のアクションもさることながら、それ以上に他の客の存在こそが、大勢の客を引きつけているのです。

このことは、客が感じる買い物の醍醐味が、見知らぬ店員に出会うことと同時に、見知らぬ大勢の客に接することであることを裏付けているのです。

以上のことを考慮しつつ、「62の(4).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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62の(4).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)

◆サクラパワーが客をひきつける

この店の商品は持ち帰り品なので、本来は時間をかけて選ぶものではありません。

ところが、商品空間に強いひやかし安全信号を組みこんだために、客が店の前にいる時間が長くなっています。

※開店直前の店の様子↓


Photo_2

 


※サクラパワー現象が生じた場合の店の様子↓

 

4

客がついている商品空間は、なわばりが大幅に解除されているので、次の客がつきやすくなります。

この店をとり囲む通路はせまく、十分な客空間を提供できないのですが、そのことがかえって通路を一時的にせき止め、爆発的なサクラパワーを引き起こす結果を生みだしています。

この店の商品は季節商品なので売れ行きには変動がありますが、シーズンには店のまわりを客の行列がとり囲むということになるのです。

次回、「62の(5).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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62の(1).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(2).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

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