カテゴリー「◆新宿伊勢丹」の2件の記事

2013年5月 9日 (木)

賑わう唯一のセルフ販売コーナー(伊勢丹・新宿本店)

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伊勢丹百貨店・新宿本店の地下1階食品フロアの「和菓子コーナー」にある、「名匠銘菓・米菓コーナー」の、「三空間店舗構造」と「店員と客のアクション」について、「人の動き」という観点から分析したいと思います。

「名匠銘菓・米菓コーナー」は、伊勢丹百貨店が自主編集で集めた和菓子を販売するコーナーですが、和菓子コーナーでは唯一セルフ販売方式を採用して、多くの客を引きつけています。

(1)「名匠銘菓・米菓コーナー」の平面図

①緑が商品空間
②空色が店員空間
③ピンクが
客空間
④赤が店員
⑤青が客


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(2)「名匠銘菓・米菓コーナー」の店舗構造

この店は、「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」の構造の店です。
和菓子コーナーで唯一セルフ販売方式を採用した店舗構造の店となっています。

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(店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店)

(3)「名匠銘菓・米菓コーナー」の店員空間と店員のアクション

「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」の構造をしたこの店の「店員空間」は、広いレジカウンターとなっています。そして、そこでは、数名の店員が行列をつくって精算を待つ客を順番に対応しています。
精算と包装の作業に追われる店員のアクションは、典型的な「客を引きつける店員のアクション」となって、店全体に賑わいを生み出しています。
また、この構造の店は、商品を補充したり陳列の整理やチェックをしたりする店員の作業を必ず伴います。
従って、この店の場合も何名かの店員が回遊通路(客空間)に出て、様々な作業を行っています。
作業中の店員のアクションも「客を引きつける店員のアクション」です。


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(精算や包装を作業を行う店員のアクション)


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(レジの順番を案内をする店員のアクションや、レジカウンターで客に対応する大勢の店員のアクションは「客を引きつける店員のアクション」にとどまらず、エキサイティングな空間を生み出します)

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(じっと立つ店員のアクションは、なわばり主張のアクションとなって、「客を遠ざける店員のアクション」になります



(4)「名匠銘菓・米菓コーナー」の商品空間

セルフ販売方式の「商品空間」は、常になわばりが解除されていて、客が自由に選べる「商品空間」となっています。
また、たくさんの種類のお菓子が陳列されていることによって、商品自体からも「冷やかし安全信号」を発信して客を引きつけています。



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(店員のなわばりが解除され「商品空間」は、客にとって冷やかしやすい「商品空間」です)


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(コンビニのような構造の「商品空間」になっているために、客は気軽に選ぶことができます)


(5)「名匠銘菓・米菓コーナー」の客空間


セルフ販売を行う店の「客空間」は、客が移動しながら商品を自由に眺める回遊通路です。そして、「客空間」を回遊する大勢の客の姿は非常に強力な「サクラパワー」となって、通行客を次々と引きつけます。
また、精算の順番を待つ客がつくる行列は、一層「客空間」のなわばりを解除して多くの客を引きつけます。


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(気軽に商品を検討する客の姿は「サクラパワー」を生み出す、客のアクションです)

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(接客をしない作業中の店員からは、なわばり主張を受けないために、客は安心して「客空間」を回遊できます)

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(レジカウンターのそばの行列の様子は、「サクラパワー」となって、他の客を引きつけます)


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(6)この店が客を引きつけるとき、客を遠ざけるとき

(1)この店は、和菓子コーナーの中では唯一「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」の構造をして、完全なセルフ販売を採用していることによって、多くの客を引きつけています。

(2)レジカウンターでの大勢の店員のアクションは、店全体のなわばりを解除して、「客を引きつける店員のアクション」となって、客を引きつけ、購入を促進します。

(3)
セルフ販売を採用したこの店の回遊通路(客空間)は、大勢の客が生み出す「サクラパワー」が持続して、多くの客を引きつけています。

(4)この店が大勢の客を引きつけている要因は、十分に検討した「商品」の構成力にあると思いがちですが、本当の要因は、「店の構造」とその構造が生み出す「店員と客のアクション」なのです。

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2013年5月 7日 (火)

セルフ販売の店が少ない新宿伊勢丹

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(セルフ販売のない新宿伊勢丹のパンコーナー)

百貨店の人気はデパ地下(食品フロア)の魅力によって左右されるといわれています。
よく似た食品の店が左右にたくさん並んだ通りは、「市」に並んだ「戸板一枚の店」の構造と売り方をいまだに継承して、多くの客の心を興奮させるからです。

その食品フロアの店の構造と売り方にも、時代とともに少しずつ変化が見えています。
どの百貨店においても、食品フロアを構成する店の構造は、基本的には、「店員空間が狭い接触型店」です。
一時、「店員空間が広い接触型店」が人気を呼んでいましたが、近年では、「商品空間」を広くした「店員空間が狭い接触型店」が主流です。

しかも、セルフ販売方式を全面的に取り入れている店が流行と言えます。
そして、ほとんどの店がセルフ販売コーナーを一部併設しています。

しかし、「伊勢丹・新宿本店」の食品フロアは、セルフ販売方式の店舗構造と売り方を極力制限しているかのような店舗構成になっています。
唯一セルフ販売方式を採用して、多くの客を引きつけているのは「名匠銘菓・米菓コーナー」だけとなっています。(ただしフレッシュマーケットのセルフ販売を除く)

かつては、過去に例のないほど大規模なセルフ販売方式のパンの専門店がありましたが、現在はいわゆるセルフ販売のパン専門店は存在しておりません。
パンを販売するコーナーは、全て「店員空間が狭い接触型店」で構成され、対面販売が行われています。



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(対面販売の様子)


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(対面販売の通路は、「冷やかし客」にとっては、気軽に商品を眺めることができません)


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(誰も客がついていない場合は、冷やかし客にとってはなわばりが解除された「商品空間」にはなっていません)

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(回遊通路にサクラパワーが生じているときは、冷やかしやすい状況になります)

それでは次に、新宿の4大百貨店の他の3店のパン専門店の店舗構造と販売方法を見てみましょう。

●小田急百貨店のセルフのパン専門店

小田急百貨店の地下食品フロアでは、パンはセルフ販売が主力となっています。(店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店)

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●京王百貨店のセルフ販売のパン専門店

京王百貨店の地下食品フロアでは、パンはセルフ販売が主力となっています。(店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店)
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●高島屋百貨店

高島屋百貨店の地下食品フロアでは、パンはセルフ販売が主力となっています。(店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店)
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