カテゴリー「◆衰退する店の分析」の3件の記事

2012年10月27日 (土)

3.客を遠ざける接客(店員のアクション)が際立つ店

本来広い店なのに、店員空間を狭く設計したことで客を遠ざけるアクションがよく目立ち、セルフコーナーにも客が入りにくい洋菓子店。

 

前回に引き続き、様々な問題点を抱えた店を分析します。
この店も某有名ショッピングセンターで洋菓子を販売している店です。
みなさんはこちらの店をどう思われるでしょうか?

 

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この店はエスカレーターのすぐ近くにあり、二本の主要通路に面した接した角店という非常に恵まれた立地にありながら、なかなか思うように業績を伸ばすことができない、大変もったいない店なのです。
さっそく、平面図を見てみましょう。

 

◆この店の店舗構造・・・
「店員空間が狭い接触型店」と「店員空間が狭い引き込み型店」の折衷型店舗

この店は、店全体としてはさほど小規模な店ではありませんが、「店員空間が狭い接触型店」と「店員空間が狭い引き込み型店」の折衷型店舗になっています。しかも、引き込んだ商品空間がセルフ販売コーナーとして設計された非常に特徴のある店舗構造になっています。

 

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平面図を見ると、対面型のショーケースで囲まれた店員空間の真ん中あたりにレジカウンターがあり、このレジカウンターで、対面販売の商品を買った客とセルフ販売コーナーで買った客の両方の精算を行うことを意図してつくられています。
ところがこの工夫が、実は一つの問題点を生み出しているのです。
せっかく「店員空間が広い接触型店」の構造をしているのに、レジカウンターを真ん中に持ってきたことから、店員(販売員)が自由に動ける空間が狭くなってしまいました。そのために、店員(販売員)が常にショーケースのすぐ後ろに立つことになり、「なわばり主張」のアクションを生じがちな店になっています。

注意ポイント!
セルフ販売方式と対面販売の折衷型の接客方法を採用すると、店の構造がはっきりしなくなり、「客を遠ざける店員のアクション」を生み出しやすい構造になる。

 

◆この店の店員(販売員)と客のアクション・・・
「客を遠ざける店員のアクション」が生じやすいため、客が自由に商品を見たり検討したりしにくい。
以上のことを踏まえて、もう一度、この店を観察してみることにしましょう。
この店は非常におしゃれな店で、ケースの上にはほとんど商品やディスプレイ物を置かないようにしています。その分、店は非常に洗練されてすっきりしていますが、一方で店全体の見通しが良すぎて、客が店員(販売員)の視線を避けられるようなものが何もありません。このような店は店員(販売員)のアクションが非常にむずかしく、客がいない間、店頭でじっと立つ「客を遠ざけるアクション」が良く目立ってしまいます。

 

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また、店の後ろ側に設置された「セルフ販売コーナー」も、すぐに接客されるというイメージが強いために、客が落ち着いて商品を選ぶことができません。さらに、商品の種類や量が少ないために、商品空間が貧弱になり、客を引き付ける魅力に欠けたものになっています。

 

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店のデザインやインテリアがどんなにおしゃれでセンスが良くても、「戸板一枚の店の法則」を無視した店は成功しません。客が近づきやすいかどうかを決める最大のポイントは、客と店員(販売員)との関係です。客が商品を選んでいる間は店員(販売員)を気にせずにすみ、買う時にはすぐに接客できる店舗構造をつくることが、繁盛店を生み出すポイントなのです。
注意ポイント!
販売方法と商品空間のつくり方が一致しないと、客を引き付けられない。


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2012年10月 8日 (月)

2.セルフ販売コーナーが機能していない店

せっかく作ったセルフ販売コーナーが機能せず、
広すぎるレジカウンターに魅力がなく、
狭い店員空間にいる店員(販売員)のアクションが客を遠ざけてしまう店

都心の集客力のある商業集積に出店している有名店で、評価の高い商品を販売しているのに、思ったほど客が集まらない店があります。
そのような店の問題点は、実は「店舗と接客」にあることが多いのです。

この店は洋菓子を売っている店です。
向かって左側にセルフの商品空間があり、真ん中に広いレジカウンター、さらに右側にショーケースがあります。
みなさんはこの店をどう思われますか?この店は、実はいくつか失敗しやすい要素を含んでいるのですが、それが何だかわかりますか?

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◆この店の店舗構造・・・店員空間が狭い接触型店

先ほどの店の平面図を見てみましょう。
構造は「店員空間が狭い接触型店」です。
店の左側にセルフ販売コーナーをつくってありますが、真ん中のレジカウンターと右側の対面型のショーケースのイメージが強烈で、セルフ販売コーナーはほとんど客の印象に残りません。

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また、この店は平面図で見ると、けっこう奥行きがあるのですが、実際の店のイメージは、店員空間が狭く、店員(販売員)がレジカウンターやショーケースのすぐ後ろに立つようになっています。売り場部分の奥行が狭いのは、後ろに厨房やストック場をつくっているからです。
この店のように、全体の面積はけっこう広いのに、店内の見えないところに厨房をつくってしまっているために、販売に使うスペースの奥行きが狭くなっている店は意外にたくさん観察できます。「客を引き付けるアクション」である製造作業をしている店員の姿が全然見えず、一方で、販売を担当している店員(販売員)のアクションを制限することによって「客を遠ざけるアクション」が強くなってしまう残念な構造なのです。
注意ポイント!
店員空間の奥行きが狭すぎると、「客を遠ざけるアクション」が生じやすい。

また、この店の最大の特徴は、店の中央に店全体の三分の一にも及ぶ広いレジカウンターを設けていることです。そのため、肝心の商品空間がほとんど目立たず、何も商品を置いていない店員空間ばかりが目立つ結果になっています。
また、店の左側にあるセルフ販売コーナーはすっきりと美しく陳列されているのですが、客からは販売されている商品ではなく、単なるディスプレイのように感じられがちです。
注意ポイント!
商品空間の比率が少ないと、ものを売っているというイメージがしにくくなる。

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以上のような問題点があるために、この店は「セルフ販売方式」を取り入れようと「セルフ販売コーナー」と広いレジカウンターをつくったにもかかわらず、なかなか客を引き付けることができないのです。

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2012年10月 5日 (金)

1.繁盛店か衰退店かは「店舗と接客」で決まる! 

全国には様々な店があり、業種や業態、扱い商品、年商、立地や規模などによっていろいろな分類をすることができますが、ここでは、まったく違う観点から眺めてみたいと思います。それは、その店が繁盛しているか、していないかという観点です。
全国の店は、どんな店であっても、必ず次のどれかに該当します。
①繁盛店    ②普通の店   ③衰退店
そういう観点で全国の店を改めてながめてみると、繁盛店と言える店はほんの一握りで、それ以外のほとんどの店は、様々な努力を続けながらなんとか頑張っている状態です。
それでは、繁盛店とそうでない店はいったい何が違うのでしょうか。
普通に考えられるのは商品です。ヒット商品が出れば、当然、店は繁盛します。
しかし、現代の厳しい販売競争の中で、群を抜いてすばらしい商品を開発するのは並大抵のことではありません。実際に、隣の店と自分の店の扱い商品にほとんど差がないにもかかわらず、隣の店ばかりに客が来て、悔しい思いをしている店もたくさんあるはずです。
次に考えられるのは立地です。人通りの多いところに店を出すことが商売の基本なのは言うまでもありません。
そこで、少しでも人通りの多い場所に出店したい、集客力の高い百貨店やショッピングセンターに出店したいと思っている店はたくさんあると思いますが、そういう場所に出店したからと言って必ずしも成功するわけではないのが面白いところです。
一見、華やかに見える百貨店やショッピングセンターにある店にも、激しい競争があり、ほとんど同じ立地で同じような商品を扱っているのに、驚くほどの業績差が生じることがあるのです。このような場合、なぜ、売れる店と売れない店が生じるのかがよくわからないことが多いのですが、私達は、その差を生み出しているのは、「店舗」と「接客(店員のアクション)」だと考えています。

 

まず、店でモノが売れる時には、次のような三つのパワーが働くと考えることにします。
①店舗パワー
店の構造そのものが持っているパワーです。店の構造は、接客(店員のアクション)、販売方法、扱い商品の内容やパッケージの仕方、陳列の種類や量などと深く関係しています。
②接客パワー
それぞれの店舗構造によって生み出される「接客(店員のアクション)」が繁盛するか衰退するかの分かれ道になります。よい接客である「客を引き付ける店員のアクション」が生じやすい店は繁盛し、悪い接客である「客を遠ざける店員のアクション」が生じやすい店は衰退します。
③商品パワー
商品には人気の時期があり、新発売からしばらくの間は商品パワーがありますが、やが てそのパワーも減少していきます。販売競争の激化にともない、長期間、飛びぬけて商品パワーのある商品を販売することはほとんど不可能になっています。

 

さて、この三つのパワーで、繁盛店、普通の店、衰退店を説明してみることにしましょう。
今、商品パワーはどの店も同じだと仮定します。

 

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■繁盛店
 優れた店舗構造の店で、その構造から多くの良い接客(客を引き付ける店員のアクション)が生じることにより、多くの客が引き付けられます。大勢の客が商品を選んだり買ったりする姿は、サクラパワーを生じて、次の客を強く引き付けます。すでにご紹介した行列が絶えない繁盛店がこれにあたります。

 

■普通店
むずかしい店舗構造の店で、そこから悪い接客(客を遠ざける店員のアクション)が生じてしまうために、サクラパワーが利用できず、なかなか客を引き付けられません。それでも、店員(販売員)が一生懸命努力して感じのよい接客を行ったり、あれこれと商品開発に努力したりしながら、なんとか一定の売り上げを保っている店です。

 

■衰退店
むずかしい店舗構造の店で、そこから悪い接客(客を遠ざける店員のアクション)が生じてしまうために、なかなか客を引き付けられません。商品開発の努力がおろそかになり、店員(販売員)のアクションも改善しないまま、売り上げが落ちる一方の店です。

 

このように、現代の繁盛店と非繁盛店を分けるものは、実は「店舗構造」とそこから生じる「接客(店員のアクション)」なのです。
「店舗構造」と「接客(店員のアクション)」が失敗すると、いったい何が生じるのかを、様々な例をあげて、具体的に説明していきたいと思います


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