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2022年9月

2022年9月26日 (月)

46.引き込み・回遊型店②店員空間がない場合のアクション術(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店員空間のない、引き込み・回遊型店」とは下のイラストのような構造をしている店のことです。


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この構造の店における店員のアクションは、次の五つのアクションに限定されます

つまり、店員が意識的であれ無意識的であれ、店内で行う全てのアクションは、五つのアクションに分類されるのです。

五つのアクションの内の次の三つのアクションは、「客を遠ざける店員のアクション」となります。

(1)店内で、じっと立つアクション


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(2)店頭で、じっと立つアクション

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(3)早過ぎる「いらっしゃいませ!」のアクション
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そして、次の二つのアクションは、「客を引きつける店員のアクション」となります。

(1)接客中のアクション

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(2)作業中のアクション

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以上のことからもわかるように、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」の店が「売れる店」になる一番の要因は、「客を引きつける店員のアクション」が繰り返し行われることなのです。

逆に、「売れない店」になる一番の要因は、「客を遠ざける店員のアクション」が繰り返し行われることです。

通行客が少ない立地だったり、通行客に対して全くミスマッチな商品構成だったりしている場合はもちろん論外ですが…。

さて、それでは、今回の「46.引き込み・回遊型店②店員空間がない場合のアクション術」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

46.引き込み・回遊型店②店員空間がない場合のアクション術

◆ゆったりしたアクションは客をおどかさない

引き込み・回遊型の店で、しかも店員空間が決められていない場合は、その店はいわば店員のお城です。

店の構造そのものも、公共のものというよりは個人の家のようなイメージを作りだしています。 

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そんな中で商品を見ている客は、実はすぐにも逃げてしまいたい気持ちと、もっと商品を見ていたい気持ちの板ばさみになっています。

客にとってこの店の環境は、店員が必ず声をかけてくるように思えてなかなか落ち着けないのです。

そこで店員は客を安心させるために「すぐには声をかけませんから安心して見ていって下ださい」というメッセージを送るようにしなければなりません。

そのためにはどうしても仕事中のアクションが必要です。

店員は客がひと回り店内を見て回っている間はアクションを続けていればいいのです。

客が一つの商品の前でちょっとぐらい立ち止まったからといって、あせって声をかけてもたいていは知らん顔をされてしまいます。

よほどのなじみ客でない限り、そっとしておくほうがいいのです。

必要なときには客のほうから声をかけてきます。

声をかけられたら、そこから先は店員の対応がすべてを握っています。

このタイプの店では一人の客に一人の店員がついて長時間接客するので、その店員に対する印象の良し悪しが、売れるか売れないかを決めるのです。

私たちのまわりには似たような商品を売っている店がたくさんあります。

その店の店員が嫌われたら、売り上げもいっしょに他店へ飛んでいってしまいます。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


続きは次回に…。

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2022年9月19日 (月)

45.引き込み・回遊型店①店員空間がない場合のアクション術(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店員空間のない、引き込み・回遊型店」は、このようなイラストの店のことです。


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このような構造の店では、店員(店側)の考え方と客の感じ方に、大きな違いがあります。

店員は、お客様が店内の商品を見たり検討したりしやすいために回遊通路をつくった店舗構造だと考えています。

一方、客は、店員のいる空間に入って、商品を見たり検討したりしなければいけない店舗構造だと感じています。

この両者の大きな「ズレ」は、「店は店員の『なわばり』である」ということに店員(店側)が気づいていないことから生じています。

「戸板一枚の店」が店の始まりの構造であることには、誰もが納得することができるはずです。

つまり、「店」は、「商品空間」(戸板一枚)を挟んで、店員と客がそれぞれの空間(なわばり)を保ちつつ、売り買いができる構造であることが基本なのです。

店員と客の垣根(商品空間)を取り払ってつくられた、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」は、客が店員の「なわばり」に入って、大きなプレッシャーを感じながら買い物をしなければいけない店舗構造の店なのです。

かつて、日本経済の著しい発展を背景にして、大勢の客を引きつけた全国日本各地の商店街のほとんどの店が、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」であったことが、後々、停滞ないしは衰退を余儀なくされていった、大きな要因の一つでもあったのです。

それでは、今回の「引き込み・回遊型店 ①店員空間がない場合のアクション術」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。 

45.引き込み・回遊型店 ①店員空間がない場合のアクション術

◆店の真ん中にがんばっていては客がはいりにくい

引き込み・回遊型の店で、店員空間がなかったり、あっても店員がカウンター内にはいりっきりになれない店はたくさんあります。

こうした店の商品はたいてい高額で、選ぶときに店員の説明やアドバイスを必要とするので、客が勝手に商品をレジに持っていくというわけにはいきません。

そこで店員はすぐに接客できるように、客空間の中にはいっているのです。


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引き込み・回遊型の店には店頭に商品が出ていません。

そのためこのタイプの店は客にとってはなかなかはいりにくい店です。

ですから、入店してくる客は非常に敏感な状態になっています。

店員が客空間の真ん中でじっと客が来るのを待っている …… こんな様子を見ながら、それをまったく気にしないで平気で店の中にはいってこられる客はごくわずかです。

このような店では、まず、客空間を開放しておかなければなりません。

客が自由に出入りできるように空間をあけておくことが必要なのです。

このタイプの店には内装等もシンプルなものが多く、商品量も少ないので、店内は奥まで見通せる状態です。

そこで店員がどこにいるのか、何をしているのかは一目瞭然です。

客が店の中をのぞいただけで次々に行ってしまうときには、商品には興味があるにもかかわらず、店員のなわばり主張にさえぎられて店内に入れないという可能性があるので注意が必要です。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

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2022年9月14日 (水)

44.引き込み・回遊型店 ②店員空間がある場合のアクション術(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

1980年代後半においてさえ、停滞ないしは衰退を余儀なくされていた全国の商店街の店の多くの店主たちは、自分達の店と同等の規模のコンビニエンスストアが、やがては商店街の店を凌駕していくとは、なかなか思えませんでした。

その一番の要因は、商店街の店の店主たちは、店が店員の「なわばり」であるということを全く受け入れなかったことです。

コンビニエンスストアは、一見、商店街の店とよく似た構造をしていながらも、店員空間を明確に設けて、セルフサービス方式を採用することによって、店の「なわばり」を解除して、商店街にあるどの店よりも、入りやすい店舗構造の店で進出してきたのです。

当時、「なわばり」を解除した店が、「なわばり」を主張する他の商店街の店よりも、客を引きつける力がはるかに勝っているということは、火を見るよりも明らかでした。

ところが、そのことを商店街の店主たちはなかなか受け入れることができなかったのです。

「戸板一枚の店」は商店街の店へと移行し、商店街隆盛の時代にはその姿を隠していましたが、セルフサービス方式を採用したコンビニエンスストアの登場が、実は、「戸板一枚の店」の性格を蘇らせたのです。

「冷やかしやすい店」こそ「店」本来の魅力だからです…。

以上のことを考慮しながら、今回の「引き込み・回遊型店 ②店員空間がある場合のアクション術」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

44.引き込み・回遊型店

②店員空間がある場合のアクション術

◆客空間をじゃましない動き

このタイプの店は比較的客がはいりやすいので、店員がヒマで困ってじっと立っていることは少ないはずです。

それでも店内に人影がないとなかなか客がはいりにくいので、店員が客空間に出てアクションを見せることも必要です。

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ウインドーをふいたり、商品を並べかえたりといった仕事のアクションは、店に活気を与えます。

このときに気をつけなければいけないのは、客空間にはいったら決してアクションをやめてはいけないということです。

店員が客空間を占領してなわばり主張を続けていたら、客は店内にはいりにくくなってしまいます。

また、店がにぎわっている最中に、店員が客空間にはいらなければならないときがあります。

たとえば商品を補充したり、位置をいれかえるようなときです。

そんなとき、店員は客に商品をすすめる必要はありません。

ただアクションに徹すればいいのです。

ただし店員の立っている位置やそのアクションが客のじゃまをするようなときには、客のために場所をあけたり、作業のタイミングをずらすことが必要です。

このような引き込み・回遊型の店で店員空間が十分に広く、大勢の店員がいっせいにアクションをすることができる場合には、そのなわばり解除はずっと強いものになります。

店員の客寄せ踊りと客寄せ音頭のため店内には活気が出ます。

すると客はいっそうはいりやすく、また店内にいやすくなるので、客の数が増え、その動きも激しくなり、やがてサクラパワーをひき起こします。

商品を補充する店員の姿も活気をあおります。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2022年9月 5日 (月)

43.こういう店が引き込み回遊型店②店員空間がある場合(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

1970年代にスーパーマーケットが、1980年代にコンビニエンスストアが、急激に全国各地に普及していったことによって、セルフサービス方式での買い物はごく一般的になっていきました。

そのことによって、「店」(リアルショップ)に対する感じ方は、買わずには入りにくい店から、買う買わないに関係なく入りやすい店へと、大きく変化しました。

店はもともと、道路に面した「戸板一枚の店」であったと考えるならば、スーパーやコンビニなどの入りやすい店の登場は、店本来の性質や店の魅力を甦らせてくれたことになります。

その後、スーパーやコンビニに限らず、ファッションや雑貨等の様々な業種におけるセルフサービス方式の店が登場してきました。

こうして、一旦はセルフサービス方式の店が主力になったのもつかの間、今度は彗星のようにネットショップが登場し、あっという間に誰でもどこでも気軽に利用できる「新しい店」(ネットショップ)が一大普及してきたのです。

そして一時は、セルフサービス方式以外のリアルショップは、いよいよ、絶滅してしまうのではないかと思われました。

ところが、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」や「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」のリアルショップが、駅ナカ・駅ソトショップとして、主要な交通機関の移動空間に次々と登場してきました。

大勢の見知らぬ人が行き交う境界に生まれた本来の「店」が持つ魅力をそのままに、同じように大勢の見知らぬ人が行き交う「駅ナカ・駅ソト」に、出現してきたのです。

以上の事柄などを考慮しつつ、今回の「引き込み・回遊型店 ①店員空間がある場合のアクション術」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

43.引き込み・回遊型店 

①店員空間がある場合のアクション術

◆接客アプローチは不必要

店員空間のある引き込み・回遊型の店では、接客アプローチは不必要です。

なぜなら、この店の構造そのものが「店員は客に商品をすすめません」というメッセージを発しているからです。

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大型スーパーマーケットのように店そのものの規模が非常に大きい場合は、店員もこのことをよく理解しています。

ところが店がだんだん小さくなって、レジと客との距離が近づけば近づくほど、店員は客にアプローチしたくなってきます。

けれども、その店が、店員空間のある、引き込み・回遊型のレイアウトをとっていて、説明しなくてもよくわかる商品を扱っている限り、声をかける必要はありません。

必要があれば客側から声をかけてきます。

このタイプの店に来た客はたいていすぐにそのシステム(商品は自分が勝手に選んでレジへ持っていく)を理解するので、店員の接客に対しては期待していません。

むしろ誰もいない店内にはいってきた一人目の客に対して、不用意に「いらっしゃいませ」と声をかけると逃げてしまうことがあります。

このタイプの店の店員がしてはならないことは、あれこれ迷っている客をじっと見つめたり、イライラした様子で客がレジに来るのを待つようなことです。

このタイプの店の店員空間は狭いためあまり目立ちませんが、レジでの接客以外にも作業のアクションをすることは有効です。

店員のアクションは、やはり客を安心させるのに役立ちます。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

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