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2022年8月

2022年8月15日 (月)

40.客をひきとめる商品空間つくり(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

店が店員の「なわばり」である、ということを受け入れようとしない販売関係者の方々は、現在でも多数います。

そのような多くの販売関係者の方々は、「冷やかし客」に対して、単純に「買わない客」だと決めつけています。

しかし、店が店員の「なわばり」であるということを理解していたり、現場で肌を通してそのことを感じている店員や販売関係者の方々は、「冷やかし客」は、「購入客」に変わったり、その他の客の購入を促進したりするための「大切な客」だと考えています。

実は、「冷やかし客」は「サクラパワー」となって、店の「なわばり」を解除して、通行客を引きつける重要な役割を果たしてくれるのです。

そのような「冷かし客」をできるだけ大勢引きつけるためには、「店員空間の狭い(あるいは広い)接触型店」でも説明しましたように、「冷やかし安全信号」を設置することが必要になります。

特に前回まで説明してきました「店員空間の広い引き込み型店」は、店全体の規模が大きいので、「商品空間」や「客空間」への「冷やかし安全信号」の設置が十分に可能になります。

特に通行客の目線に入りやすい場所に、購入するかしないかには関係なく、自由に眺めることができると一目で感じられる「ひやかし安全信号」が設置されている店には、「冷やかし客」が大勢足を踏み入れてきます。

購入することが決まっている客にとっても、「冷やかし客」の存在は決して不快なものではありません。

それだけ店の「なわばり」が解除されて、より買いやすい雰囲気に包まれるからです。

「冷やかし安全信号」が客を引きつけているという観点からも、リアルショップを観察してみてください。

それでは、今回の「客をひきとめる商品空間づくり」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。 

(4)客をひきとめる商品空間づくり

◆ひやかし安全信号が客を落ち着かせる

店全体の中で、最も目立つように作らなければならないのは商品空間です。

店は客の注意が商品空間にうまくひきつけられるように設計されていなければなりません。


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このタイプの店は店全体の空間が広いので、店内の内装にも様々な工夫をすることができます。

時々、商品空間よりも他の部分のほうが目立つような店がありますが、こういう店は客にとってあまり居心地のよいものではありません。

接触型店のところでも述べたとおり、客を店にひきつけておくための工夫として、ひやかし安全信号が必要です。

商品空間の中が商品だけで占められている場合、「商品空間をながめること」=「買うこと」というメッセージが伝わってしまいます。

けれども商品空間に商品以外のものでとても興味をひくものが置いてあるときには「ゆっくりひやかしていってください」どいうメッセージが伝わるので、客はずっと落ち着いて商品空間を見ることができます。

またこのタイプの店では客の滞留時間が長くなるので、その間、客をあきさせないためにも、ひやかし安全信号が必要です。

また、商品空間だけでなく広い客空間を利用して、客が見て楽しめるような装飾をするのもーつのひやかし安全信号です。

これは客が店内にはいってくるのを助けたり、出ていこうとする客を店内にひきとめたりするのに役立ちます。

客がいつも店にいるようなしかけが、売り上げを伸ばすのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

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2022年8月 8日 (月)

39.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術③広い店員空間を生かす店員のスタイル」(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

店員がユニフォームを着る目的はいろいろとありますが、一番目は、一目で店員であることを客に知らせることです。

一目で店員であることを客に知らせることは、店員が「なわばり」主張のアクションをしているか、あるいはしていないかを、直ぐにわかりやすく知らせることにつながります。

ユニフォームを着た店員が、①接客中のアクション②作業中のアクション、つまり「なわばり」解除のアクションを行えば、ユニフォームを着ていない時よりも、より「なわばり」が解除されて、客を引きつけることができます。

反対に、①じっと立つ②早すぎる「いらっしゃいませ!」などのアクション、つまり「なわばり」主張のアクションを行ってしまえば、ユニフォームを着ていない時よりも、より「なわばり」を主張して、客を遠ざけてしまいます。

このように、店員のユニフォームには、店員の士気を高めたり店舗イメージを盛り上げたりなどの大事な目的がありますが、一番重要な目的は、より「なわばり」を解除して、客を引きつけることなのです。

つまり、店員のユニフォームもまた、「なわばり」を解除するために不可欠な小道具なのです。

銀行のカウンター係が、ファッションのカジュアル化を背景にして、一時私服を着用してサービスに当たりましたが、現在では、何種類かのユニフォームを着用してのサービスにに戻ってきています。

個人のファッションセンスに任せた洋服は、個人を主張し過ぎることにつながり、「なわばり」の解除どころか、「なわばり」を主張してしまうがために、改善が進んでいるのです。

「なわばり」の主張あるいは解除という観点から、店員のユニフォームに注目してみてください。

それでは今回の「店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術③広い店員空間を生かす店員のスタイル」をご説明いたします。 

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

39.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術

③広い店員空間を生かす店員のスタイル

引き込み型店の広い店員空間は、大勢の観客をひきつけることのできる舞台です。

そこで、その舞台にあがる店員は、やはりちゃんとした舞台衣裳をつけなくてはなりません。


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このタイプの店で大切なのはやはり集団イメージです。

全員が一定のプログラムで動く店ですから客に対して自分の個性を売り込む必要はないのです。

大切なのは、どの店員もみな同じくらい感じがいいと思われることであって、自分だけの固定客を作るということは全体のバランスを崩してしまうことになります。

大勢の店員が身につけるユニホームは店のイメージづくりに大きな役割を果たします。

そこでその店の個性にあわせた様々なスタイルが考えられますが、このタイプの店では店員の数も多く動きも多いので、どぎつい色はさけておくことが必要になります。

店をつくるときに一番考えておかなければならないことは、客の注意をできるだけ商品にひきつけるということです。

店員のユニホームが派手だとその動きが気になって客の気が散ってしまいます。

一般に特別な催事のときは目立つコスチュームをつけます。

これは店員そのものを店の飾りのように見せるので、かえってなわばりを解除する働きがあるからです。

けれども日常の販売の場合には客をおどかさないようなユニホームを選んでおくべきです。

また、髪型や化粧などもできるだけその店全体の雰囲気にあわせて、一人だけ浮きあがらないように気をつけなければなりません。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

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2022年8月 1日 (月)

38.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術②広い店員空間は舞台である(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店員空間の広い引き込み型店」の典型的な店は、ファーストフードショップやコーヒーショップです。

広い「店員空間」では、客の注文に応じて、素早く作業を行いながら商品を準備することができるように、店員のアクションがプログラム化されています。

したがって、経験の少ないアルバイト店員であっても、作業手順をマスターすることによって、ベテラン店員と同等の接客サービスを提供することができます。

最初は不慣れな若い店員が、2~3週間もすると、笑顔で客の注文を聞き取りながら、素早く振り返って作業を開始し、手際よく精算を行いつつ、商品を準備して丁寧に手渡すことができる店員へと成長していく姿を眺めることも、このような店での客の楽しみの一つです。

まるで、舞台で歌や踊りを演じる役者や歌手のように、無駄がなくて感じが良い店員のアクションは、当然「なわばり」を解除します。

だからこそ、ファーストフードショップやコーヒショップでは、全く抵抗なく休息をとったり出入りしたりすることができるのです。

それでは今回の「店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術②広い店員空間は舞台である」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。 

38.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術

②広い店員空間は舞台である

◆客寄せ踊りのプログラム

広い店員空間を十分に生かした客寄せ踊りを展開しようとする場合、ある程度の演出が必要です。


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何人もの店員がいっせいに動くわけですから、そこに一定のルールがなければ、客寄せ踊りはすぐに停止してしまいます。

実際に客が来て注文をはじめると、そこには当然接客や包装の作業がはいるので問題はないのですが、接客が終わったあと次の客から注文をうけるまでのアクションは止まってしまいがちです。

このことをコントロールしようとするならば、店員のひとりひとりがあらかじめ決められた客寄せ踊りのプログラムを持っていて、その間に客の注文を受けるという方法にしておかなければなりません。

つまり接客が終わったら、プログラムの続きにもどるようにするのです。

こうすれば、客のほうを向いてじっと立っている客追い踊りを防ぐことができます。

たとえば基本のプログラムを「ケースをふく」「商品を整理する」「店の奥へひっこむ」「店の奥から出てくる」「店内を移動する」「ケースをふく(一番はじめにもどる)」というふうに決めておきます。

そして客から声がかかったらこの基本プログラムを中止して接客プログラムにはいります。

接客が終わって客が帰ったら、立ちどまらずに初めのプログラムに帰ります。

上のイラストは接客をはじめてから基本プログラムにもどっていくところを示しています。

このアクションを十人近い店員がそれぞれ実行したら、その店は常に活気ある状況を演じることができるのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


続きは次回に…。

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