35.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術①待っているだけでは客がこない (入りやすい店売れる店1986年版)
こんにちは。
「店員空間が狭い接触型店」は、「戸板一枚の店」を色濃く引き継いだ店であることは誰でもが理解できるところですが、「店員空間が狭い引き込み型店」の店の場合にも、「戸板一枚の店」の性質はそのままに引き継がれています。
したがって、「商品空間」を店内に引き込んだ分だけ「店員空間」が店の奥になるとはいえ、店員が「なわばり」主張のアクションをすれば客は遠ざかり、「なわばり」解除のアクションをすることによって客を引きつけることができるのです。
「店員空間の狭い接触型店」や「店員空間の狭い引き込み型店」で販売をした経験がある人であれば誰でもが、「開店前や閉店前の準備中の時に決まって、客がやって来る」ことを体験しているはずです。
客にとって、開店や閉店の準備中の店が魅力的に感じるのは、間違いなくその店の「なわばり」が解除されているからです。
店員が開店&閉店の様々な作業をすることが、すなわち「なわばり」解除のアクションになっているために、客が引きつけられるのです。
そのことをよく知っている店員(達人店員)は、開店&閉店準備の作業をできるだけゆっくりと長時間行うことによって、あるいはまた、客が途絶えた営業時間中にも、様々な作業を行うことによって、「なわばり」解除の店員のアクションで客を引きつけています。
「戸板一枚の店」の法則が強く働く「店員空間の狭い接触型店」も、「店員空間の狭い引き込み型店」も、ほんの些細なことが、売り上げを左右しているのです。
さて、それでは今回の「店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術①待っているだけでは客がこない」を、お読みください。
なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。
35.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術
①待っているだけでは客がこない
◆客寄せ踊りと客寄せ音頭
このタイプの店の店員空間は、ふつう店の奥のほうにあります。
そこで店員は店の外にいる客からは自分の姿が全然見えず、店にはいってきてはじめて見られるのだと思いがちです。
ところが客のほうは店の近くに来たころから店員の動静に注意しています。
客は店の前を通りながらその店の商品に興味があるかどうか、さらにその店がはいりやすいかどうかを直観的にチェックしているのです。
そこで、引き込み型店の場合でも店員のアクションが大切なのです。
特に店員空間が狭い店は、店全体も小さいことが多いので、店員の姿は外から丸見えです。
それなのに店の入り口を見つめたままじっと立っていたり、たいくつそうにケースにもたれていたりすると、強いなわばり主張をすることになってしまいます。
たとえ店内に一人も客がいなくても(いないときこそ)、作業中のアクションを続けてなわばりを解除しておかなければなりません。
ケースをふく、商品を並べかえる、ショーウインドーをふくなど、仕事は比較的みつけやすいので、それらをつないで店員行動のプログラムを作るとよいでしょう。
このタイプの店で絶対にしてはいけないことは、客空間の真ん中に立って客待ち態勢をとることです。
これでは客が店内にはいるスキがありません。
また客空間にはいるときは特に注意してなんらかの作業をしていることが大切です。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
続きは次回に…。
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