« 2022年6月 | トップページ | 2022年8月 »

2022年7月

2022年7月25日 (月)

37.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術①動きの演出が客を引きつける」(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

客にとっては、「店員空間が狭い引き込み型店」は、「店員空間が狭い接触型店」よりも、入りにくさや近づきにくさを感じさせる店です。


Photo←店員空間が狭い引き込み型店


Photo_2←店員空間が狭い接触型店


「店員空間の狭い接触型店」の場合は、店員が他の客に接客中か作業中の間に、通路から「商品空間」を気楽に眺めることができるため、入りやすく近づきやすい店だということができます。

ところがそれに対して、「店員空間が狭い引き込み型店」の場合は、わざわざ店内の「客空間」に入って、店員の視線を浴びながら「商品空間」を眺めることになるからです。

したがって、買うか買わないかが決まっていない客や冷やかすだけの客は、店内に一歩足を踏み入れることに対して、大変大きな抵抗を感じてしまうのです。


しかし、「店員空間の広い引き込み型店」となると、店のイメージはずいぶんと変わってきます。


Photo_3←店員空間が広い引き込み型店

広い「店員空間」には、あらかじめ様々な作業を組み込んだ販売方法が考えられていたり、作業専任の店員など、大勢の店員を動員したりすることが可能になります。

そのために、広い「店員空間」は常に「なわばり」解除の店員のアクションが生じて、「商品空間」は非常に冷やかしやすい空間となります。

冷やかしやすい「商品空間」は、「客空間」にサクラパワーを生み出すので、非常に入りやすい店となります。

1980年代、まだまだ元気が良かった百貨店や駅ビルなどには、「店員空間の広い引き込み型店」が次々と登場し、大勢の客を引きつけました。

それでは今回の「店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術①動きの演出が客を引きつける」をご説明いたします。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。  

37.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術

①動きの演出が客をひきつける

◆客寄せ踊りと客寄せ音頭

店のタイプの中で、店員のアクションが最も劇的な感動を与えるのが、この店員空間が広い引き込み型店です。

62

このタイプの店の店員空間には多くの店員がはいれます。

一人の店員が踊る客寄せ踊りよりも五人の客寄せ踊りのほうが、さらには十人の客寄せ踊りのほうが、いっそう強いパワーを発揮します。

店員全員の目まぐるしいアクションと「ありがとうございました」、「お待たせいたしております」という店員のかけ声は、近くに来た客をひきつける、強いエネルギーを発散します。

こうした状態の店には、ほとんど切れ目なく客がはいってきます。

そして客が十分に待てる客空間があるので、店内には長時間にわたって大勢の客がいることになります。

この客の姿は、店の外の客にとってはその店が安全で快適でしかも人気があるという信号としてうけとられます。

そこでその姿にひかれた客がさらに店内にはいってきます。

このようにして店内では客が客を呼ぶサクラ現象がおこり、ちょっとしたパニック状態の中でものが売れていきます。

このような優れた構造の店でも店員がケースの前にずらりと並んで動かなかったり(客追い踊り)、客がはいってくるやいなや「いらっしゃいませ!」と声をかけ続ければ(客追い音頭)、客数はかなりへってしまいます。

全員の店員が一体となって生きているように動くことが大切なのです。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

続きは次回に…。

| | コメント (0)

2022年7月18日 (月)

36.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術②早すぎる接客アプローチは失敗のもと」(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「戸板一枚の店」から、現在の店へと発展してきたのが、リアルショップの経緯です。

そして、「戸板一枚の店」の構造は、戸板一枚が「商品空間」、戸板一枚(商品空間)の向こう側が「店員空間」、手前の通路側が「客空間」になります。

デパ地下などに多く見られる「店員空間の狭い接触型店」は、ほとんどが「戸板一枚の店」と同じ構造の店となります。


Photo_9

さて、「商品空間」を店内に引き込んで、「商品空間」の前に「客空間」をつくり、後ろに狭い「店員空間」を作った店が「店員空間の狭い引き込み型店」です。(下図)

 Photo_10

店は店員の「なわばり」なので、できるだけ「なわばり」主張のアクションは控えることが大切になります。

「店員空間の狭い接触型店」の場合は、狭い「店員空間」で店員がじっと立って客を待つと、「なわばり」主張のアクションとなって客を遠ざけることを、大抵の店員が実感することができます。

ところが、「店員空間の狭い引き込み型店」の場合は、店員はなかなかそのことを実感することができません。

なぜならば、「店員空間の狭い接触型店」の場合は、店員の位置から通行客の様子がよくわかりますが、「店員空間の狭い引き込み型店」の場合は、店の奥にいる店員からは通行客の様子がよくわからないからです。

そのために、一歩でも「客空間」に入って来た客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声をかけて接客を開始してしまうことになります。

それは、客は購入するために「客空間」に入って来たのだと錯覚しやすいからです。

冷静に考えれば、ほとんどの客は、店内に入って来ても、商品を眺めなければ買うか買わないかが決まらないということがわかるはずですが、店の奥の狭い「店員空間」で待機していると、ついつい、やって来た客は直ぐに購入するのだと思いやすくなってしまうのです。

通行客が多い通路(道路)に面した店ほど高い売り上げを上げることができますが、通行客が多い分だけ、買わない客が大勢店内に入って来ることになります。

「店員空間の狭い引き込み型店」の店員は、大勢の冷かし客(買う気がない客)の中からできるだけ多くの購入客を生み出すことと併せて、いかにして多くのお客様の再来店を促すかという役割を担っています。

それには、狭い「店員空間」で、何とかして「なわばり」解除のアクションをやり続けることが必要になります。

意外にも、「店員空間の狭い引き込み型店」とは、非常に高度な店員のアクション(接客)が求められる店舗構造の店だったのです。

さて、以上のことを考慮して、「店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術②早すぎる接客アプローチは失敗のもと」を、お読みください。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

36.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術 
②早すぎる接客アプローチは失敗のもと

◆客追い踊りと客追い音頭


P41


「店内にお客さんが足を踏みいれたその瞬間をねらって声をかけたのに、お客さんは店内にはいってこなかった。

声のかけかたが中途半端だったのだろうか。

もっと熱心にすすめたら、買い物をしてくれたかもしれないのに、残念なことをしてしまった」

ヤル気があるにもかかわらず、思うように売り上げを伸ばすことのできない店員の多くが、こんなふうに思った経験を持っています。

店員が失敗をくり返す大きな理由に、客の行動をまったく誤解していることがあげられます。

引き込み型店の場合、ついつい「店内にはいってきた」=「買う」というふうに考えがちですが、客のほうにしてみれば商品を見てもいないうちから買う決心がつくわけではありません。

客はしばらくの間、誰にもじゃまされずに商品が見たいのです。

そして気にいらなければそのまま出ていきたいのです。

店内にある客空間はいわば店員のなわばりですから、客はびくびくしながら中にはいってきます。

そこへすかさず声がかかると、それは強いなわばり主張の合図として客にうけとられます。

そこで客はその主張に反応して店を出てしまうのです。

客が店内にはいってきても、店員は平然とアクションを続けていればいいのです。

客がしばらく店内を見ていたにもかかわらず何も買わずに行ってしまっても、それは店員のせいではありません。

気にいらない商品を強引に買わせる接客技術など存在しないのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)  

続きは次回に…。

| | コメント (0)

2022年7月11日 (月)

35.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術①待っているだけでは客がこない (入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店員空間が狭い接触型店」は、「戸板一枚の店」を色濃く引き継いだ店であることは誰でもが理解できるところですが、「店員空間が狭い引き込み型店」の店の場合にも、「戸板一枚の店」の性質はそのままに引き継がれています。

したがって、「商品空間」を店内に引き込んだ分だけ「店員空間」が店の奥になるとはいえ、店員が「なわばり」主張のアクションをすれば客は遠ざかり、「なわばり」解除のアクションをすることによって客を引きつけることができるのです。

「店員空間の狭い接触型店」や「店員空間の狭い引き込み型店」で販売をした経験がある人であれば誰でもが、「開店前や閉店前の準備中の時に決まって、客がやって来る」ことを体験しているはずです。

客にとって、開店や閉店の準備中の店が魅力的に感じるのは、間違いなくその店の「なわばり」が解除されているからです。

店員が開店&閉店の様々な作業をすることが、すなわち「なわばり」解除のアクションになっているために、客が引きつけられるのです。

そのことをよく知っている店員(達人店員)は、開店&閉店準備の作業をできるだけゆっくりと長時間行うことによって、あるいはまた、客が途絶えた営業時間中にも、様々な作業を行うことによって、「なわばり」解除の店員のアクションで客を引きつけています。

「戸板一枚の店」の法則が強く働く「店員空間の狭い接触型店」も、「店員空間の狭い引き込み型店」も、ほんの些細なことが、売り上げを左右しているのです。

さて、それでは今回の「店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術①待っているだけでは客がこない」を、お読みください。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

35.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術 

①待っているだけでは客がこない 

◆客寄せ踊りと客寄せ音頭 

60

このタイプの店の店員空間は、ふつう店の奥のほうにあります。

そこで店員は店の外にいる客からは自分の姿が全然見えず、店にはいってきてはじめて見られるのだと思いがちです。

ところが客のほうは店の近くに来たころから店員の動静に注意しています。

客は店の前を通りながらその店の商品に興味があるかどうか、さらにその店がはいりやすいかどうかを直観的にチェックしているのです。

そこで、引き込み型店の場合でも店員のアクションが大切なのです。

特に店員空間が狭い店は、店全体も小さいことが多いので、店員の姿は外から丸見えです。

それなのに店の入り口を見つめたままじっと立っていたり、たいくつそうにケースにもたれていたりすると、強いなわばり主張をすることになってしまいます。

たとえ店内に一人も客がいなくても(いないときこそ)、作業中のアクションを続けてなわばりを解除しておかなければなりません。

ケースをふく、商品を並べかえる、ショーウインドーをふくなど、仕事は比較的みつけやすいので、それらをつないで店員行動のプログラムを作るとよいでしょう。

このタイプの店で絶対にしてはいけないことは、客空間の真ん中に立って客待ち態勢をとることです。

これでは客が店内にはいるスキがありません。

また客空間にはいるときは特に注意してなんらかの作業をしていることが大切です。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

| | コメント (0)

2022年7月 4日 (月)

34.こういう店が引き込み型店②店員空間が広い場合(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店」は店員の「なわばり」です。

したがって、どのような商品を販売する店であっても、店員空間が「広いか狭いか」あるいは、店員空間が「あるかないか」によって、繁盛店になるか衰退店になるかが大きく左右されてしまいます。

ところが、販売関係者が誰も、「店」は店員の「なわばり」であるということに、気づけなかった場合には、店員空間の失敗によって、当初から大きな苦戦を強いられることになってしまいます。

かつて競争の少ない店で、新製品が飛ぶように売れていった現実が、いっそう「店」が店員の「なわばり」であるということを、分かりにくくさせてきたのです。

同じ商品を、ほとんど同じような立地と規模の店で販売するにもかかわらず、著しい業績差が生じてしまう原因は、店員空間のつくり方にこそ最大の要因があったのです。

したがって、前回までに説明してきましたように、「店員空間が狭い接触型店」よりも、「店員空間が広い接触型店」の方が、「なわばり」解除の店員のアクションが生じやすいために、はるかに有利なのです。

次いで、「店員空間が狭い引き込み型店」よりも「店員空間が広い引き込み型店」の方がやはり有利なのです。

それでは、今回の「こういう店が引き込み型店②店員空間の広い場合」を、お読みください。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。 

34.こういう店が引き込み型店 ②店員空間が広い場合

店員空間が広い引き込み型店の例は、路面店の中に見ることができます。

このタイプはふつう、店全体が広くないと作ることがむずかしいので、百貨店や駅ビルの中にはあまりありません。

この店は純粋に贈答品や高級品を売るための店です。

そのために、店員空間だけではなく、客空間も商品空間も広くつくられているために、通行客は店の構造全体から一目で、この店が贈答品の店(高級品の店)であることが分かります。

このことは、この店の大きな長所となっていますが、店員が接客対応の仕方を取り違えると逆に短所となってしまう危険性も持ち合わせています。

Photo_3_20220702134001

このタイプの店はふつう客空間も広くとってあるので、店員が客のじゃまをしなければ客はゆっくり時間をかけて商品をながめたり選んだりすることができます。

客にとって気になる店員の行動は広い店員空間によってかなり緩和されるので、非常に有利です。

このタイプの店の課題は、店内をひやかしたあと何も買わずに帰ってもだいじょうぶだというオープンなイメージを打ち出して、店内にはいってくる客の数を増やすことです。

そのことが店内ににぎわいを演出し、買おうとする客の気持ちを高めます。

銘柄は決定していなくとも贈答品を買うことは決まっているといった状態の客ならば、「人気のある」商品に対して気持ちが動きます。

ごくまれに、百貨店の中にこのタイプの店が出現することがあります。

その場合には扱い商品が似ていても店のタイプが全く違う他店(たいていは接触型店)に比べて、はるかに買いやすいこの店に客が集中します。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

| | コメント (0)

« 2022年6月 | トップページ | 2022年8月 »