27.店員空間が狭い場合のアクション術③店員の動きが客を呼ぶ(入りやすい店売れる店1986年版)
こんにちは。
コロナ禍とはいえ、大勢の客で賑わう「デパ地下」のほとんどの店は、現在でも「店」の原型とも言える「店員空間が狭い接触型店」で構成されています。
ネットショップが普及して、買い物と言えば「ネットショップで気軽に」という現在にもかかわらず、「デパ地下」に大勢の客が引きつけられる要因は、実は「デパ地下」全体が昔ながらの店舗構造と販売方法を採用した、「店員空間が狭い接触型店」で構成されているためです。
それでは、なぜ人は「デパ地下」の店が好きなのでしょうか?
なぜ人は、「デパ地下」の店に無意識にひきつけられるのでしょうか?
このことを少しでも多くの方々に知って頂くことを期待しつつ、このブログを続けています…。
さて今回は、「店員空間が狭い場合のアクション術(その3) 店員の動きが客を呼ぶ」というお話です。
なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。
27.店員空間が狭い場合のアクション術(その3) 店員の動きが客を呼ぶ
◆客寄せ踊りと客寄せ音頭
店員のなわばりをできるだけ小さくすること、これが店員が果たすべき役割なのです。
そのためには店員が動くことが大切です。
店員が何かの仕事をしているというアクションは「店員が客以外のものに気をとられているので、商品に近づいても安全である」というメッセージを伝えます。
それではここで「売れる店員」の行動を観察してみましょう。
彼らの動きを見たら一般の人は「ヤル気」がないのではないかと思うはずです。
客が近よってきてもちっとも「いらっしゃいませ」といわないし、それどころかあまり客のほうを見ようともせず、ケースをふいたり、商品を並べかえたり、伝票の整理をしたりという仕事をしています。
他の店員からただよってくる「売ってやろう!」という気配が、この人からは全然感じられないのです。
もちろん、注文を受ければキビキビと対応し、笑顔を見せて接客しています。
「売れる店員」がしている、客をひきつける店員のアクションを「客寄せ踊り」といいます。
またこの店員が接客中の客にかける声を「客寄せ音頭」といいます。
客寄せ踊りや客寄せ音頭は店員のなわばりを解除し、客が商品に近づくチャンスを増やします。
ところで「売れる店員」を見ていると、驚くべきことに気がつきます。
この店員の仕事は一日中「決して終わらない」のです。
つまりこの人は、本当にしなければならない作業が終わってしまった後でも、なんらかのアクションを続けることによって客をひきつけることを知っているのです。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
続きは次回に…。
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