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2022年5月

2022年5月30日 (月)

30.店員空間が広い場合のアクション術②みんなで動けば活気が溢れる(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店員空間が狭い接触型店」の店員のアクション術に引き続き、「店員空間が広い接触型店」のアクション術についてご説明しています。

「店員空間の広い接触型店」とは下のような構造の店のことです。

Photo

この店舗構造が生み出す、「客を遠ざける店員のアクション」については前回にご説明しましたが、今回は「客を引きつける店員のアクション」をご説明します。

「店員空間の広い接触型店」で、多くの店員が「なわばり」解除のアクションを行うと、より強力な「なわばり」解除の店員のアクションとなって、大勢の客を引きつけます。

それでは今回の、「店員空間が広い場合のアクション術②みんなで動けば活気が溢れる」をお読みください。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

30.店員空間が広い場合のアクション術②みんなで動けば活気が溢れる

◆客寄せ踊りと客寄せ音頭

せっかくの広い店員空間を利用しないという方法はありません。

数人の店員が「仕事中」のアクションをすれば店員のなわばりは解除され、そのアクションが多くの客をひきつけます。

店員が忙しそうに働いている店には活気があります。

活気があって店員がよく働いている店と、活気がなくてまるで死んだような店を比較して考えると、どちらに魅力があるかは明らかです。

客をひきつけるアクションのポイントは、たとえ客が一人もいないときでも(むしろいないときこそ)、全員が元気よく動き続けるということです。

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そんなときに店頭のほうをむいてじっと立ち止まっていては、近づくはずの客まで追い払うことになってしまいます。

アクションを続けている限り、ある程度の通行量さえあれば必ず客がつきます。

客がつけば注文された店員は本物の接客アクションをすることができます。

客が店頭に立ち止まってもあせって声をかける必要はありません。

客のほうから声をかけてきたときに、すみやかに対応すればいいのです。

店頭の客数がふえてきたら、アクションはますますキビキビするようにします。

店員が一生懸命に働いている様子がわかれば、客は怒らずに待っています。

こうした一連の客を呼ぶアクションを「客寄せ踊り」といいます。

また、接客終了時の「ありがとうございました」という店員の声につなげて、全員が口々に「ありがとうございました」と言ったり、店長などの音頭に従って、時々、「いらっしゃいませ」、「お待たせいたしております」といったかけ声をかけることも、店内の活気を盛りあげるのに役立ちます。

このように客をひきつける店員の声を「客寄せ音頭」といいます。

◇個性よりも集団イメージが大切

こういうタイプの店では、店員の個性はなんの役にもたちません。

大切なのは全員がきちんと同じユニホームをつけて、まるで全体が一つの生きもののように動くことです。

一人だけ目立つような突飛なスタイルは全体の調和をこわして浮いてしまうだけですから、やめておかなければなりません。

ユニホームは店の雰囲気を盛りあげるうえで非常に大きな役割を果たすので、慎重に選ばなければなりません。

店員の存在そのものがあまり気にならないような、落ち着いたユニホームを選ぶことが効果的です。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2022年5月23日 (月)

29.店員空間が広い場合のアクション術①店員が並んでいては客がこない(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

百貨店の食品フロア(デパ地下)は、現在でもほとんどが「店員空間の狭い接触型店」で構成されていますが、ごく限られた店だけは「店員空間の広い接触型店」になっていることにお気づきでしょうか?


Photo_3※店員空間の広い接触型店

「店員空間の広い接触型店」であっても、店員のアクション次第では、客を遠ざけてしまいます。

東京の百貨店に「店員空間の広い接触型店」が初めて登場したのは、1983年に池袋の西武百貨店に出店した「叶庄寿庵」の店でした。
「叶庄寿庵」は、その10年前に大阪の「阪急百貨店うめだ本店」に出店すると同時に爆発的な売り上げを上げて大変な人気になっていました。

「店員空間の広い接触型店」は、「店員空間の狭い接触型店」よりも、「なわばり」解除の店員のアクションが生じやすい分、大変有利な店舗構造ですが、上のイラストのように店員が間違ったアクションを行うと、やはり客を遠ざけてしまいます。

さて今回は、「店員空間が広い場合のアクション術①店員が並んでいては客がこない」のご説明です。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。 

29.店員空間が広い場合のアクション術

①店員が並んでいては客がこない

店員空間が広い店は、店員空間が狭い店に比べてはるかに有利な環境を持っています。

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店員空間が広ければ店員は商品から離れたところに立っていられるので、たとえアクションが下手でもあまり気になりません。

客は店員を意識せずに商品を見ることができます。

ところがこんなに有利な店員空間も、使い方をまちがえると最悪の結果を招くことになります。

たとえば数人の店員が商品のうしろにズラリと並んで客待ち態勢をとったとすると、その店員のなわばり主張の強さは大変なものです。

そのうえ積極的なアプローチをかけてきたとしたら、気の弱い客はとても立ち止まれません。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。 

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2022年5月16日 (月)

28.店員空間が狭い場合のアクション術④そ知らぬふりが成功の秘訣(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

「店員空間が狭い接触型店のアクション術」として、三回に渡って①店員がじっと立っていると客を遠ざける②積極的なアプローチは客を遠ざける③店員の動きが客を呼ぶ

以上についてご説明してきました。

なお、「店員空間が狭い接触型店」とは次のイラストのような構造をした店のことです。

Photo_20220513124501
さて今回は、「店員空間が狭い場合のアクション術(その4) そしらぬふりが成功の秘訣」というご説明です。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください

28.店員空間が狭い場合のアクション術④そしらぬふりが成功の秘訣

一人も客がいないときこそ、店員は「仕事中」のアクションを続けなければなりません。

そうしているとやがて客が商品にひきつけられてやってきます。

「来た来た、お客さんがやって来たぞ!」

このとき思わず客の方を見たくなるのは、ごく自然な反応です。

けれども「売れる店員」になろうと思ったらここはぐっと我慢しなければなりません。53

なぜなら客はびっくりするほど店員の動きに敏感で、ちょっとでも売る気を見せるとすぐに逃げていってしまうからです。

特に「まだ買うかどうかはわからないけれど、興味があるからもう少し見ていたい」という段階の客はなおさら、店員と目があっただけで、スーツといなくなってしまいます。

こういう人たちは店員に「商品に興味があることを見抜かれた」だけでも自分の安全をおぴやかされたように感じるのです。

「売れる店員」はそしらぬふりをしてタイミングをはかるのがとても上手です。

そして一度客から声をかけられたら、キビキビと対応するので客に怒られることも少ないのです。

このように、「売れる店員」たちは、明らかに客をひきつける方法を知っています。

ところが従来いわれてきた販売方法のほとんどが非常に論理的なものだったために、このような感覚的な方法は受けいれられませんでした。

また、客をひきつける方法を知っていた店員のほうも「そしらぬふりをする」などという失礼なことが売れるノウハウになるということに確信がもてなかったのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

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2022年5月 9日 (月)

27.店員空間が狭い場合のアクション術③店員の動きが客を呼ぶ(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

コロナ禍とはいえ、大勢の客で賑わう「デパ地下」のほとんどの店は、現在でも「店」の原型とも言える「店員空間が狭い接触型店」で構成されています。

ネットショップが普及して、買い物と言えば「ネットショップで気軽に」という現在にもかかわらず、「デパ地下」に大勢の客が引きつけられる要因は、実は「デパ地下」全体が昔ながらの店舗構造と販売方法を採用した、「店員空間が狭い接触型店」で構成されているためです。

それでは、なぜ人は「デパ地下」の店が好きなのでしょうか?

なぜ人は、「デパ地下」の店に無意識にひきつけられるのでしょうか?

このことを少しでも多くの方々に知って頂くことを期待しつつ、このブログを続けています…。

さて今回は、「店員空間が狭い場合のアクション術(その3) 店員の動きが客を呼ぶ」というお話です。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

27.店員空間が狭い場合のアクション術(その3) 店員の動きが客を呼ぶ 

◆客寄せ踊りと客寄せ音頭 

店員のなわばりをできるだけ小さくすること、これが店員が果たすべき役割なのです。

そのためには店員が動くことが大切です。

店員が何かの仕事をしているというアクションは「店員が客以外のものに気をとられているので、商品に近づいても安全である」というメッセージを伝えます。

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それではここで「売れる店員」の行動を観察してみましょう。

彼らの動きを見たら一般の人は「ヤル気」がないのではないかと思うはずです。

客が近よってきてもちっとも「いらっしゃいませ」といわないし、それどころかあまり客のほうを見ようともせず、ケースをふいたり、商品を並べかえたり、伝票の整理をしたりという仕事をしています。

他の店員からただよってくる「売ってやろう!」という気配が、この人からは全然感じられないのです。

もちろん、注文を受ければキビキビと対応し、笑顔を見せて接客しています。

「売れる店員」がしている、客をひきつける店員のアクションを「客寄せ踊り」といいます。

またこの店員が接客中の客にかける声を「客寄せ音頭」といいます。

客寄せ踊りや客寄せ音頭は店員のなわばりを解除し、客が商品に近づくチャンスを増やします。

ところで「売れる店員」を見ていると、驚くべきことに気がつきます。

この店員の仕事は一日中「決して終わらない」のです。

つまりこの人は、本当にしなければならない作業が終わってしまった後でも、なんらかのアクションを続けることによって客をひきつけることを知っているのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです) 

続きは次回に…。

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2022年5月 2日 (月)

26.店員空間が狭い場合のアクション術(その2)(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

約35年前の1986年に、拙著「入りやすい店売れる店」(日本経済新聞社)で、「いらっしゃいませ!は客を遠ざける店員のアクション」だということをご報告をして、全国の様々な多くの販売関係者の方々から、大きな反響を頂く結果となりました。

「いらっしゃいませ!」を言うとなぜ客が遠ざかるのか?

客が来たのになぜ「いらっしゃいませ!」と言ってはいけないのか?

以上の二つが、一番多く関心を持たれたテーマでした。

その二つの疑問に対する答えは、買わないで冷やかすだけの客や、買うか買わないかが決まっていない客にとっては、早過ぎる「いらっしゃいませ!」は、「なわばり」を主張する店員のアクションになり、客が店から遠ざかってしまうから、というものでした。

このことは、当時の販売関係者の皆様には、大変新鮮な報告として受け入れられました。

しかし、スーパーマーケットが日本の各地に普及し、コンビニエンスストアがその後を追いかけるようにして普及してきたことによって、「いらっしゃいませ!は客を遠ざける店員のアクション」だという考え方は、急速に忘れられていきました。

なぜならば、スーパーやコンビニは「セルフサービス方式」であるため、「いらっしゃいませ!」を言っても客を遠ざけない店だったからです。

それに加えて、ネットショップの時代を迎え、いよいよ、「いらっしゃいませ!は客を遠ざける店員のアクション」だという考え方は、埋もれて行ってしまったのです。

ところが、電車や地下鉄などの交通機関の改札口の内外の移動空間(駅ナカ、駅ソト、駅チカ)に新しい商業集積が登場してくるにつれて、再び、「いらっしゃいませ!」は、客を遠ざける店員のアクションであることが、やや注目されたことも事実でした。

なぜならば、大勢の見知らぬ人が行き交う移動空間に登場してきた店の大部分は、「セルフサービス方式」ではない店の構造と接客方法の店だったからです。

しかし、誰もが想像さえしなかった世界的なコロナ禍と、急速に進化を繰り返す「スマホ」のますますの普及によって、いよいよ「店」と言えば「ネットショップ」というイメージが定着化しつつある現在、「店」(リアルショップ)本来の役割や機能が見失われてゆこうとしています。

さて今回は、「店員空間が狭い場合のアクション術(その2) ②積極的なアプローチは 客を追い払う」というお話です。

なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。

26.店員空間が狭い場合のアクション術(その2)

  ②積極的なアプローチは 客を追い払う 

◆客追い踊りと客追い音頭

 このような狭い店で、特にしてはならないことは積極的なアプローチです。

普通、熱心でヤル気のある店員ほど「こんなに狭い店で売り上げを伸ばそうとするなら、とにかく積極的に売るしかない」と考えがちです。

けれども、それこそこんなに狭い店で、店員がなわばりを広げたら、客がよってくるスキがありません。


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まだその商品を買うかどうか決めていない客はたいへんに憶病で店員の様子に非常に敏感です。

そのため客がまだ商品をひやかしている間に強いアプローチを受けると、さっさとよその店に行ってしまいます。

このようなアプローチをかける店員のアクションや店内を占領している様子を「客追い踊り」といいます。

さらにこのときに客にかける「いらっしゃいませ」、「何をお探しですか」等の声を「客追い音頭」といいます。

客にとっても感じが悪く、売り上げにも悪影響を及ぼすにもかかわらず、どうしてこの積極的アプローチが影をひそめないのでしょうか。

考えられる理由の第一は、そうして声をかけると中には買う人がいるということでしょう。

客はすでに何かを買おうと決心しているときには店員のアプローチにもたじろぎません。

あるいは一人の客にアプローチをしているすきに他の客が注文することもあるからです。

第二の理由はおそらくモラル上の問題でしょう。

客が近くに寄って来ているのに、店員があいさつもしないのは失礼だという考え方が、今日の店員教育の中にも根強く残っているのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


続きは次回に…。

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