21.店にはタイプがある ①店を構成する三つの空間(入りやすい店売れる店1986年版)
こんにちは。
このブログでは、通行量の多い道路に、商品を並べた「戸板」を一枚置いて、その後ろに売り手が座ることによって生まれた「店」(戸板一枚の店・といたいちまいのみせ)が、店の構造の基本形だと考えています。
戸板が「商品空間」、その後ろに座った売り手の空間を「店員空間」、「商品空間」の前の通路上の空間を「客空間」とすると、「店」は「商品空間」、「店員空間」、「客空間」の三空間で構成されています。
この単純な基本形が、規模が大きくなるにつれ、複雑な構造に見えていますが、どんな店も結局、「商品空間」と「店員空間」と「客空間」の三つの空間で出来上がっているのです。
遠い昔に、境界をつなぐ街道に生まれた「店」は、時を経て、商店街や百貨店や専門店や大型店やショッピングセンターや駅ナカ・駅ソト・駅チカショップなどと呼ばれ、その姿を全く変化させてしまったかに見えますが、実は、「戸板一枚の店」としての性質と、構造の基本形をそのまま継承し続けているのです。
だからこそ、現在の繁盛店あるいは衰退店は全て、繁盛した「戸板一枚の店」と、衰退した「戸板一枚の店」の要因で解説することができるのです。
なお、このシリーズは約35年前の書籍の抜粋であるということを改めて念頭に入れて頂いた上で、どうぞお読みください。
21.第2章店のタイプ別アクション術
1 店にはタイプがある
①店を構成する三つの空間
店には実に様々な種類があるように見えます。
業種は数多くありますし、業種が同じでも扱い商品が違ったり、立地や店の大きさやつくりが違ったりすると、その組み合わせは複雑でなかなかうまい分類ができませんでした。
そのため売れる店はなぜ売れるのか、売れない店はなぜ売れないのかという問題がいつもあいまいなまま残されてきたのです。
店というものは一見どんなに複雑な形をしていようと、必ず次の三つの空間から成り立っています。
◆商品空間
商品が陳列されている場所のことです。
ケースあり平台あり棚あり、その形は様々です。
◆店員空間
店員が接客したり作業をするときに使う場所のことです。
店によって店員空間と客空間がはっきり区別されている場合と、店員空間と客空間が重なっている場合があります。
◆客空間
客が商品を眺めたり、買い物をしたりする場所のことです。
店によって店内に客空間がある場合と、店外にある場合と、店内外にある場合があります。
これらの三つの空間がどのようにレイアウトされているかを見ることによって、商品や売り方や店の大きき等が様々に違ったすべての店を、単純に四つのタイプの店に分類することができます。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
続きは次回に…。
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