こんにちは。
このシリーズは、コロナ禍を背景にして、「店」(リアルショップ)の本来の性質や役割が見失われてゆこうとしている現在、敢えて約35年前の拙著「入りやすい店売れる店」(日本経済新聞社)を抜粋してお届けしています。
私たちは10個のコミュニケーション信号使って、様々な人間関係のコミュニケーションを行っています。
①動作信号 ②表情信号 ③視線信号 ④空間利用信号 ⑤話し言葉信号
⑥音声信号 ⑦接触信号 ⑧におい信号 ⑨性別年齢信号 ⑩容姿信号
そして、②表情信号は、話し言葉と共に相手に多くの情報を伝える大変重要な信号です。
そのことは、誰でもがよくわかっていることなのですが、自分自身が話をする時には、ついついおろそかになってしまいます。
なぜならば、話をする相手の表情は良く見えますが、相手に対する自分の表情は全く見えないために、いったい自分のどのような表情がどのような情報を発信しているかがわかりにくいからです。
スターや歌手やTVタレントではない、多くの一般人にとっては、自分の表情を鏡に映してトレーニングすることには大きな抵抗があると思いますが、やはり表情をトレーニングすることはとても大切なのです。
微笑んだり、にっこりしたり、大きく笑ったりした時の自分の表情を鏡で確認し、様々な表情を意識的に使ったりコントロールできるようにしておくことが、コミュニケーションを成功させるためには不可欠となります。
もしもあなたが、近々大勢の人の前で話をする機会があるとしたら、話をする前にゆっくりと全体を見渡しながら、にっこりと笑ってから、挨拶のお辞儀をしてみてください。
そうすれば、自分自身が想像するよりもはるかに大きな「リラックスのメッセージ」を、全員に与えることができます。
そして今後、あなたの身近で、ちょっとした話であっても、にっこりとしてから話をする人を見つけてください。
そうすれば、その人の「表情」が、いかにその後のコミュニケーションを成功させたかがおわかりいただけると思います。
さて今回は、「コミュニケーションにおける②表情信号とは?」というお話です。
どうかこのシリーズは、約35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みください。
(12)コミュニケーションにおける②表情信号とは?
動作とともに変化する身体信号の中でも、大きな役割をはたしているのが表情信号です。
にこにこした顔、ぶすっとした顔、イライラした顔、熱心な顔などいろいろな顔がありますが、どの顔も言葉以上に強力なメッセージを相手に伝えます。

たとえ口で「どうもありがとうございました」という言葉をしゃべっても、苦虫をかみつぶしたような表情をしていたとしたら、せっかくの言葉がまったくのウソになってしまいます。
客は店員の表情にたいへん敏感です。
注文をする時も「あの店員は感じがよさそうだ」とか「感じが悪いから別の人から買いたい」などと思っています。
店員の表情は見られているのです。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
続きは次回に…。
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