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2022年1月

2022年1月17日 (月)

11.矢状面(前後)の動作とは?(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

前回に引き続いて、10個のコミュニケーション信号の内の①動作信号について詳しく説明しています。

①動作信号は、

(1)水平面の動作(※回転の動き)

(2)垂直面の動作(※上下の動き)

(3)矢状面の動作(※前後の動き)

以上の三つの動作に分類され、(1)水平面の動作と(2)垂直面の動作については前回と前々回でご説明しました。

今回は残り一つの(3)矢状面の動作(前後の動き)についてご説明します。

そして、(3)矢状面の動作(前後の動き)には、

(A)前進・加速の動作(※突進の動き)

(B)前進・減速の動作(※接近の動き)

(C)後退・加速の動作(※機敏の動き)

(D)後退・減速の動作(※退避の動き)

の四つの動作があります。(※後に改名しました)

さて、今回は、「(2)矢状面(前後)の動作の(A)~(D)」について詳しくご説明いたします。

どうかこのシリーズは、約35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みください。

11.矢上面(前後)の動作とは?

今、立ったまま、身体を前のほうへどんどん傾けていくとします。

すると、やがて、これ以上傾くと前へばったりと倒れてしまうという限界に到達します。

こんどは逆に、身体を後ろのほうに傾けていくと、やはりこれ以上いくと後ろにばったり倒れてしまうという限界に達するでしょう。

この最も前傾した状態から、最も後傾した状態までの間の動きの変化を「矢状面」の動作(前後の動き)といいます。

この時、前に出る動作を「前進」、後ろにさがる動作を「後退」と呼びます。

ところで、この「前進」と「後退」の動作は、それぞれが相性のいいもうーつの動作と結びついた時はじめて、自然でよく意味のわかる動作になります。

もしもまちがった相手と結びつくと、その動作は不自然で、よく意味がわからなくなってしまいます。

矢状面の動作(前後の動き)が結びつくべき相手は「減速」と「加速」です。 

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(A)前進・減速の動作(図9)

「前進」の動作は、速度をゆるめる「減速」の動作と結びついた時に最も自然に見えます。

図9の店員(右側の女性)は客(左側の男性) のサイズを測るために、客のほうに近づいていくところです。

彼女は客を驚かせないようにゆっくりと前進しています。

その動作はごく自然で落ち着いて見えます。

客のほうも、店員がなんのために近づいてくるのかがよくわかっているので、安心して店員を待っています。

(B)前進・加速の動作(図10)

図10は「前進」の動作の失敗例です。

この店員(左側の女性)もまた、客(右側の男性)のサイズを測ろうとしてやってきたのです。

ところがその時、客の方に「前進」しながら思わず「加速」してしまいました。

客は店員が突然目の前にすごい勢いで飛びだしてきたので驚いています。

客は、店員が自分に向かって突進してくる理由がよく理解できないので「この店員はまだ接客に慣れていないために一大決心をかためて近づいてきたのだろうか」、あるいは「強引に商品を売りつけるつもりなのだろうか」と不安を感じています。


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(C)後退・加速の動作(図11)

「後退」の動作は、速度を速める「加速」の動作と結びついた時に最も自然に見えます。

図11の店員(右側の男性)は客(左側の女性)に注文された商品を探そうとしています。

彼は注文をうけるとすぐに、きっと後ろにさがって商品のほうへ行きました。

その動作はキビキビとしていて、いかにも商品を探すための準備という感じがしたので、客は期待して店員を待っています。

(D)後退・減速の動作(図12)

「後退」の動作が「減速」と結びつくと、どうしても敗北とか逃げ出すというイメージになります。

図12の客(左側の女性)には、自分の注文を受けた店員(右側の男性)がじりじりと後ずさりをする理由が理解できません。

「何か悪いことを頼んだのではないか」と不信に思っています。

このように、前後面の動きと速度との間には密接な関係があります。

「前進・減速」すれば落ち着いていて熱心な感じがし、「前進・加速」すればおっちょこちょいに、「後退・加速」すればキビキビと、「後退・減速」すれば憶病に感じられるのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2022年1月10日 (月)

10.垂直面の動作とは?(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

10個のコミュニケーション信号の内の①動作信号について詳しく説明しています。

①動作信号は、

(1)水平面の動作(※回転の動き)

(2)垂直面の動作(※上下の動き)

(3)矢状面の動作(※前後の動き)

の三つの動作に分類され、(1)水平面の動作については前回ご説明しました。

今回は(2)垂直面の動作についてご説明します。

(2)垂直面の動作には、

(A)上昇・加圧の動作(※独断の動き)

(B)上昇・減圧の動作(※協調の動き)

(C)下降・加圧の動作(※攻撃の動き)

(D)下降・減圧の動作(※虚脱の動き)

の四つの動作があります。(※は後に改名しました)

さて、今日は、「(2)垂直面の動作の(A)~(D)」について詳しくご説明いたします。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。

10.垂直面の動作とは?

今、両手を上に向かってどんどんあげていくとします。

すると、ぐーんと思いっきり背のぴをした状態になり、やがてもうこれ以上は上にあがれないという限界に達するでしょう。

こんどはそこからどんどん下のほうに降りてくることにします。

すると両手が下につき、身体はすっかり丸くなって、もうこれ以上は下に行けないという限界に達します。

この最もあがった状態から、最もさがった状態までの間の動きの変化を「垂直面」の動作といいます。

この時、上に向かって昇っていく動作を「上昇」、反対に下に向かって降りていく動作を「下降」と呼びます。

ところで、この「上昇」と「下降」の動作は、それぞれが相性のいいもう一つの動作と結びついたときはじめて、自然でよく意味のわかる動作になります。

垂直面の動作が結びつくべき相手は「減圧」と「加圧」です。


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(A)上昇・減圧の動作(図5)

「上昇」の動作は、だんだんと力を抜いていく「減圧」の動作と結びついた時に最も自然に見えます。

図5の店員(右側の女性)は商品も無事に売れて、手続きをするために立ちあがるところです。

彼女はゆっくりと力をぬきながら立ちあがったので、その動作はごく自然で落ちついて見えます。

客(左側の女性)にも店員が必要な手続きのために席を立つという状況がよく理解できるので、安心してその様子を見ています。

(B)上昇・加圧の動作(図6)

図6は「上昇」の動作の失敗例です。

この店員(右側の女性)もまた、商談が成立したので必要書類を用意しようと思って立ちあがったのですが、その時、思いきり力を入れてしまいました。

つまり「上昇」に「加圧」したのです。

客(左側の女性)は店員が突然立ちあがったのでぴっくりしています。

客には店員の動作がよく理解できないので「なにか重大な失敗に気づいたのではないか」、あるいは「店員が経験不足で緊張しているのではないか」と心配しています。


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(C)下降・加圧の動作(図7)

「下降」の動作はしだいに圧力を加える「加圧」の動作と結びついた時、最も自然に見えます。

図7の店員(右側の男性)は、商品の機能を心配する客(左側の女性)に説明をしているところです。

彼は客の質問に対して、力強くうなずくなどの「下降・加圧」の動作をまじえながら、ていねいに回答しています。

客は彼の確信に満ちた様子を見て、次第に信頼感を高めてきています。

(D)下降・減圧の動作(図8)

「下降」の動作が「減圧」と結びつくと、どうもうまくいきません。

図8の店員(左側の男性)もまた、客(右側の女性)に商品の機能を説明しているのですが、うなずいたり、手を動かしたりするたびに、ふにゃふにゃと力がぬけてしまうのです。

客は店員の説明を聞いても少しも安心できないので、だんだん買う気がなくなってきています。

このように、垂直面の動きは圧力と深い関係にあります。

「上昇・減圧」をすれば落ちついて見えますし、「上昇・加圧lすれば感じが悪く、「下降・加圧」すれば信頼できるように、「下降・減圧」すれば情けなく見えるのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2022年1月 1日 (土)

9.水平面の動作とは?(入りやすい店売れる店1986年版)

明けましておめでとうございます。

令和四年元旦。

長年に渡ってこのブログでは、人が「店」(リアルショップ)にひきつけられる隠された本当の要因についてレポートいたしております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今日は、「(1)水平面の動作(A)~(D)」について詳しくご説明いたします。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。

 

9.(1)水平面の動作とは?

それではまず、水平面の動作をみてみましょう。

今、両手をま横にむけてどんどん広げていくとします。

するとやがてもうこれ以上は手を広げられない限界に達するでしょう。

こんどはそこから手を身体の前のほうに持ってきて、自分で自分の身体を抱えるようにします。

するとやはり、もうこれ以上はいけないという限界に達するでしょう。

この最も開いた状態から、最も閉じた状態までの間の動きの変化を「水平面」の動作といいます。

この時、外側に向かって開いていく動作を「展開」、反対に内側に向かって閉じていく動作を「囲い込み」と呼びます。

ところで、この「展開」と「囲い込み」の動作は、それぞれが相性のいいもう一つの動作と結びついた時はじめて、自然でよく意味のわかる動作になります。

このとき結びつく相手をまちがえると、その動作は不自然でわざとらしく、よく意味のわからないものになってしまうのです。



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(A)開い込み・指示の動作(図1)

「囲い込み」の動作は、方向をさし示す「指示」の動作と結びついたとき、最も自然に見えます。

図1の店員(右側の女性)の動作がこれにあたります。

彼女は、左手にもった商品と品質表示を右手で「囲い込み」ながら「指示」しています。

彼女の身体の向きや視線の方向もみな一貫して一つの方向を示しています。

客(左側の女性)は店員が何を説明しようとしているのかがよくわかります。

(B)囲い込み・旋回の動作(図2)

同じ「囲い込み」の動作も「旋回」の動作と結びついてしまうとよく意味がわからなくなります。

図2の店員で右側の女性)は左右の手で「囲い込み」の動作をしているのですが、はっきり何かを指示しないまま、ぐるぐると「旋回」してしまっています。

このため客(左側の女性)には店員の言おうとしていることがさっばり伝わりません。

客は店員のはっきりしない動作が不可解で、最後には腹を立ててしまいます。


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(C)展開・旋回の動作(図3)

「展開」の動作は、方向性を示きない「旋回」の動作と結びついた時、最も自然に見えます。

図3の店月がショーウインドーをふいているこの動作が、「展開・旋回」にあたります。

また、自分の身体のまわりにぐるりと輪を描いたり、スターが観客に向かってあいさつをするように両手をひろげてみせる動作もこれにあたります。

(D)展開・指示の動作(図4)

「展開」の動作がとんちんかんに見えるのは「指示」と結びついた時です。

図4の店員(左側の男性)は客(右側の男性)の質問に答えて商品のある場所を教えようとしているのですが「展開」しながら方向を「指示」してしまったために失敗しています。

客は、店員が客の顔を見つめたまま商品の方向を指さすので、いったいどちらを見たらいいのかわからず混乱しています。

このように、たとえ同じ人でも動作を変えることによってイメージが大きく変わってしまいます。

「囲い込み・指示」をする店員は誠実に、「展開・旋回」をする店員はおおらかに、また「囲い込み・旋回」をすると優柔不断に、そして「展開・指示」をすると横柄に感じられるのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


続きは次回に…。

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