7.アクションと身体信号(入りやすい店売れる店1986年版)
こんにちは。
このブログでは、コミュニケーションにおいて重要な役割を持っているものは、「ことば」ではなく「アクション」であるという考え方を中心にしてレポートしています。
コミュニケーションは、次の10個の信号で交わされています。
①動作信号
②表情信号
③視線信号
④空間利用信号
⑤話し言葉信号
⑥音声信号
⑦接触信号
⑧におい信号
⑨性別年齢信号
⑩容姿信号
以上の10個の信号の内、アクション=①動作信号が最も大きな役割を果たしています。
なぜならば、①動作信号は、「ことば」よりもはるかに真実の情報を発信しており、その他②~⑨の信号に強い影響を与えるからです。
したがって、①動作信号について詳しく理解し、併せて動作信号に強い影響を受けるその他の②~⑩の信号についても理解する必要があります。
さて今日は、「アクションと身体信号」に全体に関するお話です。
どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。
7.アクションと身体信号(その1)
私たちは毎日、まわりの人々とコミュニケーションを行っています。
恋人と愛を誓ったり、友人とおしゃぺりをしたり、上司にしかられたり、泣いたり、笑ったり、その内容は実に様々です。
ところで、こうしたコミュニケーションの内容は、いったい何によって他人に伝わるのでしょうか。
しばらく前までは、それは「ことば」だと思われていました。
けれども人間についての研究が進むにつれて、「ことば以外のもの」が大きな役割を持っていることがわかってきたのです。
実際、私たちは人の様子を見ただけで、その人が喜んでいるのか、悲しんでいるのか、怒っているのかを知ることができます。
それでは私たちは相手の何を見て判断しているのでしょうか。
私たちの身体は常に他人に向かっていろいろな合図を送り続けています。
これをまとめて「身体信号」と呼ぶことにします。
身体信号は大きく二つに分けることができます。
一つは「動的身体信号」で、これは身体の動きにともなって変化します。
もう一つは「静的身体信号」で、これは身体の動きとは直接関係ないものです。
それではまず、「動的身体信号」について説明しましょう。動的身体信号の内容は七つあります。
①動作僧号
②表情僧号
③視線僧号
⑥空間利用信号
⑤話し青葉信号
⑥音声信号
⑦接触信号
これらの信号は、それぞれがバラバラのものではなく、身体の動きと深い関連があります。
①の動作信号は、最も大きな動きを分担していることから、動的身体信号の中心的な役割をはたします。
これにともなって、②の表情信号から⑦の接触信号までが、万華鏡のように変化していくのです。
ここに新人店員のA君がいます。
彼はなかなかうまく接客ができず、すっかり自信をなくしてしまいました。
そんな彼の姿勢はうつむきがちで、肩をがっくり落としたり、ため息をついたりという動作をくり返しています。
そんな彼の表情は暗く、ふし目がちで、ろくに上司の顔を見ようともしません。
上司のそばにもあまり近づきたがらないので、心配したB店長はA君を呼んで話をききました。
こんなA君から出てくる言葉はこの絵のようなものでした。
声の調子は暗く沈んで、今にも消えいりそうです。そこでB店長はA君の肩をたたいてはげましました。
B店長から店員として成功するためのノウハウを敢えてもらったA君は、気をとり直してもう一度挑戦してみることにしました。
すっかりやる気になったA君の動作と、それにともなう六つの身体信号の変化はご覧のとおりです。
このように動的身体信号は人から人へ、非常に多くのことを伝えます。
これらの身体信号をよく知り、使いこなすことができたら人間関係をずっと円滑なものにすることができるのです。
※次回、「8.コミュニケーションにおける『動作信号』とは?」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)
続きは次回に…。
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