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2021年12月

2021年12月27日 (月)

8.コミュニケーションにおける①「動作信号」とは?(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

現在でも、多くの人たちは、コミュニケーションは「ことば」が中心で、「動作」が果たす役割は大きくないと考えています。

そのために、「動作」のことは、「しぐさ」あるいは「身振り手振り」などという言葉で解釈され、様々な「動作」が発信しているメッセージはほとんど無視されているのが現状です。

そして、「動作」(しぐさ=身振り手振り)が伝えるメッセージを無視して、「ことば」中心のコミュニケーションを行っている結果、様々な人間関係が破綻をきたしています。

しかし、実際には、私たちは相手が話す「ことば」を、そのまま鵜呑みにしているわけではなく、その場の雰囲気から、聞き取った「ことば」以外の情報を解釈をしながら、コミュニケーションを交わしていることも事実です。

それでは、私たちは、コミュニケーションにおいて、「ことば」以外の何の情報を手掛かりにして相手の真意を汲み取ろうとしているのでしょうか?

実は、相手が話す「ことば」に伴われる身体の動き(しぐさ=身振り手振り)が伝えるメッセージを読み取っているのです。

さて、今日は、コミュニケーションにおける「動作信号」(しぐさ=身振り手振り)の役割を理解していくために、まずは、「人の動きの分類」についてのお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。


8.コミュニケーションにおける「動作信号」とは?

①動作信号

私たちは日ごろ、自分の動作や他人の動作について特に関心を持って眺めたりはしません。

けれども、人は実に様々な動作をし、そしてその動作を通じて非常に多くのことを伝達しあっているのです。

このように動作はたいへん重要な役割をはたしているのですが、動作そのものをとらえることが難しいため、なかなか研究が進みませんでした。

●三種類の動作分類(水平面の動作、垂直面の動作、矢状面の動作) 

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動作は一瞬のうちに次から次へと変化していくので、思い出したり、記録したりするのはとてもたいへんです。

感覚的には、自然な感じの動きと不自然な感じの動きを区別することもできるのですが、具体的にどこがどう悪かったのか、どこをどう直せばいいのかなどといったことを説明するのは困難です。

私たちは一見非常に複雑な動作をしているように思いますが、実は、次のような法則にしばられていることがわかります。

一つは人間が動ける範囲はその人間が手や足を伸ばして届く空間に限られているということです。

人間そのものが移動することはできますが、手や足の長さを変えられない以上、人間は自分をすっぽりと包むアワのような空間の中で生活しているのです。

二つ目は、その空間の中を動く時の動作が、A水平面の動作、B垂直面の動作、C矢状面の動作、の三種類に分類されるということです(W・ラム、E・ワトソン「ボディコード」、紀伊国屋書店)。

どんなに複雑に見える動作でもこれらの三つの動作がお互いに複雑に組みあわさってできているということがわかるのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2021年12月20日 (月)

7.アクションと身体信号(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

このブログでは、コミュニケーションにおいて重要な役割を持っているものは、「ことば」ではなく「アクション」であるという考え方を中心にしてレポートしています。

コミュニケーションは、次の10個の信号で交わされています。

①動作信号
②表情信号
③視線信号
④空間利用信号
⑤話し言葉信号
⑥音声信号
⑦接触信号
⑧におい信号
⑨性別年齢信号
⑩容姿信号

以上の10個の信号の内、アクション=①動作信号が最も大きな役割を果たしています。

なぜならば、①動作信号は、「ことば」よりもはるかに真実の情報を発信しており、その他②~⑨の信号に強い影響を与えるからです。

したがって、①動作信号について詳しく理解し、併せて動作信号に強い影響を受けるその他の②~⑩の信号についても理解する必要があります。

さて今日は、「アクションと身体信号」に全体に関するお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。


7.アクションと身体信号(その1)

私たちは毎日、まわりの人々とコミュニケーションを行っています。

恋人と愛を誓ったり、友人とおしゃぺりをしたり、上司にしかられたり、泣いたり、笑ったり、その内容は実に様々です。

ところで、こうしたコミュニケーションの内容は、いったい何によって他人に伝わるのでしょうか。

しばらく前までは、それは「ことば」だと思われていました。

けれども人間についての研究が進むにつれて、「ことば以外のもの」が大きな役割を持っていることがわかってきたのです。

実際、私たちは人の様子を見ただけで、その人が喜んでいるのか、悲しんでいるのか、怒っているのかを知ることができます。

それでは私たちは相手の何を見て判断しているのでしょうか。

私たちの身体は常に他人に向かっていろいろな合図を送り続けています。

これをまとめて「身体信号」と呼ぶことにします。

身体信号は大きく二つに分けることができます。



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一つは「動的身体信号」で、これは身体の動きにともなって変化します。

もう一つは「静的身体信号」で、これは身体の動きとは直接関係ないものです。

それではまず、「動的身体信号」について説明しましょう。動的身体信号の内容は七つあります。

①動作僧号
②表情僧号
③視線僧号
⑥空間利用信号
⑤話し青葉信号
⑥音声信号
⑦接触信号

これらの信号は、それぞれがバラバラのものではなく、身体の動きと深い関連があります。

①の動作信号は、最も大きな動きを分担していることから、動的身体信号の中心的な役割をはたします。

これにともなって、②の表情信号から⑦の接触信号までが、万華鏡のように変化していくのです。


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ここに新人店員のA君がいます。

彼はなかなかうまく接客ができず、すっかり自信をなくしてしまいました。

そんな彼の姿勢はうつむきがちで、肩をがっくり落としたり、ため息をついたりという動作をくり返しています。

そんな彼の表情は暗く、ふし目がちで、ろくに上司の顔を見ようともしません。

上司のそばにもあまり近づきたがらないので、心配したB店長はA君を呼んで話をききました。

こんなA君から出てくる言葉はこの絵のようなものでした。

声の調子は暗く沈んで、今にも消えいりそうです。そこでB店長はA君の肩をたたいてはげましました。

B店長から店員として成功するためのノウハウを敢えてもらったA君は、気をとり直してもう一度挑戦してみることにしました。

すっかりやる気になったA君の動作と、それにともなう六つの身体信号の変化はご覧のとおりです。

このように動的身体信号は人から人へ、非常に多くのことを伝えます。

これらの身体信号をよく知り、使いこなすことができたら人間関係をずっと円滑なものにすることができるのです。

※次回、「8.コミュニケーションにおける『動作信号』とは?」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

続きは次回に…

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2021年12月13日 (月)

6.なぜ客はアクションに反応するのか(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

店員にとって店は、自分の「なわばり」に大切な商品を陳列して、少しでも多くの売り上げを目指している、非常に重要な現場です。

客の側もまた、少しでも良い商品をより安く入手したいと願っているために、店員と客の利害は、はっきりと対立しています。

店員は常に客の動向に注意を払って、商品を求めていそうな客をいち早く発見して、購入を促進しようと待ち構えています。

そのことをよく知っている客もまた、店員の積極的な接客の影響を受けて、ついつい妥協した購入をしないように、注意を払っています。

したがって客は、店に近づくと、店員が何をしているかについて敏感に察知します。

そのため、店頭や店内でじっと立って客を待ち構えている店員のアクションを見かけた場合には、客は直ぐにその店から遠ざかります。

しかし、店員が他の客に接客をしたり、あるいは作業に専念したりするアクションを行っている場合には、直ぐには接客を受けないことが予測できるために、その店に入りやすくなります。

つまり、客は店員のアクションを見て、安全な店(直ぐに接客されない店)であるか、危険な店(直ぐに接客される店)であるかを判断しているのです。

さて今日は、「客が、店員のアクションに、遠ざけられたり引きつけられたりする」理由についてのお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。

6.なぜ客はアクションに反応するのか

客と店員が販売の現場で行ういろいろな行動をよく知るために、大昔の人間の生活をふり返ってみましょう。

はるか昔、人間は狩猟や採集によって、食物や衣料を手にいれていました。

獲物を手にいれる場所が安全で快適であれば、人は安心して獲物を探したり選んだりすることができます。

けれどもその獲物のそばに恐しい敵がいたら、なかなか近づ〈ことができません。


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現代の社会では、人間は「買い物」によって、食物や衣料を手にいれています。

もしも商品を手にいれる場所が安全で快適であれば、人は安心して商品を探したり選んだりすることができます。

けれどもその商品のそばに恐しい敵がいたら、なかなか近づくことができません。

大昔、その敵は卵を守るくちばしのするどい親鳥であったり、水をくもうとすると顔を見せるワニだったりしました。

現代の敵はなんと店員なのです。



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店員は「店」という自分のなわばりの中にいて「客」から商品を守っています。

ところが、商品をたくさん売ろうと思ったら「客」がどんどん店の中にはいってくるようにしなければならないのです。

この矛盾が多くの店員を苦しめています。

すでにお話した「客寄せ踊り」や「客よせ音頭」は、店員が店にいながら他のことに気をとられている状況をつくりだすことによって、店員のなわばりをゆるめるという効果があります。

そのスキに客が近よってくるのです。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2021年12月 6日 (月)

5.客を遠ざける店員のアクション(その2)(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

約35年前の1986年当時は、全国の商店街も、まだまだ元気が残っている時代でした。

地元のお客様を対象にした商店街の店は、来店客の多くが購入客に直結していたために、お客様が入って来るや否やすぐに「いらっしゃいませ!」と接客を開始したり、店頭や店内でじっと立って来店客を待ち構えることは、ごく一般的な接客方法でした。

しかし、各地の商店街のすぐ近くには新しい商業集積や大型店が登場し、そこでは、できるだけ多くのお客様を迎え入れて、より多くの購入客を獲得しようとする販売方法が行われるようになっていました。

つまり、その頃から、店は、買うか買わないかが決まっていないお客様や、全く買う気がないお客様をも、できるだけたくさん店に迎え入れようとする販売競争の時代へと変化していったのです。

したがって、接客方法も、買うことが決まっているお客様や、まだ決まっていないお客様や、初めから全く買う気がなく見るだけのお客様など、様々なお客様に対応することが必要となって来ました。

そのため、従来から行われていた、

①店頭や店内でじっと立ってお客様を待ち構える

②来店するや否や直ぐに「いらっしゃいませ!」と接客を開始する

などの店員のアクションは、お客様を遠ざける典型的なアクションとなりました。

このことは、後に「駅ナカ・駅ソト」ショップ時代を迎えた時代においても、変わらずに、お客様を遠ざける店員のアクションであることが観察できました。

さて今日は、「客を遠ざける具体的な店員のアクション」についての後半のお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。


5.客を遠ざける店員のアクション(その2)

店のまん中で怖い顔をしている店員(本人は客待ちの姿勢をしていると思っている)、店の入り口をふさいでいる店員、店の前に出て客をつかまえようと待ちかまえている店員、すぐに客に近づく店員。

こうした客を遠ざける一連の店員の動作を「客追い踊り」といいます。

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また、客が店に近づくやいなや「いらっしゃいませ」と声をかける店員、なんとなく商品をひやかしたいと思っているのに、「何をお探しですか」、「ご予算は~」などと話しかけてくる店員。

こうした店員が発する一連の言葉を「客追い音頭」といいます。



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店員が「客追い踊り」を踊りながら「客追い音頭」をうたっていたら、一向に客が近づいてこないのも当然のことでしょう。

考えてみれば当たり前だと思う、こんな単純なことに私たちは長い間気づかなかったのです。

むしろ、客を追い払うような行動が奨励されているきらいがあります。



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開店前にすべての準備をおえてしまうのが正しく、開店してから作業をしているのはいいかげんな証拠だ。

店員は正しい姿勢で片時も気をぬかず、客が来るのを待たなければならない。

客が来たらすぐに「いらっしゃいませ」とあいさつをしなければならない。

客に対しては積極的にアプローチをするべきだ等々。

これらの教育は、一見、正しいように思えます。

いったい何を根拠に「開店の準備はゆっくりやって、開店後にも作業が残っていたほうがいいんです」といえるでしょうか。

「だって、作業していると客が来るんです」といってもなかなか信用してもらえなかったに違いありません。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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