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2021年11月

2021年11月29日 (月)

4.客を遠ざける店員のアクション(その1)(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

今回は、前回と前々回の「客を引きつける店員のアクション」とは反対に、

「客を遠ざける店員のアクション」についてのお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。

4.客を遠ざける店員のアクション(その1)

「売れない店」には活気というものがありません。

店にはほとんど客の姿がなく、たまに客が来ても入り口のあたりをウロウロしただけですぐどこかへ行ってしまいます。

長い間、客が釆ないので、店員もすっかり退屈してしまい、うつろな目つきで店の外をながめています。

客が来ないのですることもなく、店内にはただただむなしい静寂がただよっています。


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さて、この「売れない店」を救う方法はあるのでしょうか。

この問題に取り組む前に考えておかなければならないことが二つあります。

一つは通行量です。

店の前を人が通らなければ売り上げをあげることは至難のわざです。

もう一つは商品です。

他店に比ベて群をぬいて優れている必要はありませんが、きわめて商品が劣るようではいけません。

立地もまずまずで(事実、隣の店はよく売れている)、商品もそこそこのものを置いているとしたら、考えられるのは店舗レイアウトの失敗と店員行動の失敗です。

 

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店舗のレイアウトについてはあとで触れるとして、ここでは「客を遠ざける店員のアクション」を見てみましょう。

「売れない店」の店員をしている人たちは、別に「今日はすべての客を追い払って、店内の商品を一品たりとも買われないようにしよう」と決心しているわけではありません。

ところがその行動を見てみると、客が商品に近づいたり手にとって見ようとするのをじゃまする結果になっているのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2021年11月22日 (月)

3.客を引きつける店員のアクション(その2)(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

今回は、前回の「客を引きつける店員のアクション(その1)」に引き続いて後半のお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。


3.客をひきつける店員のアクション(その2

それではいったいどのようにしたら、客をひきつけることができるのでしょうか。

一般に客は、「作業している店員の姿」にひきつけられます。

忙しそうに働く様子は明らかにその店に活気を与えます。

また、客の立場からすると、店員がなにか他のことに気をとられている間は商品をすすめられる心配がないので、気軽にひやかすことができます。


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他の客に接客している店員、忙しそうに包装をしている店員、ケースやショーウインドーをふく作業をしている店員、店内の飾りつけをしたり商品の準備をしている店員、商品をそろえたり並べなおしている店員、実演販売をしている店員。

このような店員は、他のなにもせずじっとしている店員に比べてはるかに強いパワーを持っています。

こうした客をひきつける一連の動作を「客よせ踊り」と呼びます。

客寄せ踊りが踊れる店員のいる店は、他店に比べてずっと活気があり、客が店にいる時間も長くなります。

つまり「売れる店」ということになります。

また、店の活気を盛りあげる一要素に、店員の「声」があります。


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一般に客は、「他の客に向かって発せられた呼びかけ」にひきつけられます。

「いらっしゃいませ」、「ありがとうございました」、「今日はお買い得です」というような声が、店全体に流れているような状況は客を強くひきつけます。

こうした客をひきつける一連の音声を「客寄せ音顕」と呼びます。

客をうまくひきつけようと思ったら、客が近づいてきたのに気づいても、さりげなく仕事を続けることが非常に大切です。

また、近づいてきた客にむかって声をかけないでおくということも重要なポイントなのです。

よく売る店員ほどこのことをよく知っていて、売り場の中を上手に動きまわります。

そして実際には売れていなくても売れている雰囲気を盛りあげて、次の客をつかむのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

続きは次回に…。

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2021年11月15日 (月)

2.客を引きつける店員のアクション(その1)(入りやすい店売れる店1986年版)

こんにちは。

約35年前の1986年当時、「人の動き」という観点から、様々な多くの店を観察分析しました。

その結果、売れる店には売れる店に共通した、また売れない店には売れない店に共通した、「店員のアクション」が存在していることに気づきました。

そして、売れる店では、①接客中の店員のアクションと②作業中の店員のアクションが繰り返され、売れない店では、①店頭や店内でじっと立つ店員のアクションと②客が来る否や直ぐに「いらっしゃいませ!」を言う店員のアクションが繰り返されていました。

私たちは、店が店員の「なわばり」であることから、売れる店の店員のアクションを「なわばり」を解除する店員のアクション、そして売れない店の店員のアクションを「なわばり」を主張する店員のアクションとそれぞれ名付けました。

つまり、「なわばり」を解除する店員のアクションによって繁盛店が生れ、「なわばり」を主張する店員のアクションによって衰退店が生まれていたのです。

現在、大勢のお客様を引きつけている、駅ナカ・駅ソトショップにおいても、35年前と全く同じ要因によって、売れる店と売れない店が生じています。

さて、今日は、「客を引きつける店員のアクション」とは具体的にどのようなアクションであるかについての前半のお話です。

どうか、35年前の書籍の抜粋であるということを念頭に入れてお読みくださいませ。


2.客をひきつける店員のアクション(その1)

「売れる店」には活気があるということに、私たちは気づいています。客が大勢やってくると店はにわかに活気づき、ますます多くの客をひきつけます。

それでは、その活気を持続きせたり、つくりだしたりすることはできないのでしょうか。

「販売のプロ」と呼ばれるような名人級の店員は、どうすれば客が店にやってくるかということを直感的に知っています。


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ところが彼らはそのノウハウをはっきりと口に出して説明したり、他の店員に教えたりすることができません。

それには、大きくいって二つの理由が考えられます。

一つは、「そのこと」があまりにも日常的すぎて、とりたてて説明するほどのことではないと思いがちなことです。

もう一つは、「そのこと」が店のオーナーや会社の幹部から指導される一般的な店員数育とは違っているため、なかなか言い出しにくいことです。


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実際に多くの店を細かく観察してみると、客の行動は店員の行動によって大きく左右されていることがわかります。

つまり店員は単に販売をするだけの機械ではなく、客を自分の店にひきつけることも、逆に追い払うこともできる強いパワーを持っているのです。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

次回に続く…。

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2021年11月 8日 (月)

1.売れる店にはアクションがある(入りやすい店売れる店 1986年版)

こんにちは。

今から約35年前の1986年に、拙著「入りやすい店売れる店」(日本経済新聞社)で、「人の動き」という観点から繁盛店と衰退店を観察分析した結果を、全国の販売関係者の方々にご報告いたしました。

この本では、店が店員の「なわばり」であり、店員が「なわばり」を解除した店が繁盛店となり、店員が「なわばり」を主張した店が衰退店となっていくことをご報告しましたが、すっかりネットショップが普及した現在においてもなお、「なわばり」を解除しているリアルショップが繁盛店となり、「なわばり」を主張しているリアルショップが衰退店となることに変わりはありません。

35年の時を越えて、リアルショップの繁盛&衰退を生み出している、店員と客の「なわばり」感覚について、できるだけ多くの現代の販売関係者の皆様に知って頂きたく、当時のままの内容を更新していきたいと思います。

どうかよろしくお願いいたします。


第1章 店員のアクションが客を呼ぶ

1 売れる店にはアクションがある

(1)なぜアクションなのか

これだけ科学が進んだ世の中になっても、まだまだよくわからないことがたくさんあります。

中でも私たちの日常生活に関連が深い部分は、あまりにも身近すぎるためか、いまだにほとんど研究されていません。

このことは販売の世界においてもまったく同じです。

私たちは毎日、ありとあらゆるところで「店」を見ることができます。

実際、なんとまあたくさんの店があることでしょうか。

私たちはそれを特別にめずらしいことだとも思わず、買い物をしたり、ひやかしたり、あるいは全く無視しています。

一方、それぞれの店では店長や店員が毎日働いています。

彼らの悩みは、「他店はよく売れるのになぜ自分の店は売れないのか」ということです。

では、この悩みに答えることは可能なのでしょうか。

今ここに、「まるねこショップ」と「まるとらショップ」という二軒の店があるとします。

※↓「まるとらショップ」


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※↓「まるねこショップ」

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「まるねこショップ」はよく売れる店ですが、「まるとらショップ」は売れ行きがかんばしくありません。

「まるとら」の店長はいいかげん頭にきてしまいました。

というのも、「まるとら」は「まるねこ」の商品やパッケージや価格や店のつくりまで、そっくりにまねしていたからです。

二軒の店はほぼ同じ条件の場所にあるので、店の前の通行量に差があるとも思えません。

さらに「まるねこ」はテレビコマーシャルを流すわけでもありません。

つまり、この二軒の勝負は「店」の中で起こっているのに違いないのです。

「まるとら」の店長は売れないのは自分のところの店員が悪いせいだと思いました。

見れば「まるねこ」の店員はキビキビと接客しています。

店長は部下をあつめて「もっと積極的に販売するように」とお説教をしました。

そして店の中でだらだらせず、キチンとした姿勢で客を待つように、また、客が近くに寄ってきたら、大きな声で「いらっしゃいませ」、「何をお探しですか」とアプローチするように指導しました。

「まるとら」店長の必死の努力にもかかわらず、売り上げはあがりません。

一方、「まるねこショップ」はますます繁盛し続けているのです。

「まるとら」店長は本当に頭を抱えてしまいました。

現代では、画期的な新製品を期待することが難しくなってきました。

どこも同じような店で同じような商品を販売しているのです。

それにもかかわらず売れる店と売れない店が存在するとしたら、その要因はまさしく「店員」なのです。

この点、「まるとら」店長の考え方は決して的はずれではありませんでした。

けれども彼は、その店員がどうしたらよいのかを適切に指導することができず、なお一層悪い結果を招いたのです。

売れる店と売れない店の秘密を解くカギは、実は「店員」にあるのです。

それではこれから、「売れる店員の行動の法則」と「売れない店員の行動の法則」を知ることによって、この謎を解きあかしていきましょう。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)

次回、「2.客を引きつける店員のアクション」に続く…。

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2021年11月 1日 (月)

「人の動き」という観点から「リアルショップ」を観察する私たちの基本的な考え方(その6)

こんにちは。

前回までに引き続き、「リアルショップ」を観察する際の私たちの基本的な考え方(最終回)についてご説明しています。

6.リアル店舗を繁盛させる「新しい接客」

(1)リアル店舗では再び接客のニーズが高まっている

次に、今後のリアル店舗の役割について、「人の動き」という観点から考えてみたいと思います。

ネット店舗の普及によって、私達はいつでもどこでもモノが自由に買えるようになりました。ネット店舗はますます規模を拡大し、その結果、激しい価格競争時代に突入しています。

ネット店舗では、簡単に商品を検索し、価格を比較し、低価格で購入することができますが、そんな便利なネット店舗に対する目新しさは日に日に減少しています。

それはいったいなぜなのでしょうか?

最大の理由は、ネット店舗には店員の接客がないということです。ネット店舗には、直接、店員に質問や相談をする機会がありません。

そもそも「店」は、見知らぬ人間同士が余剰品を交換する「交換の現場」でした。
そこでは、意識的に交換する『商品』そのものよりも、無意識のうちに交換する『コミュニケーション』が重要だったのです。

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その後、店はそのシステムを利用して生活必需品を流通させる「商店街の店」となり、商品の意味が大きくなっていきました。
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さらに、流通が中心となった「スーパー、コンビニ」に変化すると、セルフ販売方式が導入され、接客のウエイトは小さくなっていきました。
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次第に、商品だけが流通し、店員の接客がないネット店舗が、流通の中で大きな役割を果たすようになりました。
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しかし、人間はコミュニケーションがない「店」には満足できません。
どんなにネット店舗が増えて、宅配が便利になっても、客が「店」に行って見知らぬ人(店員)とコミュニケーションをしたいという欲求がなくなることはありません。

それでは、ネット店舗から失われたコミュニケーションはいったいどこに移行するのでしょうか?

そこで、今後の中心となるのは、ネット店舗とリアル店舗の融合です。

そこでは、より便利な流通はネット店舗を通して、生身の店員の接客はリアル店舗を通して提供することで、再び本来の「店」の機能を取り戻そうとしています。
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このように、今後、客はリアル店舗に、店員の接客を求めてやって来るために、今後はよりいっそう質の高いコミュニケーションを背景にした「接客」が求められるのです。

(2)リアル店舗における客と店員のコミュニケーションを妨げるもの

客は、店員の息苦しい接客を受けなければ商品が買えなかった商店街時代から、接客を受けずに商品が買えるセルフ販売中心の時代になったため、それだけで満足し、しばらくの間は細かい接客の質は問いませんでした。

しかし、今後、多くの客が「接客そのもの」を求めて店に来るようになると、より客を満足させる質の高い接客が必要になってきます。

そこでクローズアップされてくるのは、客と店員の「個人差」の問題です。

かつて、様々な接客教育が行われましたが、どんなに接客教育を行っても、「接客の達人」を生み出すことはできませんでした。また、接客の先生が教える接客方法が、必ずしも客から喜ばれたわけでもありません。

その最大の理由は、接客を提供する側の店員に様々な個性があり、一方、接客を受ける側の客にも様々な個性があるために、なかなか両者がかみ合わないことです。

私たち人の動き研究室では、人間の個性を13種類の動きのタイプとして集約し、それぞれの人の考え方や行動の仕方をまとめています。

すなわち、13人の店員と13人の客がいることが、接客がうまくいかない最大の原因なのです。

店員は、まず、自分の動きのタイプを知って、日ごろ、どのような接客を行いがちかを知る必要があります。

さらに、お客様の動きを観察することによって、そのお客様が求める接客の仕方を理解し、対応することが重要になってきます。

販売現場は、お客様に感じの良いアクションを提供することが必要ですが、決して堅苦しい作法や道徳を提供する場ではありません。

リアル店舗は、様々な個性のお客様が、自分に合った接客を受けて喜んだり、また、合わない接客を受けてとまどったりすることも含めて、生き生きとしたコミュニケーションを楽しむ場所なのです。

このブログでは、店員が自分自身の接客タイプを知り、それぞれのお客様の接客に対するニーズを知るための情報をご提供しています。

続きは次回に…。

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