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2021年1月

2021年1月18日 (月)

16.「竹下通り」の店が客を引きつけるために発信している「六つのメッセージ」とは?----東京・原宿の「竹下通り」の三空間店舗分析(その3)

こんにちは。 

前回までは、東京・原宿の「竹下通り」の「店」を構造別に分類し、
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊」
の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションについて説明してきました。

さて今回は、「竹下通り」の全体の店が客を引きつけるために発信している、「六つのメッセージ」について説明いたします。


「店」は店の前を行き交う大勢の通行客に対して、来店や購入を促進するために様々な「誘惑のメッセージ」を必ず発信しています。
そして客にとっては、この「誘惑のメッセージ」こそがリアルショップの大きな魅力となっているのです。

↓竹下通りの様子
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↓明治通り側入り口辺りの様子
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(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ(誘惑のメッセージ①)

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様々な大勢の通行客が行き交う通りに接した「店」からは、「初めての方ほどどうぞいらっしゃいま!」という「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されています。
そして、そのメッセージにひきつけられた大勢の見知らぬ客自身からもまた「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されることになるのです。

(2)浪費は美徳のメッセージ(誘惑のメッセージ②)

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「商品空間」に設置された「プライスカード」は、ただ単に商品の価格を表示しているだけでなく、購入目的の客に対してはもちろんのこと、購入の予定がないひやかし客に対しても、「思い切って買っちゃいましょう!」「ついでにこれもどうぞ!」等の「浪費は美徳のメッセージ」を発信しています。客は必ずしも必要としない商品を買って散財することによって心が癒されたりするのです。

(3)返礼不要のメッセージ(誘惑のメッセージ③)

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回遊通路にせり出した「商品空間」や店内の「商品空間」からは、「どうぞ自由にご覧ください!」「見るだけでもどうぞお気軽に!」等の「返礼不要のメッセージ」が発信されています。
礼を欠くことが禁じられている日常生活の中では無礼とされていることが、この通りにおいては許されるのです。

(4)狩猟解禁のメッセージ(誘惑のメッセージ④)

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店頭から店内に引き続いて大量に陳列された「商品空間」からは、「狩猟解禁のメッセージ」が発信されています。
客は自由なハンターの気分になって通りや店を回遊できるのです。

(5)もっともらしい理由のメッセージ(誘惑のメッセージ⑤)

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「期間限定ショップ」や「対象者限定商品」等を訴求した店舗や商品からは、「今だけの商品ですよ!」「非常に信頼のおける商品ですよ!」等という「もっともらしい理由のメッセージ」が発信されています。
多少の「いい加減なこと」「適当なこと」が許されるのが「店」なのです。

(6)性をほのめかすメッセージ(誘惑のメッセージ⑥)

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大勢の若い男女の店員や行き交う見知らぬ若い男女の客や様々なディスプレイや商品そのものからも、「性をほのめかすメッセージ」が発信されています。

以上、東京・原宿の「竹下通り」全体の店が発信している、客を誘惑する「六つのメッセージ」についてご説明しました。
(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ
(2)浪費は美徳のメッセージ

(3)返礼不要のメッセージ
(4)狩猟採集のメッセージ
(5)もっともらしい理由のメッセージ
(6)性をほのめかすメッセージ

「店」(リアルショップ)には、日常のタブーに縛られた生活から解放された自由な時間と空間(つまり非日常)を求めた大勢の客がやって来ます。
そして大勢の客はそこで、他人が「劣位」で自分こそが「優位」であることを認識し、大きな安定を獲得しているのです。

そのことを、よく心得ている「店」は、「なわばり」を解除した空間を提供すると共に「六つの誘惑のメッセージ」を発信することによって、少しでも客を「優位」にして、店員と店を「劣位」にしようとしているのです。

残念ながら三密の回避やソーシャルディスタンスを採用したコロナ禍によって、日本中の店における「なわばり」の解除や「誘惑のメッセージ」の発信はやや自嘲気味となっていますが、ここ「竹下通り」においては、十分に「なわばり」を解除した空間の提供や、魅力的な「誘惑のメッセージ」がたくさん発信され、土・日を問わず連日多くの客が引きつけられていることが観察できます。

それではまた次回に…。

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2021年1月12日 (火)

15.「竹下通り」の店の構造と店員&客のアクション-----竹下通りの三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

若者を中心とする大勢の客が東京・新大久保駅界隈のコリアンタウンに引きつけられています。そして、東京・原宿の「竹下通り」の客もまた新大久保駅界隈のコリアンタウンに移動しています。

なぜ、東京・原宿「竹下通り」を凌いで、新大久保駅界隈のコリアンタウンに客が引きつけられるのかを知るために、両方の「通り」と「店」を合わせて観察しています。

前回は、「竹下通り」に立ち並ぶ様々な店(飲食店を除く)を、「商品空間」と「店員空間」と「客空間」の三空間のレイアウトの仕方を分析することによって、「竹下通り」が
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が広い、引き込み型店」

③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
以上の構造をした店(飲食店を含まず)によって構成されていることについて説明しました。

↓ 明治道路にした「竹下通り」の入り口辺り
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さて①~⑥の構造をした店における、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについて説明していきたいと思いますが、今回は
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
における客と店員のアクションについてのみご説明します。

その他の構造をした店の「客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション」は、これまでの「イケメン通り」や「大久保通り」や「職安通り」のブログを参照にしてください。

(1)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、「商品空間」を店内に加えて店頭にも設置した店のことです。そして客が店内を回遊する「客空間」と「店員空間」が一緒になっているのが特徴です。
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①客を遠ざける店員のアクション

(A)↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

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(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
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(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
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②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
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(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
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(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。
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コロナ禍の「マスク」と「ソーシャルディスタンス」の導入によって、「サクラパワー」が生じないようにしているのが現状ですが、それでも店内に客が一人でも存在すればその客は「サクラ」となって他の客を引きつけます。

※「サクラパワー」とは?
店に客がつくと、その客の姿が次の客をひきつける。その時の状況を「サクラパワー」が起きているとと言う。
「サクラパワー」は次々と客を引きつけながらますます買いやすい状況をつくりだすために、店にとっては重要な販売機会となる。

 

(2)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」での、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション。

↓「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのように、店内に加えて通路に面した部分にも「商品空間」を配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けた店のことです。つまり客が店内を回遊する「客空間」と、店員が清算を行う「店員空間」が明確に分けられているのが特徴です。
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①客を遠ざける店員のアクション

(A)  ↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
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(B)↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
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(C) ↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
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②客を引きつける店員のアクション

(A) ↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
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(B) ↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。
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(C) ↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。

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以上のように、東京・原宿の「竹下通り」の
⑤「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
⑥「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
の構造のいずれの店においても、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけ、あるいは「なわばり」を解除するアクションを行って客を引きつけている様子を観察することができます。
なお、
①「店員空間が狭い、接触型店」
②「店員空間が広い、引き込み型店」
③「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
④「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
以上については、コリアンタウンの「イケメン通り」や「大久保通り」や「職安通り」を参照してください。

続きは、次回に…。

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2021年1月 4日 (月)

14.「竹下通り」の店の構造と店員&客のアクション-----竹下通りの三空間店舗分析(その1)

こんにちは。

前回までは、今や東京・原宿の「竹下通り」を凌ぐ勢いで若者を中心とした多くの客をひきつけている、東京・新大久保駅界隈の「コリアンタウン」を観察し分析してきました。


原宿の「竹下通り」から若者を中心とした多くの客がなぜ「コリアンタウン」に引きつけられていったかの原因についてお分かりいただけましたでしょうか?

なぜ若者を中心とする大勢の客が「竹下通り」よりも「コリアンタウン」の様々な通りに強い魅力を感じるのかをより理解していくために、改めて現在の東京・原宿の「竹下通り」全体や通りに立ち並ぶ様々な店をご紹介していきたいと思います。

↓山手線・原宿駅そばの「竹下通り」入り口の様子
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↓竹下通りの様子
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ここ「竹下通り」に立ち並ぶ様々な店を、「商品空間」と「客空間」と「店員空間」がどのように配置された店であるかという観点から分析すると以下の構造をした店で構成されていることがわかります。
(1)「店員空間が狭い、接触型店」

(2)「店員空間が広い、引き込み型店」
(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」
(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
(5)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
(6)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」
それでは、構造別にそれぞれの店の様子をご紹介します。

(1)「店員空間が狭い、接触型店」
通りに直接面した「商品空間」と狭い「店員空間」だけで作られています。

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(2)「店員空間が広い、引き込み型店」
店内に「商品空間」を引き込んで「客空間」を設け、広い「店員空間」を加えた「三空間」で作られているのが特徴です。
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(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型」の構造
店内にだけ「商品空間」を配置し、「店員空間」が無いのが特徴です。
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(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型」の構造
店内にだけ「商品空間」配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けているのが特徴です。

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(5)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」の構造
店内だけではなく通りに面した部分にも「商品空間」を配置し、「店員空間」が無いのが特徴です。
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(6)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型」の構造
店内だけではなく通りに面した部分にも「商品空間」配置し、「セルフサービス方式」を採用した「店員空間」を設けているのが特徴です。

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全国の様々な商業集積に存在する全ての「店」は、「商品空間」と「客空間」と「店員空間」の三空間のレイアウトの仕方(店舗設計)によって、大まかには次のように、
①接触型店

②引き込み型店
③引き込み・回遊型店
④接触・引き込み・回遊型店
と四分類され、更に「店員空間」の状況によって細かくは八分類することができます。

つまり、私たちが毎日利用したり見かけたりしているあらゆる「店」は、一見大変複雑な構造をしているように思えますが、実際には次のいずれかの構造の「店」に当てはまるのです。

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そして、ここ東京・原宿の「竹下通り」においては、

(1)「店員空間が狭い、接触型店」
(2)「店員空間が広い、引き込み型店」
(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」

(4)「店員空間がある、引き込み・回遊型店」
(5)「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」
(6)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」

以上の構造の店で構成されていることが観察されます。

さて、それぞれの店では、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションが展開されておりますが、それにつきましては次回に詳しくご説明いたします。

続きは次回に…。

 

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