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2020年3月

2020年3月30日 (月)

11.客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション-----渋谷スクランブルスクエア2F の三空間店舗分析(その3)

こんにちは。

前回より、渋谷スクランブルスクエア2F(ファッション)において、客を引きつたり遠ざけたりしている「店員のアクション」について観察しています。

そして前回は、「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」の構造をした店に限って「店員のアクション」を観察しましたが、今回は「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」の構造をした店での店員と客のアクションの関係について観察します。

↓「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」の店の様子

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↓「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」とは下のような構造をした店のことです。
この構造をした店は、「セルフサービス方式」を採用した販売方法を行うための店舗構造です。
「セルフサービス方式」の店は、客が自分自身で商品を選んでレジカウンターにやって来てから、店員が接客を開始する販売方法です。
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(1)客を引きつける店員のアクション

↓接客中の店員のアクションは、「なわばり」をより解除するアクションとなるために、客はいっそう入りやすくなります。

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↓ 商品の補充や陳列等を行う店員の作業中のアクションは、より「なわばり」を解除するアクションとなるために客を引きつけます。

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↓ 「セルフサービス方式」の店であっても、店内や店頭の客の姿は「サクラパワー」を生み出して「なわばり」を解除するために、大変入りやすく冷やかしやすい店となります。

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(2)客を遠ざける店員のアクション

↓ 店員空間(レジカウンター)の中であっても、じっと立っている店員の姿は、「なわばり」を主張する店員のアクションとなるために、客に入りにくさを感じさせたり遠ざけたりしてしまいます。

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↓ 「セルフサービス方式」の店であっても、店員が「店員空間」(レジカウンター)から店頭に出てじっと立っていると、「客を遠ざける店員のアクション」となるために、客は大変入りずらさを感じます。

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↓ 「セルフサービス方式」が確立していない店で、店員が「客空間」に出て接客を開始すると、客を驚かせたり遠ざけたりしてしまいます。

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※「セルフサービス方式」の店が入りやすく冷やかしやすいのは?
店員が「なわばり」を主張するアクション(客を遠ざけるアクション)を行わず、店員が「なわばり」を解除するアクションばかりを行っている店だからです。

以上、渋谷スクランブルスクエア2階(ファッションフロア)においては、「セルフサービス方式」が確立されている「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」においては、店員が「なわばり」を解除するアクションをやり続けて客を引きつけている様子が観察できます。

しかし、「セルフサービス方式」が確立されていない「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」においては、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけている様子も観察できます。

そして、渋谷スクランブルスクエア2階(ファッション)全体としては、「セルフサービス方式」によく似た店舗構造をした店が主流となっていながら、「非セルフサービス方式」の販売方法を行っているのが特徴です。

続きは、次回に…。

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2020年3月23日 (月)

10.客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション----渋谷スクランブルスクエア2Fの三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

前回は、渋谷スクランブルスクエア2F(ファッション)における、「店舗構造」についてご説明しました。

そして、渋谷スクランブルスクエア2F(ファッション)には、①「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」と②「店員空間がない、引き込み・回遊型店」と③「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」の構造をした店で構成されていることについてご説明しました。

今回は、①の「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」の構造をした店において、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについてご説明します。

↓「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」の様子
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↓「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」とは下のような構造をした店のことです。

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(1)客を遠ざける店員のアクション

↓ 店内でじっと立って客を待つ店員のアクションは、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

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↓ 店頭でじっと立って客を待つ店員のアクションは、より「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

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↓ 店に近づいて来たリ入って来たリした客に対して、直ぐに「いらっしゃいませ!」と声を掛けて接客を開始すると、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。

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(2)客を引きつける店員のアクション

↓ 接客中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。

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↓ 作業中の店員のアクションは、「なわばり」を解除するアクションとなって客を引きつけます。

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↓ 「サクラパワー」が生じた場合には、いっそう「なわばり」が解除されるために客はより引きつけられます。

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※「サクラパワー」とは?
「なわばり」を解除する店員のアクションによって引きつけられた客の姿が、いっそう「なわばり」を解除して客を引きつける状況を「サクラパワー」と呼びます。

以上のように、2階(ファッションフロア)の「店員空間が無い、接触・引き込み・回遊型店」において、店員が「なわばり」を主張するアクションを行って客を遠ざけ、「なわばり」を解除するアクションを行って客を引きつけている様子を観察することができます。

客は、初めから自分が好きな商品を購入するためだけに「店」に行くわけではありません。見たり検討したりするだけのためにも「店」に行きます。そして、目的の商品を購入した後で更に他の店でも購入したり、あるいは見たり検討したりしている内にふと購入したりしているのです。

その背景には、店で店員が「なわばり」を解除したアクションをしているか、「なわばり」を主張しているアクションをしているかが大きな影響を与えているのです。

続きは、次回に…。

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2020年3月16日 (月)

9.2Fファッションフロアの店の構造と店員と客のアクション----渋谷スクランブルスクエア2Fの三空間店舗分析(その1)

こんにちは。

前回は、渋谷スクランブルスクエアB2(惣菜)の店が客を引きつけるために発信している「六つのメッセージ」についてご説明しました。

今回からは、2F(ファッション)の「店舗構造」と客を引きつけたり遠ざけたりする「店員と客のアクション」についてご説明します。
それでは最初に、2F(ファッション)の店の「店舗構造」から見てゆきたいと思います。

2F(ファッション)には、「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」と「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」と「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の店があり、それぞれの店において客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションが観察できます。

↓2F(ファッション)の様子
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(1)「店員空間がない接触・引き込み・回遊型店」
「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」とは、このイラストのような店の構造をしています。
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 (2)「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」

「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」とは下のイラストのような店の構造をしています。
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(3)「店員空間がない、引き込み・回遊型店」

「店員空間がない引き込み・回遊型店」とは下のイラストのような店の構造をしています。

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渋谷スクランブルスクエアに限らず、全国の商業集積に存在する全ての「店」は、大まかには次のように四分類(店員空間の状況では八分類)することができます。
毎日利用したり見かけたりしている一つ一つの「店」は、一見大変複雑な構造をしているように思えますが、全国に存在するあらゆる「店」は次のいずれかの構造をした「店」となっているのです。

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そして、渋谷スクランブルスクエア2F(ファッション)においては、以上のように「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」と「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型店」と「店員空間がない、引き込み・回遊型店」の店を観察することができます。

さて、それぞれの構造をした店で、客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションが展開されておりますが、それにつきましては次回に詳しくご説明いたします。

続きは、次回に…。

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2020年3月 9日 (月)

8.思わず客が引きつけられる「六つのメッセージ」-----渋谷スクランブルスクエア三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

前回は、渋谷スクランブルスクエアB2(惣菜)において、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションについてご説明しました。

実は、渋谷スクランブルスクエアB2(惣菜)は、「なわばり」を解除する店員のアクションだけでなく、客を誘惑する「六つのメッセージ」を発信することによっても、多くの客を引きつけています。

今回は、B2食品(惣菜)の店が客を引きつけるために発信している「六つのメッセージ」についてご説明します。

↓誘惑のメッセージを発信している B2(食品)の様子
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(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ(誘惑のメッセージ①)

「店員空間の狭い接触型店」が立ち並ぶ回遊通路は、両サイドの店を冷やかしやすい「客空間」となっています。そして接客中や作業中の店員のアクションはいっそう「なわばり」を解除するために、買う買わないに関係なく客は自由に冷やかすことができます。そのような「客空間」と実際に回遊する大勢のひやかし客からも「初めての方ほどどうぞいらっしゃい!」という「見知らぬ人歓迎のメッセージ」が発信されています。

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(2)浪費は美徳のメッセージ

「店員空間の狭い接触型店」の「商品空間」は通路に面しているために、回遊客にとって見たり検討したりしやすい「商品空間」です。そして、その「商品空間」にはたくさんの「プライスカード」やPOPが準備されており、タイムセール価格や割引価格等も分かりやすく表現されています。そのような「プライスカード」や割引や特売を訴求した「POP」等からは、「どんどん買っちゃいましょう!」という「浪費は美徳のメッセージ」が発信されています。

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(3)返礼不要のメッセージ

実際に買わなくても自由に商品を眺めることができる「ショーケース」や、気軽に商品の味を試すことができる「試食コーナー」や非常に懇切丁寧に接客を行う店員の態度等からは、「お礼やお返し等は全く不要です!」という「返礼不要のメッセージ」が発信されています。


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(4)狩猟解禁のメッセージ
ほとんどの店が「店員空間の狭い接触型店」で構成されたこのフロアの回遊通路の両サイドには、美味しそうな色とりどりの食品を陳列した店が軒を並べています。このような店全体の雰囲気と、できるだけお買い得で美味しいことを訴求するための様々な創意工夫が施された「商品空間」からは、「どうぞ好きなだけ狩猟採集して下さい!」という「狩猟解禁のメッセージ」が発信されています。

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(5)もっともらしい理由のメッセージ

ほとんどの客は、きちんとした理由に基づいた行動をしなければいけないという日常生活のルールに縛られながらも、時には無意味や理由のつかない行動をしてみたいと願っています。そのような客を引きつけるために、「産地直送」や「限定販売」や「タイムセール」などの店員の掛け声や説明やPOP等からは、「非常に信頼のおける情報ですよ!」という「もっともらしい理由のメッセージ」が発信されています。

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(6)性をほのめかすメッセージ

芸能人の不倫騒動が連日TVを賑わす背景には、多くの人の無意識に自由な性に関する強い願望が潜んでいます。従って、若い男女の店員や行き交う見知らぬ多くの客の化粧や服装や立ち振る舞いなどから、「自由に性を楽しみましょう!」という「性をほのめかすメッセージ」が発信されています。

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以上、渋谷スクランブルスクエアB2(食品フロア)における、客を引きつけるための「六つのメッセージ」についてご説明しました。

リアルショップには、販売する商品を必要とする対象客が商品特性を十分に調べて必要な時に必要な数量だけを求めてやって来ているわけでは決してありません。
リアルショップの店員と客のアクションを観察すると、「なわばり」が解除された店に、そしてまたタブーを破るように誘惑する「六つのメッセージ」がより強く発信されている店に客が引きつけられていることがわかります。

実際に、多くの客を引きつけている店(繁盛店)と客が少ない店(非繁盛店)とでは、店員と客のアクションや発信されているメッセージが大きく違っていることを、どうぞ観察してみてください。

続きは次回に…。

 

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2020年3月 2日 (月)

7.B2(食品フロア)の客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクション----渋谷スクランブルスクエア三空間店舗分析(その1)

こんにちは。

前回は、渋谷スクランブルスクエアB1にある「グルマンマーケットキノクニヤ」が回遊客に訴求する「六つのメッセージ」についてご報告しました。
今回は、B2(食品フロア)の店が客を引きつけたり遠ざけたりする店員と客のアクションについてご説明します。

なお、以下の写真は2019年1月に撮影したものです。

↓ B2(食品フロア)の様子
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渋谷スクランブルスクエアB2の食品フロアは、いわゆるデパ地下の惣菜店と同じくほとんどが「店員空間の狭い接触型店」の構造をした店で構成されています。

↓ 「店員空間の狭い接触型店」は、通路に面した「商品空間」と狭い「店員空間」で構成された店のことです。
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↓ 「店員空間の狭い接触型店」で、店員がじっと立って客を待つと、「なわばり」を主張するアクションとなって客を遠ざけてしまいます。
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↓ じっと立つ店員のアクションと回遊客の様子
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↓ 客の通路に出て積極的に声を変える店員のアクションも「なわばり」を主張して客を遠ざける店員のアクションとなります。

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↓ 通路に出ている店員と客の様子
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「店員空間の狭い接触型店」においては、 店員が接客や作業のアクションを行うと、「なわばり」が解除されるために客を引きつけるアクションとなります。

↓ 客を引きつける接客中の店員のアクション

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↓ 客を引きつける作業中の店員のアクション
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↓ 接客中や作業中の店員と回遊客の様子
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「店員空間の狭い接触型店」の場合は、「商品空間」が客の回遊通路に直接面しているために、買い物中や検討中の客が店頭に立ち止まることによって「なわばり」が解除されるために、次々と回遊客を引きつける「サクラパワー」が生じやすくなります。

↓ 「サクラパワー」が生じて客を引きつける状況
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↓ 「サクラパワー」現象が生じている様子
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以上のように、渋谷スクランブルスクエアB2(食品フロア)においても、「なわばり」を主張する店員のアクションが客を遠ざけ、「なわばり」を解除する店員のアクションが客を引きつけ、そして「サクラパワー」を生み出す客のアクションが次々と回遊客を引きつけている様子を観察することができます。

続きは次回に…。


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