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2020年2月

2020年2月25日 (火)

6.「グルマンマーケットキノクニヤ」が客に働きかける六つのメッセージ----渋谷スクランブルスクエア三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

前回は「渋谷スクランブルスクエア」B1食品フロアの三空間店舗分析(その1)をご報告しました。

今回は、引き続き(その2)をご説明いたします。

B1食品フロアは前回にもご説明しましたように、スーパーマーケットとカフェ&バーで構成されています。

↓ 食品コーナーの様子
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↓ パンコーナーの様子
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↓ カフェ&バーコーナーの様子
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セルフサービス方式の店の店員のアクションは、接客中か作業中のアクションに限られるため、「なわばり」が解除された店となっています。

そして、「なわばり」が解除された店内からは、回遊中の客に少しでも多くの購入を促進するための「六つのメッセージ」(前々回参照)が発信されています。
(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ
(2)浪費は美徳のメッセージ
(3)返礼不要のメッセージ
(4)狩猟解禁のメッセージ
(5)もっともらしい理由のメッセージ
(6)性をほのめかすメッセージ

「セルフサービス方式」のスーパーマーケットは、この店(株式会社紀ノ國屋)が1953年当時に、日本人に比べて非常に買い物時間の長い在日アメリカ人に対する効率的な販売方法として導入されたのですが、この店が「六つのメッセージ」を発信している店であったことは誰も気づいてはいませんでした。

やがて、「セルフサービス方式」のスーパーマーケットが日本各地に受け入れられていったのは、この店が老若男女が望むメッセージを発信する店であったことに違いないのです。

↓ 「なわばり」が解除され、「サクラパワー」が発生し、「六つのメッセージ」が発信されているのです。
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以上のことは、「食品」に限らず「ファッション」や「雑貨」や「その他」の商品を販売する店においても観察することができます。

次回に続く…。

 

 

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2020年2月17日 (月)

5.B1「グルマンマーケットキノクニヤ」の店員と客のアクション----渋谷スクランブルスクエア三空間店舗分析(その1)

こんにちは。

前回は、「渋谷スクランブルスクエア」1階和洋菓子フロアにおける二店の「店員空間の狭い引き込み型店」の三空間店舗分析でした。

今回は、B2食品フロア全体を構成している「グルマンマーケットキノクニヤ」の店舗構造と店員と客のアクション分析です。

「グルマンマーケットキノクニヤ」は、スーパーマーケットとカフェ&バーで構成された店となっています。

尚、この店(株式会社紀ノ國屋)が1953年に日本で初めてセルフサービス方式のス-パーマーケットを導入したことは有名です。

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↑↓ 「グルマンマーケットキノクニヤ」のスーパーマーケットは、「店員空間のある、引き込み・回遊型店」となっています。
出入り口や通路に面した部分(接触型)には、「商品空間」を設けていないスーパーマーケットとなっています。

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↓ レジカウンター付近の様子

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↓ 「店員空間のある、引き込み・回遊型店」の構造をした店は、セルフサービス方式の接客を採用した店であるために、店員はレジカウンターの精算作業に専念するか、様々な作業中のアクションを行っています。従ってこれらは「なわばり」を解除する店員のアクションとなっています。

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↓ 精算をするためにレジカウンターに並ぶ客の姿は「サクラパワー」を生み出して、いっそう「なわばり」が解除された空間となるために、客は安心して「客空間」を回遊しながら「商品空間」を検討することができます。

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↑↓ 1960年代から1970年代にかけて、セルフサービス方式を採用したスーパーマーケットが日本各地に普及してきましたが、その隠された大きな要因は、店員が「なわばり」を主張しやすい従来までの店に比べて、店員が「なわばり」を解除するアクションのみが繰り返される店であったことなのです。つまり客にとって買う買わないに関係なく「自由に冷やかせる店」の初登場だったのです。

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この店の「三空間店舗分析」の続きはまた次回に…。

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2020年2月10日 (月)

4.客は「店」が発信するメッセージに引きつけられている  ----渋谷スクランブルスクエア三空間店舗分析(その3)

こんにちは。

前回~前々回は、渋谷スクランブルスクエア1階の店の三空間店舗分析をレポートしました。

↓ 1階和洋菓子フロアの様子
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今回は、1階の店全体から発信されている、「客を引きつけるメッセージ」についてご説明します。

ここ渋谷スクランブルスクエア1階の店を眺めながら回遊する多くの「客」は、「なわばり」が解除された店には引きつけられ、「なわばり」が主張された店からは遠ざけられていることについては前回までに報告してきました。

そして、実は「なわばり」が解除された店からは、さらに客を引きつける様々なメッセージが発信されています。

店が客を引きつけるために発信しているメッセージは、次の六つのメッセ―ジに分類されます。

  (1)見知らぬ人歓迎のメッセージ
  (2)浪費は美徳のメッセージ
  (3)返礼不要のメッセージ
  (4)狩猟解禁のメッセージ
  (5)もっともらしい理由のメッセージ
  (6)性をほのめかすメッセージ

以上のメッセージが回遊客の意識あるいは無意識に訴求して引きつける隠された要因となっているのです。
順番に詳しく説明します。  

(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ

↓「常連客」や「馴染み客」ではなく、「見知らぬ客」こそ大歓迎ですというメッセージで、見知らぬ老若男女が大勢行き交う通路に面しているすべての店から発信されています。

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↓ 買う買わないに関係なく自由に店内を冷やかすことができるセルフサービス方式を採用した店からも「見知らぬ人歓迎のメッセージ」は発信されています。
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(2)浪費は美徳のメッセージ

↓ 節約したり我慢したりしないで欲しいモノを欲しいだけ「どんどん買いましょう!」と言うメッセージで、割り引き価格のプライスカードやPOPや店内放送などから発信されています。

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(3)返礼不要のメッセージ

↓ 他人に対する貸し借りはきちんとしなければいけないという常識的なルールに縛られず、返礼を一切求めないというメッセージで、試食や試着やおまけや感じの良いおもてなしサービスなどから発信されています。

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(4)狩猟解禁のメッセージ
↓ 乱獲や自然破壊問題などを気にしないで、好きなだけ自由に狩りや採集をしても良いというメッセージで、むき出しになった大量陳列の「商品空間」等から発信されています。
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(5)もっともらしい理由のメッセージ

↓ きちんと責任を持った行動ばかりしないで、根拠のない唐突な行動を勧めるメッセージで、先着順サービスや本日限定POP等から発信されています。

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(6)性をほのめかすメッセージ

↓ 性に関する画像や言葉を敢えて避けないで、性をほのめかしたり連想させたりするメッセージで、セクシーなポスターや店員の化粧やユニホームや態度等から発信されています。

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以上、(1)見知らぬ人歓迎のメッセージ(2)浪費は美徳のメッセージ(3)返礼不要のメッセージ(4)狩猟解禁のメッセージ(5)もっともらしい理由のメッセージ(6)性をほのめかすメッセージが、「なわばり」が解除された店から発信されて、多くの客を引きつけています。

続きは次回へ…。

 

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2020年2月 3日 (月)

3.「サクラパワー」がなわばりを解除して客を引きつける店  ----渋谷スクランブルスクエア三空間店舗分析(その2)

こんにちは。

前回は、「渋谷スクランブルスクエア」1F和洋菓子フロアの大部分を占める「店員空間の狭い接触型店」の三空間店舗分析でした。

今回は、同じフロアにおける二店の「店員空間の狭い引き込み型店」の三空間店舗分析です。

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↑↓「店員空間の狭い引き込み型店」の、エシレ・パティスリーオブールは、店内に「商品空間」を引き込み、「客空間」を設けた構造となっています。また店の奥には厨房室があります。
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↓ 客は向かって右側のショーケースの所で注文をして左側にあるレジカウンターで商品を受け取り精算をするシステムとなっています。
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↓ 人気の商品の購入を目的にした客が早くから行列をつくるために、この店の店員は(1)「接客中」か(2)「作業中」のアクションを続けています。
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↓(1)接客中の店員のアクションは「なわばり」を解除します。

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↓(2)作業中の店員のアクションは「なわばり」を解除します。
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↓ そして、行列をつくるこの店の客のアクションはより強力に「なわばり」を解除する「サクラパワー現象」を引き起こして、店内の回遊客を引きつけています。

↓「店員空間の狭い引き込み型店」で生じた「サクラパワー」が通行客を引きつけている様子。

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↓ この店のすぐ隣にも「店員空間の狭い引き込み型店」ル・ショコラ・アラン・デュカスがあります。
この店は、詳しくは「店員空間の狭い接触型店」と「店員空間の狭い引き込み型店」の折衷型店舗の構造をしています。
また、奥には厨房室をそして左側には喫茶コーナーをも併設しています

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 ↓手前の通路に面した部分(接触型)と店内に引き込んだ部分(引き込み型)の両方に「商品空間」を設けています。

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↓ 一般的な「店員空間の狭い引き込み型店」では、店内の「客空間」に一人も客がいない場合は、店員は「店員空間」にじっと立って客を待ち受けるために「なわばり」主張のアクションを行ってしまいます。そしてそのアクションは「ひやかし客」を遠ざけてしまいます。

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↓店内の「商品空間」の前に客が近づいたり、通路に面した「商品空間」を客が眺めたりする状況が生じると、その客の姿(アクション)が「サクラパワー」を生み出して回遊客を引きつけています。

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↓「店員空間の狭い引き込み型店」でサクラパワー現象が生じた様子。

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以上のように、「渋谷スクランブルスクエア」1階にある二つの「店員空間の狭い引き込み型店」が客を引きつけたり遠ざけたりする様子を「三空間店舗分析」の観点からご説明しました。

次回に続く。

 

 

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