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2018年11月26日 (月)

人の動きでわかる店舗診断 第11回 「戸板一枚の店」の店員と客の法則

人の動きでわかる店舗診断

第11回 「戸板一枚の店」の店員と客の法則

このシリーズでは、様々な構造の店がお客様を引きつけたり遠ざけたりする様子をご紹介してきましたが、その基本となっているのが「戸板一枚の店」とそこに生じる店員と客のアクションです。


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まず、「戸板一枚の店」はあらゆる店の基本です。

人が行き来する場所に、商品を並べた戸板(約90㎝×180㎝)を置き、その後ろに店員が立てば、そこには「店」が生まれます。

多くの通行人は、この構造を見ただけで、そこが個人の住宅でも公園のような公共の場でもなく、モノが販売される特殊な場所であることを理解するのです。

したがって、売れる店をつくるためには、必ず「戸板一枚の店」の要素を持っていることが必要であることがわかります。

そして、すでに繰り返しご説明しているように、店はそもそも店員の「なわばり」なので、「なわばり」の所有者である店員が有利で、侵入者である客が不利な立場になります。

一般的な「お客様第一」という店員教育の影響でついつい見失いがちですが、「店」においては客より店員の方が立場が上なので、ほんのちょっとした店員の行動が客に影響を与え、追い払ってしまうことになるのです。

以上二つの点を踏まえて、販売現場(店)で起きる店員と客のアクションを再確認してみましょう。

最も基本的な客を遠ざける店員のアクションは「店内にじっと立つ」ことです。

かつては、店員が店内にきちんとした姿勢で立ってお客様を待つことが奨励されていましたが、このアクションは敵(客)が来たらすぐに攻撃を開始する(なわばりを主張する)という情報をだすので、客を遠ざけるのです。

同様に、客が来るやいなや「いらっしゃいませ」を言うことや店頭にじっと立って客を待つことも「なわばり主張」のアクションとなって客を遠ざけます。

一方、客を引きつける店員のアクションは「作業中のアクション」と「接客中のアクション」です。

店員が作業に気を取られている様子と、他の客に接客している様子は、客が店に近づいて商品を見てもすぐには接客しない(なわばり解除)という情報を発信するため、客を引きつけるのです。

また、店内の商品を見る客の姿は、その店が今「なわばり解除」されており安全であること、魅力的な商品があることを知らせる重要なサインになります。

そこで、客が客を呼ぶ「サクラパワー」現象が起こり、ますます多くの客を引きつけることになるのです。

繁盛店をつくる理屈は実は非常に簡単です。

常に「なわばり」を解除し、サクラパワーが絶えない状況をつくりだせばいいのです。

「店」をつくるときには、まず「なわばり」を考える。

そのことが繁盛店をつくるための第一歩なのです。

(この本文とイラストは月刊誌「企業診断」〈同友館〉に2017年に連載したものです)

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