« 44.「お辞儀」と「うなずき」と「案内」のアクションから相手を見抜く方法(14) | トップページ | 45.「お辞儀」と「うなずき」と「案内」のアクションから相手を見抜く方法(15) »

2018年10月17日 (水)

人の動きでわかる店舗診断 第6回 フロアで独り勝ちする人気のファッション店とは?

人の動きでわかる店舗診断

第6回 フロアで独り勝ちする人気のファッション店とは?

●周囲の店に遠ざけられたお客様を引きつけて高い業績をあげるファッション店の秘密

Photo_2


この店は、ある主要駅の改札口のすぐそばにあるショッピングモールの上層階(メンズファッションフロア)にある中堅のセレクトショップです。

お客様の主導線となるエスカレーターからは離れていますが、エレベーターホールのすぐ前にあり、店の3面が通路に面した好立地にあります。

店の広さはだいたい中くらい。

イラストで見てもわかるように、特に大きなディスプレイ物や個性的なファサードやインテリアもないので、どちらかというと平凡な店という印象を受けるかもしれません。

ところが、驚くべきことに、この店は全館の中でもトップクラス、このフロアにおいては第1位の売り上げをあげているのです。

実はこのフロアにはもっと有名な店も、もっと広い面積を使って独自の世界観を演出している店も存在していますが、そうした店は意外に苦戦をしているのが現状なのです。

さて、この店を改めて観察すると、通路のごく近くまで商品空間がせり出しているので、「接触・引き込み・回遊型店」に分類できます。

店員がカウンターに入っていますが、セルフ販売方式ではないので、「店員空間がない店」(店員が客空間に出て接客する店)と考えられます。

さて、この店の最大の特徴は、通路に面する3面のうち、右側面と正面に「戸板1枚」の商品空間(約90㎝×180㎝の戸板に置ける程度の商品量を基本とした商品ディスプレイ)が何か所かつくられていることと、店内も低い位置から陳列された「戸板1枚」の商品空間を基本として構成されているということです。

すでにご説明したように、「なわばり」が解除された「戸板1枚」の商品空間はお客様を立ち止まらせる役割を果たし、その両脇に店の「入り口」を生じさせるので、そこから次々とお客様が店内に入ってきます。

さらに、この店は店内にも安全な回遊通路ができているため、お客様が安心して商品を見たり試したりすることができるのです。

そしてもう一つ、決定的なのが店員の接客です。

彼らはお客様が店内に入って来ても、すぐには接客を開始せず、電話や商品の整理を行っています。

もちろん、そのまま何も買わずに出ていくお客様はたくさんいますが決して追いかけることはせず、お客様の方から声がかかると、すぐに対応していねいに接客します。

このように、この店は「なわばり」が解除された状態が持続しているので、他店から遠ざけられたお客様が自然に集まり、客が客を呼ぶ「サクラパワー」が生じる頻度も高くなって、高い業績をあげているのです。

次回は近年流行の失敗しやすい店舗をご紹介します。


(この本文とイラストは月刊誌「企業診断」〈同友館〉に2017年に連載したものです)

星座の場所を
応援クリック
お願いいたします


人気ブログランキングへ


【関連記事】

1.人の動きでわかる店舗診断 第1回 大勢の客を引きつけるデパ地下洋菓子店の秘密

2.人の動きでわかる店舗診断 第2回 全面オープンなのに入りにくいおしゃれ雑貨の店

3.人の動きでわかる店舗診断 第3回 思わずお客様が立ち止まる人気靴店の店づくりとは?

4.人の動きでわかる店舗診断 第4回 簡易な店のつくりが魅力のアクセサリー店

5.人の動きでわかる店舗診断 第5回 おしゃれなのになぜかお客様が入らない店

 

 

 

|

« 44.「お辞儀」と「うなずき」と「案内」のアクションから相手を見抜く方法(14) | トップページ | 45.「お辞儀」と「うなずき」と「案内」のアクションから相手を見抜く方法(15) »

◆人の動きでわかる店舗診断」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/119616/67266342

この記事へのトラックバック一覧です: 人の動きでわかる店舗診断 第6回 フロアで独り勝ちする人気のファッション店とは?:

« 44.「お辞儀」と「うなずき」と「案内」のアクションから相手を見抜く方法(14) | トップページ | 45.「お辞儀」と「うなずき」と「案内」のアクションから相手を見抜く方法(15) »