58.さびれゆく小売店が教えてくれるもの②「さびれゆく小売店はどうすればいいのか?」(1988年当時)
こんにちは。
繰り返しお話していますが、約30年前の1988年当時、全国の大部分の商店街は停滞ないしは衰退しているという現状でした。
そしてそのことを打開するために、多くの商店街において、様々な商店街活性化策や商店街振興策が取り組まれていました。
また、前向きな店主たちは、単独で店舗改装をしたり特別セールを開催したりしましたが、大抵は大きな成果を上げることもできないままに終わってしまいました。
結局、一度去って行ってしまったかつての通行客を再び商店街に呼び戻すことは至難の業だったのです。
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店は店員の「なわばり」であるために、客は店員の「なわばり」を絶えず気にしながら買い物をすることになります。
だから、店員の「なわばり」が主張されないで、「なわばり」が解除された店が、客にとってはひやかしやすく買いやすい店となります。
そして、店員の「なわばり」が解除された、客にとってひやかしやすく買いやすい店を生み出すものは、何といっても大勢の見知らぬ通行客なのです。
したがって、商店街の通行客の減少は、「なわばり」を主張して客を遠ざけやすい店を生み出していくことになったのです。
以上のことを敏感にキャッチした店主の中には、かつての通行客が移動した近くの新しい道路沿いに新しい店を出店して、いつでも元の商店街の店を閉める準備をした店主もいました。
まだまだその当時は、大勢の通行客さえあれば、商店街という商業集積自体も、また商店街を構成する小売店の構造と売り方自体も、客に対して十分に満足を提供できるものでありました。
しかし、すぐ近くに繁盛商店街ができたからと言っても、商店街のほとんどの店主は、さっさと店をたたんで新天地に店を構えることはできませんでした。
それが当時の日本の商店街を構成していた各小売店の特徴でもあったからです。
(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)す
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