44.商店街はなぜさびれたのか?⑥「若者に人気のないカバン店」(1988年当時)
こんにちは。
セルフサービス方式のスーパーやコンビニやドッラグストア等の店は、店員が少ない店です。
そのような店員が少ない店が、もっと店員を少なくするために急激に機械化を進行させています。
そして、多くのリアルショップは、全く店員のいないネットショップに、果てしなく近づいて行こうとしています。
意外なことに、ネットショップに果てしなく近づいて行こうとしている現在のリアルショップからは、客にとって益々快適なサービスが提供されています。
なぜなら、接客下手な店員から解放された買い物が楽しめるからです。
商店街の店がさびれていった大きな要因の一つに、店の奥や二階に住み込んでいる馴染みの店主が、いつも店頭や店内でじっと待ち受けていたことがあげられます。
今回は、店主のアクションが客を遠ざけていった商店街の二つのカバン店の様子をご紹介いたします。
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44.商店街はなぜさびれたのか?⑥「若者に人気のないカバン店」(1988年当時)
次のイラストは、1988年当時の各地の商店街でよく見られた規模の小さい二つのタイプのカバン店の様子です。
上の店の店舗構造は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」です。
小さい店ながらも、店頭や店内には大量の商品が陳列されています。
一般に、大量の商品が陳列された店は「ひやかし安全信号」が発信されるとともに、「商品空間」の「なわばり」が解除されやすいので、通行客を引きつけやすい店と言えます。
ところが、上の店は、流行遅れの商品が多いことと、店頭にじっと立つ店員の姿が「なわばり」主張のアクションとなって、なかなか通行客を引きつけることができません。
下の店の店舗構造は、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」です。
この構造をした店で、下の店のように規模が小さい場合には、店員の「なわばり」主張のアクションが目立ってしまうために、ひやかし客は気軽に入って行くことができません。
また、ひやかし客が生み出す「サクラパワー」が起きない店は、数少ない常連客だけが訪れる店となっていくのです。
※店員空間のない、引き込み・回遊型店
店頭にじっと立って客を待つ店員のアクションと、店内にじっと立って(あるいは座って)客を待つ店員のアクションは、どちらも「なわばり」を主張して客を遠ざける典型的なアクションです。
さびれていった各地の商店街では、以上の二つの店員のアクションをいつでも容易に観察することができました。
各地の商店街の店の大部分は、店主が「なわばり」主張のアクションをやり続けることによって、客を遠ざけていったのです…。
(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)
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