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2018年6月27日 (水)

49.商店街はなぜさびれたのか?⑪「ない魚は売れない鮮魚店」(1988年当時)

こんにちは。

全国各地の繁華街は、大勢の人が絶えず行き交う「道」に沿って発生して来ました。

そして、その大部分が商店街へと発展しました。

大勢の人が行き交う「道」は、商品を売る側の「店」にとって大変好都合な立地であると同時に、商品を買う側の「客」にとってもまた、大変好都合な場所だったのです。

なぜなら、モノを自由に売り買いするためには、「なわばり」が解除される必要があり、そのためには、「店員」と「客」はお互いに見知らぬ同士である必要があったからです。

つまり、匿名性が担保された見知らぬ同士の関係や、「なわばり」を解除しやすい関係を生み出すためには、大勢の人が行き交う「道」という環境が不可欠だったのです。

全国各地の商店街がさびれていったのは、大勢の人の往来が途絶え、見知らぬ同士の関係が築けず、「なわばり」を解除することができなくなっていったからなのです。

馴染みの店主が二代目に店を承継し、さらに長年の馴染みとなった店で構成された商店街が、昔ながらの常連客を引きつけて繁盛を続けてゆくことなどは、現実には不可能なのです。

今回も、かつての通行客を失って「なわばり」を主張しやすい店となった、商店街の鮮魚店をご紹介いたします。


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49.商店街はなぜさびれたのか?⑪「ない魚は売れない鮮魚店」(1988年当時)

次のイラストは、1988年当時の各地の商店街でよく見られた鮮魚店の様子です。

そして上のイラストの店舗構造は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」です。

この構造は、一般的には規模の大きい店が採用する店舗構造で、店全体の「なわばり」が解除されやすく、特に道路に面した「商品空間」の「なわばり」が解除されやすいために、そこが通行客にとって一番ひやかしやすい「商品空間」となります。

しかし、特に鮮魚店の場合は、開店当初は大量の商品が陳列されていますが、時間の経過とともに、商品量が減少していく特性があります。

そのために、商店街の鮮魚店の場合は、いくらひやかしやすい「商品空間」であっても、商品が少なくなると共に魅力も減少していき、次第に「なわばり」が主張された「商品空間」となってしまいます。

 

P173_2


Photo
※店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店

 

Photo_2
※店員空間の狭い接触型店

 

下のイラストの鮮魚店の店舗構造は、冷蔵ケースを店の前面に押し出した「店員空間の狭い接触型店」です。

道路に面した「商品空間」を冷蔵ケースにしたこの店は、在庫商品を長時間陳列することができ、しかも「なわばり」が解除されやすい店の構造ですが、規模の小さい店であるために、魅力的な「商品空間」とは言いがたくなっています。

商店街の中やすぐそばに進出して来たスーパーマーケットの鮮魚コーナーは、温度管理がしやすい「商品空間」や、規模の大きい冷蔵ケースなどが導入されているために、開店から閉店まで長時間に渡って、大量の商品を陳列することができるために、「なわばり」が解除された魅力的な「商品空間」となっています。

通行量の減少に伴い、商店街の中ではいつも活気が漂っていた生鮮三品を販売する店も、次第に店主の掛け声が小さくなっていったのです。


(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)

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