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2018年6月11日 (月)

42.商店街はなぜさびれたのか?④「過去を売り続ける衣料品店」(1988年当時)

こんにちは。

商店街の店の多くの店主は、客の気持ちを誤解していました。

多くの店主は、「客は、馴染みの店での買い物を望んでいる」と思ってきました。

しかし、客は本心では、「見知らぬ客」として「見知らぬ店員」から買い物をすることを最も望んでいたのです。

このことは、やがて多くの店主達も気づくことになったのですが、気づいた後も、客の要望に応える改善策にはなかなか取り組むことができませんでした。

なぜなら、住居一体型の商店街の店は、新天地を求めて、おいそれとは商店街から飛び出していくことができなかったからです。

そしてやはり、座したままでは、なかなか改善策を見つけることができなかったのです。

今回ご紹介する商店街のファッション店は、前回のファション店(ブティック)とは店舗構造が大きく異なっているにも関わらず、常連客を次第に遠ざけてしまいました。


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42.商店街はなぜさびれたのか?④「過去を売り続ける衣料品店」(1988年当時)

次のイラストは、1988年当時の各地の商店街で、しかもアーケードのある商店街でよく見られたファッション店の様子です。

店頭が閉め切られた前回のブティックとは反対に、店頭がオープンになっているために、店内の様子がわかりやすいこの店の店舗構造は、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」です。

アーケードのある商店街の店は、店頭の「商品空間」が風雨や日差しにさらされて劣化する心配も少ないために、このタイプの店舗構造が主流となっていました。

特に大量の商品が陳列された「商品空間」からは、ひやかし安全信号が発信され、「なわばり」が解除されやすい店舗構造ですが、残念ながら流行の商品がほとんど陳列されていないために、ひやかしやすい「商品空間」ではありませんでした。

また、店主が店頭や店内の通路にじっと立っていたり、早すぎる「いらっしゃいませ!」を開始したりして、「なわばり」主張の店員のアクションを行っていました。

 

P165


Photo_3

※店員空間のない、接触、引き込み・回遊型店

前回の小さなブティックの店舗構造は非常に入りにくい店でしたが、客にとっては魅力的な商品を販売している店でした。

今回のファッション店は、ブティックの店に比べてはるかに入りやすい店舗構造ですが、商品の魅力はほとんど感じられませんでした。

さらに、このようなファッション店の店主たちの大部分は、馴染み客への接客が、「なわばり」を主張して客を遠ざける店員のアクションであることを受け入れることができないまま、衰退を余儀なくされていったのです。


(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)

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