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2018年5月 7日 (月)

27.買いたい人にだけ買ってもらう宝石店の構造(1986年当時)

こんにちは。

高額商品を販売する店のベテラン店員ともなれば、来店客を一目見ただけで、「買いそうな客」か「買いそうにない客」かを判断することができます。

従って、どちらかの判断に基づいて、店員の接客が行われることになるのです。

しかし、その判断は常に正しいとは限りません。

そのため、「買いそうにない客」だと判断されそうな客が、意を決して買う気で店に行った場合は、より強いプレッシャーを感じてしまいます。

意外なことに客は、店員から「買いそうにない客だと思われた!」と感じたために、ついついその店員から買ってしまうという、おかしな行動をとることがあります。

実際には、もっと他の店の商品も見比べてじっくりと検討してから、購入を決定したかったにもかかわらず買ってしまい、あとあと後悔することも少なくありません。

「買いそうな客」か「買いそうにない客」かを一目で判断できると思っている店員は、じつは店が店員の「なわばり」であり、客は店員の「なわばり」に入ってモノを買うということには無頓着な店員なのです。

従って、やがて高額商品の店の競争が激化し、「なわばり」を解除した店舗構造と接客方法が不可欠なのだと店側が気づく時まで、「入りにくい店」、「買いにくい店」は生き残ることになるのです。

さて今回は、約30年前の「宝石店」は、買う気のある客だけを選別するような店舗構造と接客方法であったことをご説明いたします。


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27.買いたい人にだけ買ってもらう宝石店の構造(1986年当時)

1988年当時(約30年前)の百貨店の宝石売り場は、買う気のない客や、買う気があってもいろいろと比較検討してみたい客にとっては、店員の早い接客アプローチが気になって、気軽に商品を眺めることができる場所ではありませんでした。

当時の宝石売り場の販売関係者達の中には、買う気のない「ひやかし客」が大勢回遊するような宝石売り場は、買う気のある客を遠ざけてしまうと考える人も多く存在していました。

そのために、早い接客を開始して、直ぐに遠ざかる客は買う気のない「ひやかし客」だと判断し、「ひやかし客」は遠ざけても良いと感じていました。

宝石売り場であろうと何の売り場であろうと、客は「なわばり」が解除された店に引きつけられますが、大勢の客が回遊しているコーナー(
サクラパワー)には最も強力に引きつけられます。

そして、「なわばり」が解除された店の商品が売れることになるのです。

下のイラストの百貨店の宝石売り場の店舗構造は、「店員空間の狭い接触型店」です。

「店員空間の狭い接触型店」は、デパ地下のほとんどの店の構造と同じですが、どの店の店員もじっと立って客を待ち、客が近づくと直ぐに接客を開始するために、全く違った店舗構造に感じてしまうのです。

 

 

 

P129


↓当時の商店街にあった貴金属店は、百貨店の宝石売り場以上に、気軽にひやかせる店ではありませんでした。

その原因は、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」の店舗構造と、来店客に対して直ぐに接客を開始する店員のアクションが、共に客を遠ざける「なわばり」主張をいっそう強くしていたからです。



P128
Photo

※店員空間のない、引き込み・回遊型店

 

以上のように、客にとって、当時の百貨店の宝石売り場や商店街の貴金属店が、非常に入りにくい店だと感じたのは、決して高額な商品を販売しているからではなく、「店舗構造」と「店員のアクション」が、「なわばり」を強く主張していたことが、一番の要因なのです。

(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)

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