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2018年5月16日 (水)

31.たばこのコーナーが店をダメにしてきた(1988年当時)

こんにちは。

喫煙が本人や周囲の人たちに対して、大きな健康被害を及ぼすということに、ほとんどの人が関心を示さなかった時代がありました。

ほんの30年前の1988年当時も全くその時代でした。

だから、各地の商店街の店には、次々とたばこのコーナーが設置されていきました。

様々な業種の店主たちは、従来までの客に加えて新たな客が安定して増えると考え、競って当時の日本専売公社が提案した「たばこのコーナー」を受け入れたのです。

「店は店員の『なわばり』であり、客はその『なわばり』に入って買い物をする」ということなど、全く想定だにしなかった各地の店主達と日本専売公社さんによって、店はどんどん「入りにくく、買いにくい店」になっていったのです。

さて今回は、約30年前に、たばこのコーナーを設置した多くの店が、売れなくなってしまった原因についてご説明します。


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31.たばこのコーナーが店をダメにしてきた(1988年当時)

下のイラストの店は、約30年前の1988年当時に、各地の街角でよく見られたたばこのコーナーを店頭に設置した店の典型的な様子です。

雑貨店、食品店、文具店、酒販店、化粧品店、薬粧店等々の様々な店の多くが、店頭にたばこのコーナーを設置していました。

たばこのコーナーを設置することのよって、店の構造は複雑になり、客にとっては次第に入りにくい店になっていったのです。

この店の構造は、「店員空間の狭い接触型店」(たばこのコーナー)と、「店員空間のない引き込み・回遊型店」(主体の店)の折衷型店舗となっています。

 

P138
Photo_3
※店員空間の狭い接触型店

Photo_5
※店員空間のない、引き込み・回遊型店

以上のような、折衷型店舗に変化することによって、店員が待機する場所が大きく変化しました。

従来の店のは、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」でしたが、タバコのコーナーを設置することによって、店頭近くに店員が常に待ち受ける店へと変化しました。

元の店も、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」であったために、決して、冷やかしやすさや入りやすさを感じさせる店ではありませんでしたが、折衷型店舗になることによって、いっそう「なわばり」主張の店員のアクションが生じやすい店となったのです。

↓右側の店は、たばこのコーナーを設置しなかった従来の店で、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」です。

↓左側の店は、店頭にたばこのコーナーを設置した店ですが、店全体の構造にはほとんど変化はありません。

↓しかし、客にとっては、たばこのコーナーで待機する店員の姿が気になって、店頭の商品すら気軽には冷かし難くなりました。



P139

 

Photo
※店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店

 

許可制度のたばこのコーナーを設置することによって、安定した売り上げ増が見込まれると想定した店主の考えは、設置した当初は多少の売り上げ増につながりましたが、次第に客足が遠ざかる店へと変わっていきました。

たばこのコーナーで客を待ち受ける店員の存在は、店全体の客に対しては、「なわばり」主張の店員のアクションとなって客を遠ざけることには、気づけなかったのです。

やがて、従来の店の客は大幅に減少し、タバコ客主体の店へと衰退していったのです。

(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)

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