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2018年4月13日 (金)

19.ひやかすには勇気が必要だったブラウス売り場(1988年当時)

こんにちは。

前々回は、約30年前(1988年当時)の百貨店で、化粧品コーナーが客にとっては最も怖いコーナーであったということ。

前回は、同じく百貨店の紳士服コーナーもまた、客にとっては非常に近づきにくいコーナーであったということについてご説明しました。

引き続き今回は、同じく百貨店のブラウス売り場もまた、客にとっては買わずに商品を見て歩く(ひやかすこと)には、非常に勇気が必要だったというご説明をします。

19.ひやかすには勇気が必要だったブラウス売り場(1988年当時)

客にとってひやかすには勇気がいる百貨店のブラウス売り場の店舗構造は、前回の紳士服コーナーと同じく、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」でした。

下のイラストのように、店頭や店内の回遊通路できちんとした姿勢でじっと立っている店員のアクションは、客を遠ざける「なわばり」を主張のアクションになります。

ところが、当時、そのことに対する理解がまったくなかった百貨店の販売関係者達と接客の専門家達の熱心な指導によって、このような接客が盛んに行われていました。

しかし、実際には、このような接客方法が客を遠ざける原因になるということを日々の販売で体験し、できるだけこのようなアクションをしないようにして、高い売り上げを上げている店員も、ごく少数ですが存在していました。

 

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※店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店(当時のブラウス売り場)

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※店員空間の狭い接触型店(その前のブラウス売り場)

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目の前を通る客に対して、じっとしているだけでなく、積極的に「いらっしゃいませ!」の声をかける店員のアクションは、いっそう「なわばり」を主張する店員のアクションとなって、客を遠ざけました。

積極的に声をかけなくても、什器にもたれかかったり、店内を回遊する客の背後にぴったりとはりつくことも、客にとっては非常に嫌な感じのする店員のアクションでした。

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以上のような、客を遠ざける店員のアクションがブラウス売り場で数多く見られたことには、大きな原因がありました。

それは、かつてのブラウス売り場の店舗構造は、「店員空間の狭い接触型店」でしたが、店舗リニューアルを繰り返して、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」になったことでした。

「店員空間の狭い接触型店」の場合も、ショーケースに陳列されたブラウスを気軽に眺めることはできませんでしたが、店員がショーケースを挟んで対面接客をする店の方が、店員が直ぐそばに来て側面接客をする店よりも、まだしも客にとってはひやかしやすい店でした。

つまり、「店員空間の狭い接触型店」よりも、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」の方が、「なわばり」を主張して客を遠ざける店員のアクションが引き起こされやすい店舗構造なのです。

そのために、百貨店の販売関係者や接客の専門家達によって、高度な接客方法がブラウス売り場にも導入されてきたのです。

この頃から、百貨店の接客方法は、誰でもが習得できない高度な接客方法へと舵が切られていったと言っても過言ではありません。

そして、果たしてそれが良かったかどうかは、その後の百貨店の経緯が証明することとなったのです。


(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)

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