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2018年4月 2日 (月)

14.改装したら接客が難しくなったブティック風の化粧品店(1988年当時)

こんにちは。

大抵の物販店において、閉店セールと開店セールは大繁盛するものです。

しかし、いくら大繁盛しても閉店セールはそれでおしまいです。

そして、開店セールで大繁盛した店の大部分は、開店セールが終わると同時にその大繁盛が終了してしまいます。

実は、閉店セールで大繁盛する理由と、開店セールで大繁盛する理由は全く同じなのです。

いずれも、通常よりも割引セールを行うために、広範囲から客がやって来て、店内外に「サクラパワー」を生み出し、その力がさらに通行客を引きつけます。

また、いずれの場合も、通常よりも大量の商品やプライスPOPが用意されるために、「商品空間」から強力な「ひやかし安全信号」が発信されます。

そして、何よりも通常と異なることは、来店客が多いために、店員が接客や様々な作業に追われて、「なわばり」主張のアクションを一切行わず、「なわばり」解除のアクションばかりをやり続けることなのです。

このように、閉店セールと開店セールは、実はまったく同じ理由で大繁盛しているのです。

従って、この理由をきちんと把握して、ブレない限り、店舗改装が失敗することは無いはずなのです。

しかし、残念ながら、店を新しくして開店セールを行うことによって、さらに多くの客を呼び寄せようとする店舗改装の多くが失敗に陥っています。

店を新しくして、居心地の良い空間を客に提供しようとする店主と店舗改装業者たちが共通して見落としていることは、閉店セールと開店セールの大繁盛の理由です。

時代を越えて、物販店が売れる秘密は、閉店セールと開店セールの大繁盛の理由に隠されているのです。

さて今回は、1988年当時、現代風のデザインを取り入れた店舗改装をすることによって、改装前の店の時よりも売れなくなってしまった化粧品店をご紹介します。


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14.改装したら接客が難しくなったブティック風の化粧品店(1988年当時)

下のイラストの店は、改装後の化粧品店です。

改装後の店の構造は、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」です。

 

P88

Photo

改装をする際の店主の考えは、「客にとって居心地の良い空間を提供すること」でした。

そのために、店頭には何も置かず、店内もすっきりさせることに努めました。

そのために、店は人が落ち着く居住空間としては出来上がっていますが、客にとって、「なわばり」が解除された「客空間」や「商品空間」ではなくなりました。



P89

店内で待ち受ける店員のアクションは、通行客にとっては、「なわばり」主張のアクションとなってしまうために、気軽に入って行くことのできない店になってしまいました。

意を決して入って来た「冷やかし客」は、店員から直ぐに「いらっしゃいませ!」の接客を受けるために、気軽に店内の商品を眺めることができません。

「客空間」と「店員空間」を共有する、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」は、接客技術の高い店員でなければうまく使いこなすことができません。

なぜならば、来店客の出迎え方、回遊客への接し方、「いらっしゃいませ」や「何をお探しですか」等の接客開始のタイミングの取り方等々、随所に高度な接客技術を必要とするからです。

皮肉なことに、客にとって居心地の良い空間を目指すあまり、店員にとっては居心地が良くて、客にとっては大変居心地の悪い空間となってしまったのです。

やはり、いくら店を新しくしても、「なわばり」を解除できない店には、客はやって来ないのです。


(なお、イラストは1988年の拙著「続・入りやすい店売れる店・日本経済新聞社」からの抜粋です)

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