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2017年12月26日 (火)

74の(2).はいりやすく出やすいレイアウトが客を呼ぶ◆変則的なレイアウトがつくるはいりやすく出やすい店(ファッション・メルローズ)※1986年当時

こんにちは。

全国各地の商店街がシャッター商店街へと衰退していった現実を目の前にしていながらも、店は「立地」が決め手であるということを受け入れられない店舗設計&店舗販売関係者は、現在もたくさん存在しています。

店は、大勢の見知らぬ人が行き交う「立地」に出店して初めて、大勢の客の気持ちに応えられる店になる可能性を持つことになります。

店は「立地」が全てなのです。

何度もこのブログでご説明していますが、「エキナカ・駅ソトショップ」は、もともと店の立地として最高の場所であったところ(駅ナカ・駅ソト)に新たにつくった商業集積だからこそ、大勢の客を引きつけているのです。

店として不可欠な「立地」とは、大勢の見知らぬ人が行き交う移動空間であることです。

なぜならば、その店は、(1)「なわばり」を解除する店員のアクションと、(2)「なわばり」を解除する「サクラパワー」を提供し、行き交う移動客をいつでも「ひやかし客」にすることができるからです。

さて、以上のことを考慮しつつ、「74の(2).はいりやすく出やすいレイアウトが客を呼ぶ(ファッション・メルローズ)※1986年当時」をお読みください。


(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)

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74の(2).はいりやすく出やすいレイアウトが客を呼ぶ(ファッション・メルローズ)※1986年当時

◆変則的なレイアウトがつくる はいりやすく出やすい店

DCブランドの店が登場してくるまで、ファッション店の典型的な構造は、接触・引き込み・回遊型でした。

路面店の場合でも百貨店内の店の場合でも、とにかく客の目につきやすいところにできるだけ商品を並べておいて客をひきつけ、店内に誘導してこようという発想が主流だったのです。

ところが、DCブランドの店ではこうした考え方とはまったく反対の店舗レイアウトをしていきました。


Img670

すなわち、店頭には一切商品を出さず、客空間を広く店内に引き込んで、その奥のほうにごく少量の商品を並べた、引き込み・回遊型の店舗レイアウトです。

このタイプの店は一様に、会員制のクラブではないのかと疑いたくなるような閉鎖的なイメージを持っています。

店内は広々としているのですが入り口は狭く、その中に自分の店の商品を身に着けたハウスマヌカンがいて、強いなわばり主張をしています。

こうした店では、なわばり主張の強い店をつくることによって、一般のファッション店との差別化に成功してきました。

客層を絞り込んで、関係のない客がはいりにくいようにした店づくりが、こうした店の顧客の気持ちを満足させてきたのです。

ところが、こうした店の数が増え競争が激化してくると、はいりやすい店のほうが売り上げをあげるようになります。

多くの客をひきつけるためにはなわばりを解除しやすい店をつくりたいのですが、商品を店頭に並べてしまったのでは一般のファッション店と区別がつかなくなってしまいます。

差別化されたイメージを残したまま、客がはいりやすい店をつくりたいという矛盾した問題に対する一つの解答がこの店のレイアウトです。


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Img6732

この店は、他の百貨店やファッションビルの中の店に比べて、はるかにはいりやすい店なのです。

この店の間口が広くて奥行きが浅いという構造は、この店が客をひきつける際の大きな要素になっています。

もちろんこの店でも、客層を絞り込んだイメージを出すために、入り口近くに四本の柱を置いたり、店のまわりを壁で囲ったりはしていますが、それでもやはり他の場所に出店している店よりはずっとオープンな構造になっています。

この構造のおかげで、店のなわばり主張は大幅に緩和され、店には百貨店が集めている一般客が数多く流れこみます。

こういった商品に興味があっても、なかなか店に近よれなかった多くの客が、この店ならば自由にひやかすことができるのです。

次回、「74の(3).はいりやすく出やすいレイアウトが客を呼ぶ◆店内を回遊する客の姿がサクラパワーをひきおこす(ファッション・メルローズ)※1986年当時」に続く。

 

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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