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2017年12月 5日 (火)

72の(2).二兎追う店は一兎も得られない折衷案の店(洋菓子・駅ビル内)※1986年当時

こんにちは。

1960年代~1970年代にかけてスーパーマーケットが、1970年代~1980年代にかけてコンビニエンスストアが、それぞれ日本各地に急激に普及してきました。

スーパーもコンビニもセルフサービス方式を採用した店であり、非セルフの店に比べて「安い」ということが客を引きつける一番の要因でした。

とはいえ、スーパーは確かに当時の商店街の店に比べて安く販売していましたが、コンビニは安くはありませんでした。

しかし、身近にあって、24時間営業(当初は長時間営業)であることが、客にとっては結局「安い」ということになったのです。

1986年前後に、「人の動き」という観点で、全国の様々な店を観察した結果、(1)店員が接客中や作業中のアクションをしたり、(2)客がサクラパワーを生み出したりしている店が、多くの客を引きつけていたことに関しては、このブログで繰り返しご報告してきました。

(1)接客中や作業中の店員のアクションと、(2)客が生み出すサクラパワーは、店の「なわばり」を解除するために、「冷やかしやすく買いやすい」店つまりは、当時の客にとっては「安い」店と感じさせたのです。

その後も客は、「水は高きから低きに流れる」ように、「安い」店へ「安い」店へと引きつけられていることに変わりはありません。

例えば、セルフサービス化が完了した全国各地のガソリンスタンドが、その後、送迎や案内や説明などを行う店員を新たに増員しています。

同じセルフであっても、店員の姿が見えないガソリンスタンドよりも、様々な作業に追われる店員の姿が見えるガソリンスタンドの方が、より「安い」と客が感じているからです。

さて、以上のことを考慮しつつ、「72の(2).二兎追う店は一兎も得られない折衷案の店(洋菓子・駅ビル内)※1986年当時」をお読みください。


(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)

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72の(2).二兎追う店は一兎も得られない折衷案の店(洋菓子・駅ビル内)※1986年当時

この店の苦しさは、贈答品(店頭左右のケース)と持ち帰り品の場所(店内奥)を簡単には変えられないというところにあります。

このままのレイアウトで店頭にケーキを持ってくると、代表商品である贈答品が目だたなくなり、専門店としての個性を失ってしまうからです。

 

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この店がうまくいかないもう一つの原因に店員の行動があります。

この店のような折衷型の店にはよく起きることなのですが、店頭のケース(右側)の商品を販売するために、店員が店頭に出て客待ちをすると、どうしても客を追い払うことになります。

特に持ち帰り品のケーキ(店内奥の位置)をひやかそうとする客は、完全にシャットアウトされます。


Img6043
※じっと立つ店員のアクションは「なわばり」を主張する

Img6044
※早すぎる「いらっしゃいませ!」は「なわばり」を主張する

このような店員の行動は、実は店のレイアウトに導かれて起こるので、店全体の構造を変えない限り解決は難しいでしょう。

自分で自由に店舗レイアウトを変更できる店でありながら、なかなか理想的な三空間設計ができずに、袋小路に陥っていく店はたくさんあります。

 

Img6042_2


店員も贈答品と持ち帰り品の両方を抱えて、その売り方に悩んでいます。販売商品の選択とそれに合ったレイアウトの選択こそが必要なのです。

次回、「73の(1).豊富なパンをじっくり選べる店づくりの成功(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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