73の(4).豊富なパンをじっくり選ペる店づくりの成功(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時◆店員空間が狭くてもなわばり主張にならない
こんにちは。
セルフサービス方式の店とは、客自身に商品を選んでもらい、備え付けのかごやトレーを使って商品をレジカウンターまで運んでもらうことによって、店員の人件費を削減することが狙いの店です。
日本におけるスーパーもコンビニも、そのような狙いで登場してきましたが、日本の客が実際にこの方式の店を受け入れた最大の理由は、店員を気にすることなく、買わずに気軽に見られる店(ひやかせる店)だから、ということでした。
当時、日本中のパン屋さんのほとんどが、「なわばり」主張をして客にプレッシャーをかけながら販売していたために、「セルフのパン屋さん」は登場するや否や大人気となり、あっという間に各地に広まっていきました。
その後も、「店は店員のなわばりである」ということに対する理解が少ない大多数のパン屋さんは、「客はセルフサービス方式の店が好きなのだ」という偏った考え方からなかなか抜け出すことができませんでした。
しかし、客は、店員が「なわばり」主張さえしなければ、従来からの対面販売の店でも、セルフサービス方式の店と同じように受け入れることができるのです。
そのことに気づいた一部の店主たちは、セルフサービス方式と対面販売を折衷させた「パン屋さん」をつくって、大勢の客を引きつけています。
なぜなら、店員が「なわばり」主張をしないで、逆に「なわばり」解除をする店であれば、客は自分自身で選んで運ぶという煩わしさから解放され、感じの良い接客を受けながら購入することができ、その方がはるかに楽しいからです。
客はリアルショップに対して、決して「ノ-接客(接客なし)」を求めているわけではありません。
「なわばり」主張をする、へたくそな接客を嫌っているだけのことなのです。
「感じの良い接客」が客を引きつけることは極めて当然なことなのです。
さて、以上のことを考慮しつつ、「73の(4).豊富なパンをじっくり選ペる店づくりの成功(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時」をお読みください。
(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)
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73の(4).豊富なパンをじっくり選べる店づくりの成功(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時
◆店員空間が狭くてもなわばり主張にならない
この店の店員空間というのは、客が会計をするときに商品を持っていくカウンターの内側になります。
店員はこの店員空間の中で、客が運んできた商品の包装と会計を行います。
これはちょうどスーパーマーケットのレジ係と同じような作業で、店員は活気のある動きをします。
この作業は客がカウンタ一にくる間は続けられますが、客が途絶えると同時にストップしてしまいます。
他のタイプの店では、客が途絶えたときに店員の動きが止まることは大きなマイナスなのですが、この店ではそれほど致命的な影響は与えません。
というのも店員空間が店全体の大きさに比べると非常に小さく、しかも店のすみのほうにあるので、客にはそれほど店員の行動が気にならないからです。
加えて、この店の客は、店員のほうからは接客アプローチをしてこないということをよく知っているので、店員の動きが止まってしまってもあまり気にしません。
次回、「73の(5).◆豊富な商品そのものが、ひやかし安全信号になっている」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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