73の(7).豊富なパンをじっくり選べる店づくりの成功◆三空間設計による売りやすい店づくり(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時
こんにちは。
もちろん、「セルフのパン屋さん」が登場するまでのパン屋さんは、「店員空間の狭い接触型店」の店でした。
1980年代半ば頃から、「店員空間のある、引き込み・回遊型店」の「セルフのパン屋さん」が登場しました。
そして、あっという間に「店員空間のある、引き込み・回遊型店」と「店員空間のある、接触・引き込み・回遊型店」のパン屋さんが、百貨店や駅ビルやSCや商店街にも広まっていきました。
どのような商業集積に出ても、「セルフのパン屋さん」は繁盛する店となりました。
ただし、
①「商品空間」と「客空間」の「なわばり」を解除したこと。
②店員が「なわばり」を解除するアクションを行ったこと。
③「なわばり」を解除するボリュームのある「商品空間」を提供したこと。
④「なわばり」を解除する「サクラパワー」が生じやすくなったこと。
以上が、「セルフのパン屋さん」が繁盛する条件です。
当然、通行量の多い立地でなければ①~④を満たすことはできません。
客足が遠のいた商店街だけではなく、百貨店や駅ビルやSCの中でも、通行量の少ない場所での、「セルフのパン屋さん」の成功物語はありません…。
さて、以上のことを考慮しつつ、「73の(7).豊富なパンをじっくり選べる店づくりの成功(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時」をお読みください。
(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)
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73の(7).豊富なパンをじっくり選べる店づくりの成功(パン製造販売・ポンパドール)※1986年当時
◆三空間設計による売りやすい店づくり
販売商品と三空間設計の間には非常に密接なつながりがあります。
けれども、一つの商品には一つの店舗レイアウトしか合わないというわけではありません。
同じような商品を扱っている店でも、店の大きさ、立地条件、商品の位置づけなどの違いによって、異なるレイアウトをとる店はたくさんあります。
近年、この店のようなセルフサービス方式のパン屋が主流になってきましたが、商品ケースの中の商品を店員がとり出して包装するタイプのパン屋もまだまだ数多く存在しています。
それでも、この店のようなタイプのパン屋が増えてきたのには理由があります。
セルフサービス方式をとると少ない店員で大きな店を管理できるというのはよく言われることですが、より本質的な理由はこのタイプにすると失敗が少ないということでしょう。
この店のように、店員空間のある引き込み・回遊型の店にしてしまえば、たとえ店員がなわばり主張をしたところで、大勢には影響ありません。
十分なひやかし安全信号の出せる商品空間さえつくっておけば、客は比較的簡単に集まります。
とはいっても、もちろんこのタイプの店をつくるためには一定の条件を満たしていなければなりません。
一つは通行量です。
人のこないところに出店しても、持ち帰り品の店ではなかなか十分な客を集められないからです。
もう一つは店の面積です。
店が広ければこのレイアウトは成功しますが、狭いときにはうまくいきません。
せっかくカウンターの中に店員を入れても、店が狭ければ店員のなわばりが商品空間や客空間に及ぶからです。
このときには、アクションのうまい店員がカウンターにはいるかはいらないかが、売り上げを左右してしまうのです。
次回、「74の(1).はいりやすく出やすいレイアウトが客を呼ぶ(ファッション・メルローズ)」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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