12.後ろに向かってゆっくり下がる「退避の動き」は、消極的で慎重な印象を伝える
こんにちは。
人は、実際に見えるモノに関してはその存在を認めますが、「身体の動き(動きの軌跡)」に関しては、実際に見えているにも関わらず、その存在や影響力をなかなか認めようとはしません。
したがって、コミュニケーションにおいて、「身体の動き」が最も大きな役割を担っているにもかかわらず、単なる「しぐさ」や「身振り手振り」としてしか理解せず、その本来の役割に注意を払おうとしません。
本当は、「身体の動き」こそが、「ことば」よりもはるかに多くの情報や本音を発信しているのです。
さて今回は、13種類の「身体の動き」の内、12個目の⑫「退避の動き」について説明します。
⑫「退避の動き」とは、次の映像ロボットが表現している動き(アクション)のことです。
手や身体を使って、後ろに向かってゆっくり下がる動きのことです。
そして、この「退避の動き」は、相手に対して消極的で慎重であることを表現する時の動きです。
このロボットのカット(静止画像)は、「退避の動き」を伴って、相手に名刺を差し出す一連の動きの一瞬をとらえたものです。
動きとは、上の静止画像のような瞬間的な身体の形態ではなく、「退避の動き」の開始から終了まで、つまり名刺を差し出す開始から終了までの一連の連続した動きのことです。
実際の「退避の動き」はこちらで確認してください。
さて、あなたのビジネスにおいて、「名刺交換」を行う時の相手の動きにに注目してください。
その際、「名刺交換」を行う相手が、今回説明している「退避の動き」を伴って、あなたに名刺を差し出してきたとしても、ほとんどの場合、あなたは相手の「退避の動き」に気づくことはありません。
なぜならば、
「大変お忙しいところ申し訳ありません」
「私、○○会社の△△と申します」
「もしよろしければ少しだけお話させて頂けませんでしょうか?」
などの、挨拶やお詫びやお願いやお礼などを伝える相手の「ことば」は聞こえますが、相手の「退避の動き」は見えないからです。
そのために、あなたは、相手が表現している「退避の動き」からではなく、相手が話す「ことば」の内容や声、また相手の容姿や服装などから相手の印象を受け取っているのです。
ところが、名刺交換をした相手が、ただ話をしているだけにもかかわらず、何となく消極的で慎重過ぎる人に違いないという印象を持つ場合があると思います。
それは、相手が後ろに向かってゆっくり下がる「退避の動き」を伴って、あなたに名刺を差し出すと同時にあなたの名刺を受け取り、その後も「退避の動き」を繰り返し伴いながら話をしたからなのです。
以上、4回シリーズで、「接近の動き」と「突進の動き」と「機敏の動き」と、今回の「退避の動き」を伴った4種類の「名刺交換」の仕方を説明しました。
人は、自分の動きを隠すことができません。
だから、名刺を差し出す場合さえ、自分なりの動きを伴って差し出すことになるのです。
次回は、⑬「不動の動き」について説明します。
※なお明日は、「入りやすい店売れる店」(日本経済新聞社)の1986年版を更新します。
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