64の(4)店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時
こんにちは。
いろいろな方向に、いろいろな圧力で、いろいろな速さで動く、様々な人の「身体の動き=アクション」は、13種類に分類することができます。
その一つ目①「一点注意の動き」について説明します。
①「一点注意の動き」とは、次の映像ロボットが表現している動き(アクション)のことです。
手や指を使って、自分が向いている方向(内側)を、はっきりと指し示す動きのことです。
自分や相手の注意を、指し示した一点に引きつけることができる動きです。
このロボットのカット(静止画)は、あくまでも一連の「一点注意の動き」の一瞬をとらえたものです。
動きとは瞬間的な身体の形態ではなく、「一点注意の動き」の開始から終了までの一連の連続した動きのことです。
実際の「一点注意の動き」はこちらで確認してください。
駅のホームで、電車の車掌が安全を確認するために、声を出しながら「指さし確認」をしている様子を見かけると思いますが、典型的な「一点注意の動き」です。
ところが実際に、あなたの上司や部下や友人や知人が、あなたに向かって話をしながら、この「一点注意の動き」を何度も行ったとしても、ほとんどの場合、あなたは気づくことができません。
なぜならば、
「それはこちらです」
「それはあちらです」
「こちらをご覧ください」
「あちらをご覧ください」
などの方向や場所を伝える「ことば」は聞こえますが、「一点注意の動き」は見えません。
そのために、あなたは、相手が表現している「動き」からではなく、相手が話す「ことば」によって理解したのだと感じるからです。
どうぞ、「ことば」よりもむしろ、相手の「動き」に注意を払ってみてください。
そうすることによって、相手の話す「ことば」以上に多くの情報が伝わってくるはずです。
相手が伝える方向や場所だけでなく、相手があなたに伝えているもっと他の情報も、同時に伝わってくるはずです。
「それはこちらです」と話す「ことば」と同時に、どのくらい「こちら」であるかと言った、周辺の情報が伝わってくるはずです。
そして、大変興味深いことに、「ことば」が伝える情報よりも、「一点注意の動き」が伝える情報の方が、相手が伝えたい情報により近いことが多いのです。
まずは、人の「一点注意の動き」の存在と、動きが発信している情報と、その動きが「ことば」に与えている影響力について理解して頂きたいのです。
以上のことを考慮しつつ、「64の(4).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」をお読みください。
(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)
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64の(4).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時
◆立ち止まっていられる安全な客空間
化粧品コーナーへ行くと、たいていどこでも積極的なアプローチをかけてきます。
そのため、客はなかなか安心して化粧品コーナーを見てまわることができません。
この店では、店員の作業が多いぶん、このアプローチが抑えられています。
この結果、この店のまわりには比較的落ち着いて見ていられる客空間が生じます。
店にひきつけられた客が店員の説明をうけはじめると、なわばりが解除され次の客はさらに近づきやすくなります。
このことがくり返されると店の動きはいっそう活発になり、通行客が多いときにはサクラパワーを発揮します。
次回、「64の(5).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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