« 6.上に向かって力を抜いた動き(協調の動き)を伴った「うなずき」は協調や賛同を表現する | トップページ | 7.上に向かって力を入れる動き(独断の動き)を伴った「うなずき」は威嚇や主張を表現する »

2017年10月26日 (木)

67の(2).失敗を招きやすい接触型の贈答品店(和菓子・駅ビル内)※1986年当時」

こんにちは。

前回(10月24日)に続いてのお話です。

百貨店や駅ビルにある食品フロアの店は、ほとんどが「
店員空間の狭い接触型店」で構成されています。

そして、「店員空間の狭い接触型店」は、「戸板一枚の店」に最も近い店であることから、次の「戸板一枚の店の法則」を分かりやすく観察することができます。

(1)店員がじっと立って待っていると、客が遠ざかる。

(2)店員が「いらっしゃいませ!」を言うと、客が遠ざかる。

(3)店員が接客中だと、客が近づく。

(4)店員が作業中だと、客が近づく。

(5)「サクラパワー」が生じると、客がどんどん近づく。

以上の「戸板一枚の店の法則」が働いているにも関わらず、なぜ店員は直ぐに「いらっしゃいませ!」と言うのでしょうか?
 

 

Photo_6

 

①直ぐに声を掛けなければ、購入を促進できない。

②客がやって来たのだから、すぐに声を掛けないと失礼になる。

③店員は客が来たら「いらっしゃいませ!」を言うのは常識である。

④「いらっしゃいませ!」を言って遠ざかった客は、今日は買う気がなかった客。

以上のような、店主や販売関係者らの考え方によって、店員は「すぐにいらっしゃいませを言う」ことになっているのです。

しかし、店は店員と客のコミュニケーション現場であり、また店は店員の「なわばり」であるために、店員が「いらっしゃいませ!」を言うことによって、「戸板一枚の店の法則」通り、客を遠ざけるという結果を招いているのです。

さて、以上のことを考慮しつつ、今日は、「67の(2).失敗を招きやすい接触型の贈答品店(和菓子・駅ビル内)※1986年当時」をお読みください。


(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)

星座の場所を
応援クリック
お願いいたします


人気ブログランキングへ

 

67の(2)失敗を招きやすい接触型の贈答品店(和菓子・駅ビル内)※1986年当時

また、この店は壁面を利用して大きな店名看板をとりつけたり、和風イメージを盛りあげるために様々なディスプレーをしたりしています。

この店がこのような表現を通して、店の存在感や店の姿勢を強く訴えようとしていることはわかりますが、客にとっては店のなわばり主張が強く感じられるだけです。

大きな看板や派手な装飾は、客の注意を商品からそらせるだけで、肝心のなわばり解除にはほとんど効果がありません。



1


この店の客空間は、本来は通路上に生じるはずですが、店員のなわばり主張が強いためにほとんど存在していません。

また、買う気のある客がこの店の商品を選ぼうとしても、他の通行客に押されたりじやまされたりするために、なかなか安心して選び続けることができないのです。

このように、店員空間の狭い接触型店は、贈答品店には不向きです。

贈答品を買おうとする客は、商品を選ぶまでに長い時間を必要とします。

そこでその間、店員や他の客にじゃまされずに商品を見ることのできる安全な客空間がどうしても必要になるからです。

この店の例でもわかるように、販売する商品と店のレイアウトの間には密接な関係があるのです。

次回、「68の(1).理想的な三空間設計が販売力を爆発させる(和菓子・叶匠寿庵)※1986年当時」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

星座の場所を
応援クリック
お願いいたします


人気ブログランキングへ

関連記事】


60の(1).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(2).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

60の(3).職人のアクションが客を引きつける(今川焼・御座候)※1986年当時

61の(1).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

62の(2).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

61の(3).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

61の(4).豊富な商品が冷やかし安全信号(菓子・太子堂)※1986年当時

62の(1).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(2).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(3).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(4)小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

62の(5)小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時

63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(3).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(4).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

63の(5).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

64の(1).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

64に(2).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

64の(4).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年
当時


64の(5).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時

65.店員の身体信号が客を呼ぶ決め手(実演販売・百貨店内)※1986年当時

66.売れる店員はアクションを知っている(総菜販売・百貨店内)※1986年当時

67の(1).失敗を招きやすい接触型の贈答品店(和菓子・駅ビル内)※1986年当時

 

 

|

« 6.上に向かって力を抜いた動き(協調の動き)を伴った「うなずき」は協調や賛同を表現する | トップページ | 7.上に向かって力を入れる動き(独断の動き)を伴った「うなずき」は威嚇や主張を表現する »

◆86年版入りやすい店売れる店」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/119616/65943853

この記事へのトラックバック一覧です: 67の(2).失敗を招きやすい接触型の贈答品店(和菓子・駅ビル内)※1986年当時」:

« 6.上に向かって力を抜いた動き(協調の動き)を伴った「うなずき」は協調や賛同を表現する | トップページ | 7.上に向かって力を入れる動き(独断の動き)を伴った「うなずき」は威嚇や主張を表現する »