65.店員の身体信号が客を呼ぶ決め手(実演販売・百貨店内)※1986年当時
こんにちは。
コミュニケーションは、ことば信号以外の様々な信号によって行われていますが、その中で一番大きな役割を果たしているのが、動作信号(人の身体の動き=アクション)です。
動作信号(人の身体の動き=アクション)は、動きの軌跡であることから、確かに目には映っているに違いないのですが、容姿信号、表情信号、性別・年齢信号等のように、誰の目にも見える他の信号に比べて、非常に分かり難いものなのです。
現在も、「お辞儀をする」「うなずく」「指をさす」「腕を組む」「足を組む」等が、動作信号として考えられていますが、いずれも動作の一瞬をとらえた身体の形態であり、動きの軌跡ではありません。
そのために、現在のところは、動作信号がコミュニケーションにおいて、大きな役割を持っていることがなかなか受け入れられないのです。
しかし、動作信号を「動きの軌跡」としてとらえると、お互いに「動きの軌跡」に大きな影響を受けながらコミュニケーションを交わしていることが分かります。
さて今日は、13種類の「身体の動き=アクション」の内の三番目の③「注意不明の動き」について説明します。
③「注意不明の動き」とは、次の映像ロボットが表現している動き(アクション)のことです。
手や指を使って、自分が向いている方向(内側)に、あいまいに指し示す動きのことです。
ものごとをはっきりさせないで、あいまいに表現する場合の動きです。
このロボットのカット(静止画)は、、「注意不明の動き」の一瞬をとらえたものなので、一見分かり難い動きとなっています。
実際の「注意不明の動き」はこちらで確認してください。
この動きは、相手に対して敢えてはっきりさせたくない場合や、相手に対して遠慮をしている場合などに行う動きです。
TVのドラマなどでは、登場人物が相手にやんわりと指摘したり、自分をごまかしたりする演技としてよく使われています。
また、あなたの上司や部下や友人や知人の中で、ものごとをはっきりと案内したり説明したりすることが苦手な人に、よく見られる動きです。
しかし、あなたの上司や部下や友人や知人らが、あなたに向かって話をしながら、この「注意不明の動き」を頻繁に行ったとしても、あなたはなかなか気づくことができません。
なぜならば、
「それはこちらだと思いますが…」
「それはあちらだと思いますが…」
「こちらの方をご覧ください」
「あちらの方をご覧ください」
など、おおよその方向や場所を伝える「ことば」は聞こえますが、「注意不明の動き」そのものはほとんど見えないからです。
そのために、あなたは、相手が表現している「動き」からではなく、相手が話す「ことば」によって相手のことを理解していると感じているのです。
ただ、「注意不明の動き」をする人は、何となくはっきりしない人だなと言うイメージを抱くと思います。
そして、前回の「全体注意の動き」をする人は、何となく華やかなイメージがする人で、前々回の「一点注意の動き」をする人は、何となく地味なイメージがする人です。
次回は、「回転の動き」の内の最後の四つ目の④不注意指示の動きについて説明します。
さて今日は、「65.店員の身体信号が客を呼ぶ決め手(実演販売・百貨店内)※1986年当時」をお読みください。(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)
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65.店員の身体信号が客を呼ぶ決め手(実演販売・百貨店内)※1986年当時
百貨店の家庭用品売り場にいくと、よく、実演をまじえながら商品を説明し、販売しているコーナーを見かけます。
このイラストのコーナーも、やはりある百貨店の実演・説明販売の例で、油をひかなくても料理がこげつかないフライパンを販売しているところです。
この種の実演・説明販売をする店員の売り上げの差をつくる最大の要因は身体信号です。
正しい身体信号を使って、あらかじめ作られている実演・説明のプログラムを実行できる店員が高い売り上げをあげます。
通行客が十分いるにもかかわらず客があまり集まってこなかったり、客が大勢見にくるにもかかわらず売れ行きが悪い店員は、身体信号に正しくないところがあるのです。
また、このタイプの店にとってはサクラパワーの活用が非常に大切です。
店員にとって最も難しいのは、一人目の客をつけることです。
店に一人も客がいない状態から五~六人の客を集めるまでは、まったくその店員個人の技術がものをいいます。
いったん、客が集まりはじめると、客空間のなわばりは解除され、次々と新しい客をひきつけてサクラパワーをひき起こします。
身体信号の正しい店員はそうでない店員に比べて、ずっと頻繁にサクラパワーを引き起こすことができ、またそれを長く持続することができます。
客が大勢集まっているときはなわばりが解除され、商品も売れやすくなるのです。
次回、「66.売れる店員はアクションを知っている(総菜販売・百貨店内)※1986年当時」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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