64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時
こんにちは。
このブログは、コミュニケーションにおいては、「身体の動き」が、一番大きな役割を担っているということを、少しでも多くの方々に気づいて頂きたいという願いを込めて、更新を続けています。
そして、このブログのタイトルが、「入りやすい店売れる店」というかつての拙著のタイトルと同じであるのは、リアルショップの店員と客のコミュニケーションが、日本人のコミュニケーションに大きな影響力を与えているに違いない、と私たちが予感しているからです。
しかし、繰り返しご説明していますように、コミュニケーションにおいて、間違いなく大きな影響力を与えている「身体の動き」に関しては、未だに多くの人たちが気付いてはいないのが現状です。
人は確かに動いているが、「人の動き」が情報を発信したり、自分や相手に大きな影響力を及ぼしていることはないというのが、大抵の人達の考え方です。
したがって、このブログでは、繰り返し「人の動き」の存在や、情報や、影響力について、ご説明してまいります。
さて、初めに、人の身体の動きを大別すると、「回転の動き」と「上下の動き」と「前後の動き」と「不動の動き」(いずれにも動かないこと)に分かれます。↓
「回転の動き」と「上下の動き」と「前後の動き」は、更に細かく分かれます。そして人の動きは13種類の動きに分類されることになります。↓
大抵の人は、意識をすれば以上の全ての動きができますが、無意識の場合は、全ての動きを満遍なく行うということはなく、個人個人よって偏りが生じています。
つまり、個人の「動きの癖」となって、常に同じような動きを繰り返すことになります。
人は、知人を一瞬見かけただけで、誰であるかを判別しますが、この時、知人の「動きの癖」を見抜いていることになります。
人は、ことばが聞こえなくても、顔が分からなくても、その人に違いないという「動きの癖」をお互いに見抜き合っているのです。
人が見抜き合っている13種類の動きをご紹介します。
(1)回転の動き
①一点注意の動き ②全体注意の動き ③不注意指示の動き ④注意不明の動き
(2)上下の動き
⑤攻撃の動き ⑥協調の動き ⑦独断の動き ⑧虚脱の動き
(3)前後の動き
⑨接近の動き ⑩機敏の動き ⑪突進の動き ⑫退避の動き
(4)不動の動き(いずれにも動かないこと)
⑬不動の動き
次回より、順番に身体の動きのご説明を続けてまいります。
以上のことを考慮しつつ、「64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」をお読みください。
(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)
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64の(3).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時
◆統一されたイメージを作る色彩とユニホーム
初めにお話したとおり、この店の商品ケースそのものの構造は他店とさほど変わりありません。
化粧品の場合、客が商品をゆっくりとながめることと買うこととは直接的には結びつきません。
というのも、その化粧品の選び方や使い方が説明されてはじめて、客がその商品を買うかどうかを決めることになるからです。
特に高額な商品ほどその傾向は強くなります。
この店の場合、商品はさほど高額ではありませんが、客のスキンタイプを分析し、それに合わせた化粧品を選んで販売するという方針をとっているので、どうしても説明のほうが重要になります。
技術開発が進んだ現代の化粧品業界では、どのメーカーを選んでもそれほど品質が変わるわけではありません。
客はむしろその店の雰囲気を買っているのです。
一般に化粧品店のユニホームは非常に華やかですが、この店では白衣風のユニホームを使用しています。
店舗全体の色彩も自を基調としたおとなしいものです。
陳列ケースに設置されたライトの効果と合わせて、店全体が医療あるいは美容の研究室といったイメージをただよわせています。
こうしたイメージは、客に説明したりアドバイスしたりする店員の行動を助ける役割をはたしています。
次回、「64の(4).店員の動きが客の安心感を高める(化粧品・クリニーク)※1986年当時」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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