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2017年10月11日 (水)

63の(1).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時

こんにちは。

家庭や地域や学校や職場などでの様々な人間関係と、店での店員と客との人間関係は全く異なります。

前者はお互いが誰であるかということが明確になっているのに対して、後者はお互いが見知らぬ者同士の関係であることです。

そして、店には、見知らぬ客に対して見知らぬ店員が、感じよく対応するための「ことば」と「アクション」が存在しています。

(1)感じ良くするための「ことば」とは次のようなものです。

①いらっしゃいませ

②少々お待ちください(ませ)

③かしこまりました

④お待たせいたしました

⑤申し訳ありません(ございません)

⑥それはあちらです(こちらです)

⑦ありがとうございます

(2)感じ良くするための「アクション」とは次のようなものです。

お辞儀アクション

うなずきアクション

案内アクション

店員が、以上のような「ことば」と「アクション」を提供することによって、大抵の客は「感じが良い」という印象を受けるために、再来店が期待できます。

それでは、以上のような「ことば」と「アクション」は、なぜ「感じが良い」と客に思わせるのでしょうか?

それは、店は店員の「なわばり」だからです。

したがって、店は客を引きつけるために、できるだけ「なわばり」を解除しなければいけませんが、以上の「ことば」と「アクション」はいずれも「なわばり」を解除するためのものなのです。

「なわばり」を解除する「ことば」と「アクション」を提供してくれる店員に対して、大抵の客は好感を抱くことになるのです。

ところで、家庭や地域や学校や職場においては、相手に感じよく対応するための「ことば」と「アクション」に関しては、明確に指導されてはいないのが実情です。

意外なことに、家庭や地域や学校や職場において、相手に感じよく対応するための具体的な仕方を学ぶには、リアルショップの客となって、密かに店員から学ぶことが非常に有効な方法なのです…。

以上のことを考慮しつつ、「62の(5).小さな店でひやかしやすい商品空間を創造する(和菓子・追分だんご本舗)※1986年当時」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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63の(1).広い商品空間で売る接触型の贈答品店(洋菓子・ヨツクモック)※1986年当時

この店は、東京・池袋駅東口にある西武百貨店の地下一階の食品売り場にあります。


Photo


西武百貨店の地下一階は、国鉄、私鉄、地下鉄の乗降客で一日中混雑している大地下通路に面しています。

この店は、その大地下通路に面した入り口のすぐ左側に位置しています。

この場所は地下一階の中では最も通行量の多いところで、非常に恵まれた立地条件をもっています。

この店の平面図を見てみましょう。


2

構造そのものは、百貨店の中によくある一般的な接触型店とそう変わりありません。

ところがこの店で非常に特徴的なことは、他の接触型店に比べて群を抜いて広い商品空間と店員空間を持っているということです。

普通、このタイプの店の商品空間は、六尺(約一・八メートル)幅の販売ケースが二本、多くても三本です。

けれどもこの店の場合、商品空間だけでも他店の三倍以上あります。

商売をするうえで、他店に比べて商品空間が広いということは非常に有利な条件です。

特に百貨店のように限られたスペースの中で数多くの店が競争するような状況では、他店よりも広い商品空間を持つことが客をひきつけることにつながってきます。

広い商品空間は狭い商品空間に比べてなわばりが解除されやすいので、客はどうしても買いやすい店のほうへと流れてしまうからです。

商品空間が狭い店は、たとえその商品の品質が優れていても、店そのものが客をひきつけにくいという理由で、なかなか売り上げを伸ばせません。

「ケース一本」で出店した店が爆発的に売れて、徐々に広い店になっていくというサクセスストーリーの実現は難しいのです。

次に店員空間を見ると、この店はその中央付近に奥まった店員空間を持ってはいますが、それを除けば、比率的には他の接触型店とほとんど変わりません。

ところが商品空間とそれにともなう店員空間全体の面積が広いために、実質的に店員が移動できるスペースは非常に大きなものになります。

店員空間が広いぶんだけ、店員の作業量が増し、このことがこの店に動きを与えているのです。

この店は接触型店ですから、客空間は商品空間に沿って通路上にできます。

この店のある場所は百貨店の入り口すぐのところなので、店の前には広い空間があって、その空間はこの店に十分な客空間を提供しています。

そのため、この店の客は、他店の客のように通行客にぶつかられたり押し流されたりすることなしに、落ち着いて商品を選ぶことができるのです。

この立地上の好条件が、この店が贈答品店でありながら接触型の展開をして成功している理由の一つになっています。

このように、この店は、立地、店の大きさといった点で、他店をはるかにしのぐ好条件を持っています。

こうした根本的な条件は、売り上げを伸ばしたいという希望があっても、簡単には得られるものではありません。

けれども、売れるということの本質を探るためには、どうしても避けることのできない問題です。

そこで、さらに詳しくこの店の様子を見ていくことにしましょう。

次回、「63の(2).広い商品空間で売る接触型店の贈答品店(洋菓子・ヨックモック)※1986年当時」に続く。

(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)


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