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2017年9月21日 (木)

外観はよく似た構造でも、売り方が全く違う二つの店

こんにちは。

店の構造は、一見同じように見えても、全く性格が異なる場合があります。

例えば、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」と「店員空間のある、引き込み・回遊型店」は、外からは非常に良く似た店に見えますが、前者は側面販売の非セルフサービス方式の店で、後者は対面販売のセルフサービス方式の店です。


Photo_5←店員空間のない、引き込み・回遊型店
           (側面販売・非セルフサービス方式)


Photo_6←店員空間のある、引き込み・回遊型店
           (対面販売・セルフサービス方式)

また、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」と「店員空間のある、接触・引き込み・回遊型店」の場合も、先ほどと同じように、外からは非常に良く似た店に見えますが、前者は非セルフの店で後者はセルフの店です。


Photo_7←店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店
            (側面販売・非セルフサービス方式)

Photo_8←店員空間のある、接触・引き込み・回遊型店
           (対面販売・セルフサービス方式)

店員空間のない店か、店員空間のある店かは、それぞれの店の商品特性や販売方法によって選択されています。

しかし、店は店員の「なわばり」であるという観点から捉えると、「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」は、客空間と店員空間が重なっているために、「なわばり」主張の店員のアクションが生じやすい店なのです。

一方、「店員空間のある、接触・引き込み・回遊型店」は、客空間と店員空間を明確に区別しているために、「なわばり」主張の店員のアクションはほとんど生じない店なのです。

近年の駅ナカ・駅ソトショップでは、店員空間のある店とない店の折衷型店舗が主流となっています。

したがって、「店員空間のある、接触・引き込み・回遊型店」の構造で、セルフサービス方式を採用していながらも、店頭や店内の回遊通路に店員が出て、接客を行う販売方法となっています。

つまり、セルフサービス方式の気軽さと、懇切丁寧な側面接客の両方を提供する店となっているのです。

何度もご紹介しています通り、店の構造と接客方法の基本は、下のイラストのような「店員空間の狭い接触型店」での対面販売です。

 

Photo_6

この店の構造と接客方法が、今日の複雑な店の構造と接客方法に変化しているということを、どうぞ実際のリアルショップで観察してみてください。

以上のことを、考慮しつつ今回の「52.こういう店が接触・引き込み・回遊型店①店員空間がある場合」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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52.こういう店が接触・引き込み・回遊型店

店頭にも豊富に商品を陳列してあり、店内にはいってから客が店の中をぐるぐると見てまわるような店を、接触・引き込み・回遊型店といいます。

このタイプの店は、店頭に商品が出ているので客をひきつけやすく、親しみやすいイメージがします。

そのため持ち帰り品や廉価な商品を売る店や、ディスカウントショップなどによく見られるレイアウトです。

接触・引き込み・回遊型店も、店員空間のある、なしによって性格が異なります。

①店員空間がある場合


76


このタイプの店は価格が安い商品を大量に扱っている店に多く見られます。

たとえばファッション雑貨を売る店や本屋などのように、いちいち店員に相談しなくても買い物を決められるけれど、選ぶまでに員い時間がかかるような商品にはこのタイプがぴったりです。

店員がレジにはいっているので、商品を見ている途中で接客アプローチをうける心配もありません。

そのため、客は好んでこのタイプの店の商品をひやかします。

ただしこのタイプを作るためにはかなり広い空間と、店中に並べられるだけの商品量が必要です。

そこでこのタイプの店はデパートには少なく、駅ビルの一部や路面店に多く見ることができます。

店員の仕事は商品とレジの管理が主体で、接客そのものはさほど難しくありません。

売りやすいレイアウトといえるでしょう。

次回、「53.こういう店が接触・引き込み・回遊型店②店員空間がない場合」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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