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2017年9月20日 (水)

「感じが良い接客」と「感じが悪い接客」は個人の「動きの癖」が生み出す

こんにちは。

店は店員の「なわばり」であることを繰り返しご説明しています。

特に、下のイラストのような「店員空間のない、引き込み・回遊型店」の場合は、店が店員の「なわばり」であることをより強調した店舗構造になっています。


Photo_4

前回、このような構造の店の店員は、一人目の客を店内に滞留させるために、終始「なわばり」解除の店員のアクションを行い、一人目の客が「サクラパワー」を発揮してよりいっそう「なわばり」を解除してくれるようにすることが大切であることをご説明しました。

しかも、この店において、いよいよ接客が開始されてからは、店員は客の直ぐそばに立って接客を行うために、高度な接客技術が必要になります。

そのためには最低限、「お辞儀アクション」と「うなずきアクション」と「案内アクション」の
接客三大アクションを正しく行うことが大切であるということも合わせてご説明しました。

以上のことは、一見、簡単そうに思えますが、実はそこには非常に大きな困難が立ちはだかり、なかなか「感じが良い接客」を提供できなくさせているのです。

その大きな困難とは、いったい何なのでしょうか?

それは、個人の「動きの癖(うごきのくせ)」の存在なのです。

人にはそれぞれ、前後、上下、回転に動く「動きの癖」があるため、ほとんどの人はその「動きの癖」の影響を受けた「お辞儀」「うなずき」「案内」アクションをすることになってしまいます。

したがって、本人が無意識に「お辞儀」や「うなずき」や「案内」をしてしまうことによって、客を不快にさせたり、不安にさせたり、迷わせたリしてしまう結果に陥ってしまうのです。

1980年代後半、百貨店のファッションフロアには、「DCブランドショップ」と呼ばれる店がたくさん登場し、自社の商品を身にまとったハウスマヌカンと呼ばれた女性店員がいたことを、
9月5日のblogでお話しました。

いくら、人気のファッションを身にまとっていようとも、個人の「動きの癖」が接客の一挙一動に大きな影響を与えてしまうということに、まだ誰も気付いていませんでした。

やがて、DCブランドショップと共にハウスマヌカンも静かに消え去って行きましたが、
接客三大アクションの欠如は、人気のファッションでさえも、カバーすることはできなかったのです。

以上のことを、考慮しつつ今回の「51.引き込み・回遊型店③店員空間がない場合のアクション術(5)店員は動くディスプレー」」をお読みください。

(なお、本文は1986年初版の拙著「入りやすい店売れる店」の原文のままです)


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51.引き込み・回遊型店③店員空間がない場合のアクション術

(5)店員は動くディスプレー

最近、人気のある職業の一つはハウスマヌカンです。


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ハウスマヌカンは店員の一種なのですが、ただ販売をするだけではなく店員自身が生きたマネキン人形の役割をもはたしているのです。

ファッション店の中でも特にデザイナーズブランドやキャラクターブランドと呼ばれる店はたいてい引き込み・回遊型で、商品量も少なく、ディスプレーもすっきりしています。

そこには他の洋品店に見られるようなマネキンは見られません。

こういう店では単なる商品ではなく、その店で物を買うことの雰囲気を売っているのです。

このような店にいる店員は、やはり店の雰囲気にマッチしなければなりません。

そこで自店の商品に身を包んで、店内の装飾品としても十分に美しいハウスマヌカンが必要になったのです。

こうしたハウスマヌカンは客にとっても店員というより一種のディスプレー物です。

ディスプレー物なら、ひやかし安全信号としての機能をはたさなければなりません。

ハウスマヌカンは他のタイプの店の店員よりもずっと客に見られる存在です。

そこで客にとって見やすいようなアクションをしなければなりません。

客がじっと見ているからといって、相手をじっと見返したりすると逃げられてしまいます。

優雅なハウスマヌカンには、客を不快にするようなアクションは似合いません。

さらに客とも長時間、ごく近い距離で対応するので高度な接客技術が要求されます。

このようにハウスマヌカンはかなり難しい職業なのです。

次回、「52.こういう店が接触・引き込み・回遊型店①店員空間がある場合」に続く。


(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)

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