34.こういう店が引き込み型店②店員空間が広い場合
こんにちは。
「店」は店員の「なわばり」です。
したがって、どのような商品を販売する店であっても、店員空間が「広いか狭いか」あるいは、店員空間が「あるかないか」によって、繁盛店になるか衰退店になるかが大きく左右されてしまいます。
ところが、販売関係者が誰も、「店」は店員の「なわばり」であるということに、気づけなかった場合には、店員空間の失敗によって、当初から大きな苦戦を強いられることになってしまいます。
競争の少ない店で、新製品が飛ぶように売れていった現実が、いっそう「店」が店員の「なわばり」であるということを、分かりにくくさせてきたのです。
同じ商品を、ほとんど同じような立地と規模の店で販売するにもかかわらず、著しい業績差が生じてしまう原因は、店員空間のつくり方にこそ最大の要因があるのです。
したがって、前回までに説明してきましたように、「店員空間が狭い接触型店」よりも、「店員空間が広い接触型店」の方が、「なわばり」解除の店員のアクションが生じやすいために、はるかに有利なのです。
次いで、「店員空間が狭い引き込み型店」よりも「店員空間が広い引き込み型店」の方がやはり有利なのです。
それでは、今回の「こういう店が引き込み型店②店員空間の広い場合」を、お読みください。
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34.こういう店が引き込み型店
②店員空間が広い場合
店員空間が広い引き込み型店の例は、路面店の中に見ることができます。
このタイプはふつう、店全体が広くないと作ることがむずかしいので、百貨店や駅ビルの中にはあまりありません。
この店は純粋に贈答品や高級品を売るための店です。
そのために、店員空間だけではなく、客空間も商品空間も広くつくられているために、通行客は店の構造全体から一目で、この店が贈答品の店(高級品の店)であることが分かります。
このことは、この店の大きな長所となっていますが、店員が接客対応の仕方を取り違えると逆に短所となってしまう危険性も持ち合わせています。
このタイプの店はふつう客空間も広くとってあるので、店員が客のじゃまをしなければ客はゆっくり時間をかけて商品をながめたり選んだりすることができます。
客にとって気になる店員の行動は広い店員空間によってかなり緩和されるので、非常に有利です。
このタイプの店の課題は、店内をひやかしたあと何も買わずに帰ってもだいじょうぶだというオープンなイメージを打ち出して、店内にはいってくる客の数を増やすことです。
そのことが店内ににぎわいを演出し、買おうとする客の気持ちを高めます。
銘柄は決定していなくとも贈答品を買うことは決まっているといった状態の客ならば、「人気のある」商品に対して気持ちが動きます。
ごくまれに、百貨店の中にこのタイプの店が出現することがあります。
その場合には扱い商品が似ていても店のタイプが全く違う他店(たいていは接触型店)に比べて、はるかに買いやすいこの店に客が集中します。
次回、「35.店員空間が狭い(引き込み型店)場合のアクション術」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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