38.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術②広い店員空間は舞台である」
こんにちは。
「店員空間の広い引き込み型店」の典型的な店は、ファーストフードショップやコーヒーショップです。
広い「店員空間」では、客の注文に応じて、素早く作業を行いながら商品を準備することができるように、店員のアクションがプログラム化されています。
したがって、経験の少ないアルバイト店員であっても、作業手順をマスターすることによって、ベテラン店員と同等の接客サービスを提供することができます。
最初は不慣れな若い店員が、2~3週間もすると、笑顔で客の注文を聞き取りながら、素早く振り返って作業を開始し、手際よく精算を行いつつ、商品を準備して丁寧に手渡すことができる店員へと成長していく姿を眺めることも、このような店での客の楽しみの一つです。
まるで、舞台で歌や踊りを演じる役者や歌手のように、無駄がなくて感じが良い店員のアクションは、当然「なわばり」を解除します。
だからこそ、ファーストフードショップやコーヒショップでは、全く抵抗なく休息をとったり出入りしたりすることができるのです。
それでは今回の「店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術②広い店員空間は舞台である」を、お読みください。
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38.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術
②広い店員空間は舞台である
◆客寄せ踊りのプログラム
広い店員空間を十分に生かした客寄せ踊りを展開しようとする場合、ある程度の演出が必要です。
何人もの店員がいっせいに動くわけですから、そこに一定のルールがなければ、客寄せ踊りはすぐに停止してしまいます。
実際に客が来て注文をはじめると、そこには当然接客や包装の作業がはいるので問題はないのですが、接客が終わったあと次の客から注文をうけるまでのアクションは止まってしまいがちです。
このことをコントロールしようとするならば、店員のひとりひとりがあらかじめ決められた客寄せ踊りのプログラムを持っていて、その間に客の注文を受けるという方法にしておかなければなりません。
つまり接客が終わったら、プログラムの続きにもどるようにするのです。
こうすれば、客のほうを向いてじっと立っている客追い踊りを防ぐことができます。
たとえば基本のプログラムを「ケースをふく」「商品を整理する」「店の奥へひっこむ」「店の奥から出てくる」「店内を移動する」「ケースをふく(一番はじめにもどる)」というふうに決めておきます。
そして客から声がかかったらこの基本プログラムを中止して接客プログラムにはいります。
接客が終わって客が帰ったら、立ちどまらずに初めのプログラムに帰ります。
上のイラストは接客をはじめてから基本プログラムにもどっていくところを示しています。
このアクションを十人近い店員がそれぞれ実行したら、その店は常に活気ある状況を演じることができるのです。
次回、「39.店員空間が広い(引き込み型店)場合のアクション術③広い店員空間を生かす店員のスタイル」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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