14.コミュニケーションにおける④空間利用信号とは?
こんにちは。
アメリカの文化人類学者、エドワードホールは、コミュニケーションを行う際に、他者との関係性によって人のパーソナル・スペースの広さは変わるとして、パーソナル・スペースを次の四つの距離に分類しているということについては、
2017年5月3日の「距離をつめると親しみを感じさせる(その1)」のブログでご説明しました。
改めて四つの距離と他者との関係性は次の通りです。
①密接距離(0~45cm)
家族や恋人などごく親しい人だけが接近を許される距離。
②個体距離(45~120cm)
親しい友人などが会話をする時の距離。
③社会距離(120~350cm)
知らない相手やビジネスの相手などと会話をする時の距離。
④公共距離(350cm以上)
講演会や発表会など、大勢の相手に話をする時の距離。
以上のことから考えて、お客様との距離を、その時の状況に応じてうまく使い分けることのできる店員は、お客様から好まれます。
この「空間利用信号」をうまく使いこなせない店員は、「感じが悪い人」だと思われてしまいます。
職場で大きなストレスを感じる原因の一つに、「空間利用信号」が無視されたオフィス環境があります。
あなたの会社では、この「空間利用信号」が考慮されたデスクの配置となっているでしょうか?
さて今日は、「コミュニケーションにおける④空間利用信号とは?」というお話です。
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(14)コミュニケーションにおける④空間利用信号とは?
空間利用信号とは、相手との距離のとり方のことです。
普通私たちは親しい人には近づきますが、見知らぬ人や親しくない人とは距離をとろうとします。
ホールという文化人類学者によると、四十五センチ以内の至近距離にはいることのできる人は非常に限られているということです。
そこまで近づかれても不快でない相手とは、自分の両親、兄弟、夫あるいは妻、子ども、恋人、ごく親しい友人などです。
それ以外の人がごく近くに寄ってくることは不自然で不快です。私たちが満員電車の中でストレスを感じるのは、見知らぬ人と極めて接近した状態でいなければならないということと関係があるのです。
店員と客は他人同士で、しかも一種の対立関係にあるわけですから、店員がわけもなく客の近くによってくると、客は不安になります。
店員が近づいてくるということは商品をすすめにくるのだと解釈されますから、買おうという決心がついていない客は警戒して逃げていってしまうのです。
また、客は自分の見たい商品のそばに店員がいるのをきらいます。
店員がその場所にじっとしていることは、その商品が店員のなわばり内にあるということを伝えます。
そこで店員は客の動きにあわせて、うまく自分の位置を移動してやるとよいのです。
※次回、「コミュニケーションにおける⑤話し言葉信号⑥音声信号とは?」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社・1986年版より抜粋したものです)
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