(4)ざっくり店舗観察「ギンザシックス・2階・シジェームギンザ(その2)
こんにちは。
「ギンザシックス」を、少しずつ「ざっくり店舗観察」しています。
前回は、2階の中央にある「シジェームギンザ」をご紹介しました。
今回も引き続き「シジェームギンザ」を観察していきたいと思います。
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なぜならば、この店が、ギンザシックスの中で最も特徴のある店舗となっているからです。
(1)一番広い、「店員空間がある、接触・引き込み・回遊型」の店舗構造であること。
「シジェームギンザ」は2階中央の約500㎡のスペースにある、「店員空間がない、接触・引き込み・回遊型店」ですが、実際には、このイラストのように前面だけが通路に面しているのではなく、店の全ての面が通路に面した構造となっています。
一見、客はどこからでも気軽に出入りできる構造のように感じますが、店は店員の「なわばり」なので、店員が「なわばり」を解除するアクションを行っている場合は入りやすく感じますが、店員が「なわばり」を主張するアクションを行っている場合は入りにくく感じさせるのが、この構造の店の特徴です。
(2)唯一、吹き抜け空間にあり、エスカレーターの昇降客に常に注目されていること。
この店は、左右の二か所にあるエスカレーターの昇降客や3階~5階の吹き抜けに沿った回遊通路を行き交う客などから、常に注目を浴びる店舗となっています。
したがって、館内の多くの回遊客にアピールしたり引きつけたりすることができる大きなメリットを持った店となっています。
(3)店全面が主要通路に面していながらも、店内の回遊通路はやや不明確なこと。
エスカレーターや3階以上の回遊通路から見ると、全体的には非常に見晴らしの良い店舗となっていますが、それぞれのコーナーの陳列ケースや陳列棚やフィッティングスペースやディスプレイやその他の什器などが目立ち、商品そのものはほとんど目立たなくなっています。
そのことが店内の回遊通路を不明確に感じさせる原因の一つとなっており、実際に観察しても、店内の回遊通路が明確になっていないことがわかります。
(4)この店だけに、かつての百貨店の「売り場イメージ」が残されていること。
この店は、他の店と同様に、明確な通路に沿って店舗がつくられてはいますが、約500㎡という規模の大きい店であるために、この一店舗だけが、従来からの百貨店のフロアによくある「平場・ひらば」を連想させる店となっています。
以上のことから、多くの専門家たちによって店舗レイアウトや店舗デザインや商品構成が研究され尽くされているとはいえ、唯一「店は店員のなわばりである」という最も重要な観点が見落とされた空間となっていることが、気がかりになります。
ここ「ギンザシックス」は、吹き抜け空間に沿った回遊通路が、長過ぎもせず短過ぎもしない程よい距離になっていることと、両サイドに設置されたエスカレーターによって、回遊性の高いショッピングモールになっていることが大変優れたポイントですが、「シジェームギンザ」が、単に、全体の優れたポイントと景観を生み出すためだけの空間に陥ることなく、大勢の客で賑わう店になることを希望しつつ、今後の動向に注目していきたいと思います。
次回の「(5)ざっくり店舗観察 ギンザシックス」に続く。
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