4.客を遠ざける店員のアクション(その1)
こんにちは。
約30年前の1986年当時、店にやって来たお客様が、店内の商品をゆっくり見たり検討したりしないで、直ぐに立ち去ってゆく理由については、誰も明確には説明していませんでした。
そのため、店にやって来たけれど欲しい商品がなかったから、欲しい商品はあったけれど価格が高かったから、あるいは急に用事を思いついたから等の理由で、お客様は立ち去って行ったのだろうと考えられていました。
その当時に、「店にはお客様を引きつける店員のアクションと、お客様を遠ざける店員のアクションが存在する」という、私たちの観察レポートは、店長や店員を初め、多くの販売関係者の皆様に、大きな驚きをもって受け止められました。
その当時は、
①店頭や店内で、きちんとした姿勢でじっと立ってお客様を待つ。
②お客様が店に来るや否や、できるだけ早く積極的に接客を開始する。
以上の二つが接客の基本として指導されていたために、余計に強い衝撃を与える結果となりました。
しかし、実際には、従来までの接客の指導によって、お客様を遠ざける店員のアクションが生じていたことには間違いありませんでした。
その後、セルフサービス方式の店がたくさん登場したり、ネットショップが普及したりすることによって、お客様は、店員のアクションを気にすることなく、自由に商品を選べるようになったために、客を引きつけたり遠ざけたりする店員のアクションへの関心は薄れていきました。
しかし、接客を行うことが主力の駅ナカ・駅ソトショップの登場や、コンビニのカウンター接客が重要視される時代を迎え、①店が店員の「なわばり」であるという考え方 ②「なわばり」を解除した店員のアクション ③「なわばり」を主張した店員のアクションなどに、再びスポットライトが当たり始めています。
それだけに、30年前のリアルショップで起きた「お客様を遠ざける店員のアクション」を、ここでチェックしておくことは決して無意味なことではないのです。
さて、今日は、「客を遠ざける店員のアクション」の前半のお話です。
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4.客を遠ざける店員のアクション(その1)
「売れない店」には活気というものがありません。
店にはほとんど客の姿がなく、たまに客が来ても入り口のあたりをウロウロしただけですぐどこかへ行ってしまいます。
長い間、客が釆ないので、店員もすっかり退屈してしまい、うつろな目つきで店の外をながめています。
客が来ないのですることもなく、店内にはただただむなしい静寂がただよっています。
さて、この「売れない店」を救う方法はあるのでしょうか。
この問題に取り組む前に考えておかなければならないことが二つあります。
一つは通行量です。
店の前を人が通らなければ売り上げをあげることは至難のわざです。
もう一つは商品です。
他店に比ベて群をぬいて優れている必要はありませんが、きわめて商品が劣るようではいけません。
立地もまずまずで(事実、隣の店はよく売れている)、商品もそこそこのものを置いているとしたら、考えられるのは店舗レイアウトの失敗と店員行動の失敗です。
店舗のレイアウトについてはあとで触れるとして、ここでは「客を遠ざける店員のアクション」を見てみましょう。
「売れない店」の店員をしている人たちは、別に「今日はすべての客を追い払って、店内の商品を一品たりとも買われないようにしよう」と決心しているわけではありません。
ところがその行動を見てみると、客が商品に近づいたり手にとって見ようとするのをじゃまする結果になっているのです。
※次回、「5.客を遠ざける店員のアクション(その2)」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「入りやすい店売れる店」日本経済新聞社より抜粋したものです)
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【関連記事】
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2.客を引きつける店員のアクション(その1)
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