(22)「静かに語っても相手を恐れさせられる(その1)」
こんにちは。
相手に恐怖を与える方法としては、前回説明したように、大声を張り上げてこぶしで机をたたくなどによって暴力的なイメージを与える方法の他に、静かに語りかけることによって大きな恐怖感を与えるというものがあります。
例えば、身体を脱力させて(虚脱の動き)相手にゆっくりと近づいたり、身を乗り出しながら(接近の動き)相手をじっと見据えて、問題点をゆっくりと、しかし、確実に指し示しながら(一点注意の動き)、「あなたの言い分はよくわかりました。後は弁護士にお任せします」等と静かに語りかける方法です。
「虚脱の動き」からは落ち着き払っていることが、「一点注意の動き」からは正確で鋭い指摘が、「接近の動き」からは着実な遂行力がそれぞれ表現され、それによって単なる脅しではなく、いかにも言動が一致していることが相手に伝わるからです。
このような「虚脱の動き」と「一点注意の動き」と「接近の動き」は、やくざ映画の親分の演技に必ず観察することができます。
親分は、やっぱり、本当に恐いと相手に思わせる動きを持つ人なのです。
もしも、あなたが上司だとして、部下をどうしても厳しく叱らなければいけない状況になった場合は、大声を出してこぶしを振り上げてお説教をするか、静かに語りかけて心の怒りを訴えるかのいずれかをお選びください…。
さて今日は、「静かに語って相手を恐れさせる」お話です。
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(22)静かに語っても相手を恐れさせられる(その1)
すでに説明した通り、相手に対して怒りを表現する最もわかりやすい方法は、大声を出したり、こぶしをふり回したり、机や壁などをたたくことですが、こんなに激しい動きをしないにもかかわらず、相手を心底から脅かす方法があります。
それは、意外なことに、感じのいい動きを使って、静かに語ることなのです。
もちろん、怒りを伝えることが大きな目的なので、話す内容が大変厳しいものになるのは当然ですが、そのような厳しい言葉を穏やかな口調で、しかも、いわゆる感じのいい動き方をしながらていねいに語ることは、相手に恐怖を感じさせるために大変有効な方法なのです。
なぜそんなことが怖いのかというと、そういう動き方は、その人が極めて冷静であること、本気であること、そして着実にものごとを実行していくだろうということを強く感じさせるからです。
普通、人は口では激しいことを言っても、なかなかそのようには実行しません。
例えば,「クソッ、出るところに出ろ!訴えてやる一っ」などと言いながら、めちゃくちゃに手を振り回しているような人は、単に興奮して、そのようなことばを口走っているだけで、実際に面倒な訴訟の手続きなどしないものです。
次回の、(22)「静かに語っても相手を恐れさせられる(その2)」に続く。
(※以上の文章とイラストは、拙著「人は動きだ!」日本経済新聞社より抜粋したものです)
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