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2016年8月19日 (金)

22.「着物の大型展示販売」が、お客様を引きつけた店員のアクションと店舗構造(1991年当時)

こんにちは。

このシリーズでは、約25年前(1991年当時)、お客様を「一見客・いちげんきゃく」(見知らぬ客)として迎え、「一見接客・いちげんせっきゃく」を提供することによって「なわばり」を解除し、大勢のお客様を引きつけた店、あるいは引きつけようとした店をご紹介しています。

さて今日は、1991年当時に、大型イベント会場を短期間だけ借りて「大きもの博」を開催し、大幅なディスカウント価格の「きもの」を販売して、大勢のお客様を引きつけた「友禅の館」の店員のアクションと店舗構造をご紹介いたします。

当時、大勢のお客様を引きつけた「大きもの博」の「友禅の館」は、すでに営業を停止しています。

(以下のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです。)


(1)初めて登場した、着物の超大型展示即売会。(1991年当時)

ここでご紹介する販売現場は、1991年当時、東京晴海の「東京国際見本市会場」(1996年東京ビッグサイト開場に伴い閉場)を貸し切った会場で、会場全体に畳を敷き詰めて、大量の着物およびその関連商品を、大幅なディスカウント価格で展示即売したものです。

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(2)お客様から注文を受ける前から接客を開始する「常連接客」

この店(会場)に入ると、来店者(来場者)は、入り口で氏名と住所の記入を求められます。

入り口付近には、着物を着た中年の女性店員が何人も待機していて、お客様ごとにひとりの店員がついて、先に立って案内をして行きます。


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※店(会場)は、規模の大きい「店員空間のない、引き込み・回遊型店」

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※お客様から注文を受ける前から接客を開始する「常連接客」


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(3)広い会場を案内しながら接客をする店員

お客様は、買うか買わないかには関係なく、その店員に接客されながら、店内(会場)を回ることになります。

店員はお客様を案内しながら、あれこれ話し掛け、客の好みや要望を聞き出し、興味のありそうな商品のある場所へと誘導していきます。


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(4)商店街の「呉服店」や百貨店の「呉服コーナー」とは異なる「常連接客」。

当時の、商店街の呉服店や百貨店の呉服コーナーは「常連接客」を行う店だったので、買う気がなければ気軽に近づいたり入ったりすることはできませんでしたが、規模の大きい「きもの展示即売会」には、女性客は比較的気軽に入ることができました。

したがって、この店(会場)での「常連接客」は、お客様にとってさほど大きなプレッシャーにはなっていませんでした。

事実、途中で接客を断ることもできました。


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※商店街や、駅ビルにある呉服店の「店舗構造」
(1)「店員空間のない、引き込み・回遊型店」

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※商店街や、駅ビルにある呉服店の「店舗構造」
(2)「店員空間のない、接触・引き込み・回遊型店」

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(5)見知らぬ店員に対しては、お客様は話しかけやすい。

この店(会場)のお客様と店員は、お互いに見知らぬ関係であるために、いろいろと質問や相談をしても、必ずしも購入する必要はありませんでした。

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(以上のイラストは、「新しい客がどんどん来る店」・日本経済新聞社・1991年より抜粋したものです)



1991年当時、着物のディスカウントセールは、商店街の店や百貨店や駅ビルの店などでも、頻繁に行われていました。

しかし、この「大きもの博」(友禅の館)だけが、大勢のお客様を引きつけた具体的な要因は何だったのでしょうか?

それは、

「展示即売会」が短期間で終了となるために、店員とお客様は、どの店よりもお互いに見知らぬ同士の関係であったこと。

非常に広い店内(会場)には、大勢のお客様が回遊し、サクラパワー現象が生じていたこと。

入り口で待ち受ける店員の接客を、お客様は途中で断ることも容易にできたこと。

非常に広い、「店員空間のない、引き込み・回遊型店」での「常連接客」は、商店街や百貨店や駅ビルなどの「呉服店」の「常連接客」に比べると、限りなく「一見接客」に近かったこと。

以上のような理由により、「大きもの博」は、大勢のお客様を引きつけました。

お客様は、大幅にディスカウントされた価格にだけ引きつけられたのではなく、気軽に見たり触れたり試したりして購入することができる、「なわばり」が解除された「呉服店」を望んでいたのです。

経営自体も不確かなこのような店や売り方は、当時から多くの批判を浴びましたが、大勢のお客様が、「なわばり」が解除された「呉服店」を気軽にひやかしたり、自由に商品を選んだりしたいという強いニーズを持っていたことは、紛れもない事実だったのです。


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